2017/09/28
大学同窓会主催の講演会に行ってきました。
講師は聖路加国際病院顧問・小児科医の細谷亮太先生です。
細谷先生は著書も多く、絵本や俳句集も出していらっしゃる文筆家でもあります。
細谷先生は、20年間「暮らしの手帖」にエッセイを書いており、ときどき拝読していました。
ご専門は子どものガンと、ターミナルケア。
昔は、まだ子どもにガンの告知することはなかったそうです。
1982年に翻訳『君と白血病 この1日を貴重な1日に』(医学書院)を出版した時には
偉い先生から、「本人・親御さんが詳しく知っては、やりにくくなる」と批判もされたとか。
しかし、苦しい検査も治療も何のためであるのか話したほうが、取り組む気持ちになって、
予後もよいそうです。
告知する時には
・うそはつかない
・わかりやすく
・あとのことを考えて
パワーポイントで映し出された画面の文字が、たぶん先生ご自身の手書きでしょう。
見やすい、まるで「暮らしの手帖」の見出し文字のようで、いつもパワポといったらパソコン文字ばかりなので新鮮な感じ。
子どもに伝える時に、このようなわかりやすい文字を見せているのであろうと思ったのです。
先日亡くなられた日野原重明先生のお話も出て、意外な一面を知りおもしろかったです。
ギョーザをご馳走になった家庭のお話を伺っていて、深い悲しみを軽いユーモアで包む、そのお話にじんわりこみ上げるものがありました。
お話を聴いているうちに、私が静岡の子ども病院でリトミックボランティアをしたときのことや、当時、リトミックを習いに来てくれた子たちが、子ども病院の医師のお子さんたちだったことに重なりました。
病気の子どもたちと接し、医師のご家族の様子の一端を知り、あのような経験をさせていただいて貴重だったなあと思いました。
講演会の終わった後に清々しい気持ちがありました。この気持ちは、すばらしいコンサートを聴いた後の感じと似ています。
たぶん、幼くして病にかかった子どもたちに対する先生の慈しみと、多くの死に接しながら、悲しみを越えた境地に至った雰囲気をお持ちになっている、その雰囲気に私は感応し、感動したのだ、と思いました。
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