顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

稲刈りのあとの株…ひつじ田は秋の季語

2015年10月26日 | 俳句


稲を刈ったあとの株にまた新しく出てきた茎を「ひつじ」といい、ひつじが萌え出た田がひつじ田といい、秋の季語です。ひつじの字は「禾偏(ノギヘン)+魯」ですが、ブログ上では日本語文字コード(S-JIS)以外の文字は変換されません。別に稲孫田(ひつじた)ともいいますが、こちらの方が言葉の意味が分かりやすいかも知れません。



さて、この辺は米どころ、8月末に稲刈りの終わった田は、切り株のひこばえもすっかり大きく秋の色になり、背丈は短くても稲が垂れ下がり、ちゃんと実が入っています。まるで二期作です。
調べてみると、暖かい早場米地区では二期作も可能で、戦後の食糧難の時には集めて収穫したようですが、現在は手間に会わないので屑米や飼料にも利用しないようです。やがて田起しされて土の中に鋤き込まれてしまうのでしょうか。

ひつじ田の果て無き関東平野かな   篠 藤江
ひつぢ田に紅葉ちりかかる夕日哉   蕪村 
ひつじ田も黄金に実り米どころ    顎鬚仙人



山法師の実は、季語?

2015年08月22日 | 俳句

庭のヤマボウシ、白い花の様子が、白い頭巾をかぶった僧兵(山法師)に似ていることから名前が付きましたが、咲いた時もいつの間にかという感じで咲きだし、実も今日二階の窓から見て、生っていることに気が付きました。
食べられるということで、二三度口にしましたが、別名ヤマグワというだけあって桑の実に似た感じ、それほど美味しいとは感じませんでした。ジャムや果実酒にもなるそうです。



山法師の花はもちろん夏の季語ですが、実の方は歳時記に載ってなく季語としてまだ確立されていないようで、探し出した例句では別な季語がちゃんと入っています。

山法師の実の赤らめる原爆忌  川越昭子
山法師の実を含みみる秋風裡  荻野嘉代子

徳蔵をいざ加勢せん山法師  顎鬚仙人
山法師の実を粧いて今朝の露 顎鬚仙人