顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

湊公園(ひたちなか市)に吟行 

2017年09月20日 | 俳句

30年以上続いている俳句の会、月一回の例会は室内で行われることがほとんどですが、その月の当番さんの企画で外に出て吟行になることがあります。9月は顎髭仙人の当番で、湊公園に出かけました。

ここは涸沼川と合流した那珂川がすぐに太平洋と流れ込む北側の日和山(御殿山)という標高21mの台地で、水戸藩2代藩主徳川光圀公が別荘「夤賓閣」を建てました。建物は幕末の天狗の乱で焼失しましたが、当時の見事な松が数本残っています。

秋晴れの高台は暑いくらいの陽気ですが、さすがに海の風は秋の涼しさを運んでくれます。参加者は思い思いに園内を歩きながら鉛筆を走らせ、またお喋りにもつい花が咲いてしまいます。

句座は公園内のふれあい館2階の実習室、軽い昼食は手作りの栗ご飯、その後清書された投句を選句して、披講、相互に選評を行います。師のいない句会ですので各々唯我独尊的メンバーが、辛口評もあれば、作者の意図とまるっきり違った解釈もあったりして、楽しいひとときを過ごしました。


航跡を長くのこして秋の江  てる
水澄むや河の終わりは港町  やす
重陽や海の高さを見てをりぬ  多
涼風の吹き来る道あり湊公園  かつ
ハマギクの蕾は固し太平洋  阿
秋風に髪は乱れて御殿山  あん
息まけど秋声と覚ゆ風やさし  みち
鯊舟はここまで河は海に入る  よし