はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

『アレクセイと泉』

2022年04月15日 | 映画
2022/04/15


『アレクセイと泉』というのは
チェルノブイリ原発事故で被災した
ベラルーシの村に住む青年アレクセイと
この地の泉の水を汲んで生活する村人たち
の生活を映したドキュメンタリー作品です。

最近、坂本龍一の『音楽は自由にする』を
読んで、この作品を知ったのです。
坂本龍一が音楽を担当しています。

幸いにも図書館にあり、借りてきました。

坂本龍一は「音楽は映像の弱い部分につける」
と書いていますが
そこに注目して見るまでもなく
静かな環境音のように音楽は気づかないうちに
耳に入っている感じです。

さて、この作品の内容ですが説明文によると

「ベルリン映画祭を始め、世界各国で好評を博した
『ナージャの村』から5年。
写真家・本橋成一と音楽家・坂本龍一と組んで
〈泉〉を主題としたドキュメンタリーを完成させた。

舞台となる〈泉〉は、1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発
(旧ソ連・現ウクライナ共和国)の爆発事故で被災した、
ベラルーシ共和国東南部にある小さな村ブジシチェにある。
この村の学校跡からも、畑からも、森からも
採集されるキノコからも放射能が検出されるが、
不思議なことに、この〈泉〉からは検出されない。

「なぜって?それは百年前の水だからさ」と
村人たちは自慢そうに答える。
この百年、人間は何の豊かさを求めてきたのだろう。

《水の惑星=地球》の強い意志のようにこんこんと湧く〈泉〉は、
私たちに"本当の豊かさとは何か"を静謐に語りかける。」



撮影地となったブジシチェ村は
チェルノブイリ原発からの放射性物質が
流れ来る風下にあたり
高汚染地域と指定された地域ですが
泉の水からは放射能が検出されないとは
不思議なことではありませんか。

まず思ったのは、ここに出てくる村人たちは
今も元気なんだろうかと。
このドキュメンタリーは2000年の夏と
2001年の冬に撮影、となっています。

その続編がありました。
その予告編を見るとアレクセイと母は今も元気のようです。
20年後の村人たちが元気なのは福島にとっても
朗報ではないかと、安心する思いがしたのですが。

この村は国から避難勧告、移住命令が出て
地図から消された村なのです。

この『アレクセイと泉』を見たきっかけは
映画にどういう音楽をつけているのか、でしたが
見てみると、まず内容に惹かれて
音楽のことは忘れました。

1990年から2000年頃にかけての
ベラルーシでは、こんなに牧歌的な
昔ながらの生活をしているんだという驚きでした。

バケツで泉の水を汲み、天秤棒でかついで家に運ぶ。
泉のまわりの囲いを新しくするのも手作業。
住民が助け合って、共同でおこなう。

地域社会が機能している自給自足の生活だそうです。
放射能のことさえ考えなければ平和な村の生活は
懐かしいような思いでした。


本橋成一監督作品『アレクセイと泉』予告編



「人間が汚した土地だろう、どこへ行けというのか」予告編  

(動画をお借りしました)


映画に漂う情感・余韻は音楽が
担っていると感じますね。


今、ロシアのウクライナ侵攻で
チェルノブイリ(チェルノービリ)原発は
1か月間、ロシア軍によって占拠されました。

4月4日にウクライナの手に戻ったそうですが
ほんとうに危険なことですよね。

チェルノブイリ事故が起こったのは
1986年の4月26日で
毎年この時期にチェルノブイリ関連の
上映が「ポレポレ東中野」で行われているそうです。






 

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