あちこちで蝉の死骸を見かけます。7年間土の中で準備して、やっと地上に出たら7日の生命とよく言われる蝉の一生…、季節の移ろいと儚さを強く感じさせます。
※最近の研究ではもう少し長く、1か月くらい生きるのではという説もあります。
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蝉の抜け殻、「空蝉」は「蝉」全般と同じく夏の季語です。秋の季語としては「秋の蝉」、「秋蝉(しゅうせん)」がありますが、蝉の死骸は夏でも見られるせいか、秋の季語としては歳時記(私の使っている)には載っていません。
例句では「落蝉(おちせみ)」や「蝉骸(せみむくろ)」、中には「死蝉」(読み方は?)などの句があり、特に秋としての分類にはなく夏の季語になっていますが、秋に詠んだほうが思いが深くなるかなと個人的な感想です。
ぬけがらに並びて死ぬる秋の蝉 内藤丈草
うらがへる蝉に明日の天気かな 青山茂根
死蟬をときをり落し蟬時雨 藤田湘子
鳴き尽くし蝉の骸の軽きこと 西村舟津
蝉骸腕くみ天を仰ぎたり 顎髭仙人