はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

国立歴史民俗博物館「性差の日本史」展

2020年11月15日 | 美術館・博物館

2020/11/15

 

千葉佐倉市にある国立歴史民俗博物館に行ってきました。

開催中の企画展「性差の日本史」が話題になっているとのことで、東京からは少し離れているのですが、行きたいと思っていました。

 

 

https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/4837

 

日暮里から京成特急に乗って50分で京成佐倉駅に到着。

駅から徒歩20分。

この道を登っていきます。

家から2時間かかって、やっと歴博入り口に着きました。

 

「性差と日本史」展は、「政治空間における男女」「仕事とくらし」「性の売買と社会」の3テーマで、性による区分がどのように生まれ、変化したのかを読み解く企画。

1983年に開館した歴博で、ジェンダーを本格的に取り上げた企画展は今回が初めてのこと。

古代日本では男女の地位の差はなく、政治的能力に秀でていれば女性も首長になれたし、妊娠、出産は関係なかったのです。

古墳時代から飛鳥時代、奈良時代へと移る6世紀から8世紀にかけては、8代6人の女性天皇が存在しました。今は女性天皇が認められていませんが、古代は男女差はなかったのですよ。

性差にこだわりがなかった古代日本にとって転機となったのが、7世紀から8世紀にかけて取り入れた中国の法律体系の「律令」です。

「当時の日本は国家統一のため、中国の文化や制度を取り入れました。そのうちの1つである『律令』は男性優位の法体系です。君主である天皇が国を統治するために男と女を分けて区分する必要があったのです」(歴博の横山百合子教授)

平安時代になると、女性は行政の表舞台から姿を消します。宮廷において一定以上の身分の女性は「御簾」の中に隠れることとなったのです。

平安時代に仏教が日本に入って来ましたが、仏教は女性を排除する宗教でした。女性は修行しても仏になれないとする「女人五障」、女性は親、夫、子に従うべきだとする「三従」の教えのほか、女性は男性に生まれ変わって成仏できる「変成男子」など。

武家社会になると、武力を持つ男が政治の権力を握り、武器を持たない女は政治の場から排除されていきました。しかし、初期には尼将軍といわれた北条政子は8年間、政治の実権を握りました。

中世には、女性は幅広い分野の職に就いていましたが、江戸時代になると、職人とは男を指すもので、女は遊女や売女など、性的サービスの提供者以外は含まれませんでした。

髪結いは男だけがなるもので、女の髪結いの営業は禁止され、罰則まであったそうです。今のイメージからしてもおかしい規則ですね。

時代が下るにつれて女性は差別されるようになり、その地位が下がってくることがわかります。

しかし、江戸時代の武士は介護休暇が取れたそうですよ。

「江戸時代の子育てや介護は、当主である男性の責任でした。親の介護は忠孝の『孝』の中でもいちばん大切なことなので、家来の武士が介護休暇を申し出たら、大名は断るわけにはいきません。一家の主が堂々と介護休暇を取れた時代だったのです」(横山教授)

江戸時代は遊郭の展示も目をひきました。

明治以後になると公娼制度ができました。男が軍隊に行くようになると、それを慰安する女が必要だと考えられるようになってきたのです。

女性が差別される時代というのは男性も権力闘争や、経済を支えるために苦しい時代だったと言えるかもしれないと思いました。

終戦後の1948年のポスターには、「同一労働 同一賃金」という言葉があって、「こんな頃からいわれていたのだ」とびっくりしました。(最初の写真の左下に、そのポスターがあります)

 

昼食は館のレストランさくらで。当日のサービスランチ「かつ丼」。

千葉産のポークと黒米を使っているようで、柔らかくておいしかったです。

 

興味深い展覧会でした。土日祝はかなり混むそうですが、平日だったのでそれほどでもありませんでした。

常設展もよくできていて、午後に見てまわったのですが、時間があまりなくて途中までで退出。

フラッシュを使わなければ、撮影OKでした。

常設展は人が少なかったです。展示室に私一人ということも。

本物そっくりの人形が立っているので、見つめられている気分(笑)

 

当初は目録もお目当てでした。内容が充実していましたが、5㎝くらいの厚さがあって重そうだったので、迷った末にやめました。

ミュージアムショップもよくて、千葉産の落花生、味噌、醤油などがあって、買って帰りたかったけれど重そうなので・・・。(体力ない)

近くの佐倉城址公園や佐倉城跡に行ってみたかったのですが、歴博が見処が多くて時間が足りませんでした。夕方になってラッシュの混んだ電車に乗りたくないので、早めに引き揚げました。

当初の企画展を見る目的は達成しましたが、まだ見ていないところが多い。

次はじっくり歴博の常設展を見て、佐倉の町を歩いてみたいと思います。

歴博に行く坂の途中に仏像がありました。大分県臼杵市の臼杵磨崖仏のレプリカだそうです。

 


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