梅雨といえばムラサキツユクサ(紫露草)、名前の通り雨がよく似合います。
花弁は3枚、6本の雄しべは先端に黄色い葯がついていて、まわりに毛があります。葯のない一本が雌しべの花柱と柱頭です。
数年前に突然変異発見と意気込んだ白いムラサキツユクサは、園芸品種であまり珍しくないと後で知りました。ムラサキなのに白なんて変ですが…。
アジサイ(紫陽花)は、ヤマアジサイの方が小柄でいろんな色があって好みですが、買った時の名札がいつの間にか消えて、名前無しになってしまう我が庭です。
あとで調べたら、幻のあじさいといわれた「七段花」のようです。ヤマアジサイの変種で六甲山特産種、シーボルトの「日本植物誌」には採録されていたのがいつの間にか姿を消し、1959年六甲山系で再び発見されたという歴史を持ちます。
このアジサイは西洋アジサイと山アジサイを交配して選抜育成したアジサイで、「アジアンビューティHITOMI」とまだ名札が残っています。
ペチュニアとその改良種サフィニアはいろんな品種や色が開発されていますが、これはサントリーの作った「ももいろハート」、ピンクのハート形が特徴です。
キョウガノコ(京鹿子)は、京都の鹿の子絞りという鹿の斑点模様のような絞リ染めから名前が付きました。シモツケソウ(下野草)とコシジシモツケソウ(越路下野草)の交雑でできたといわれています。
さてその大元のシモツケ(下野)は山野に自生する落葉灌木、下野国(栃木県)で発見されたので名付けられました。この花によく似ているため名前がついたバラ科の多年草シモツケソウが、キョウガノコの親のひとりになります。
この時期地面に落ちてその開花を知るのがナツツバキ(夏椿)、別名沙羅の花です。椿の仲間で花ごとぽとりと落ちますが、こちらは落葉樹で葉も全然違います。
チドリソウ(千鳥草)は別名ヒエンソウ(飛燕草)、鳥が飛んでいる姿からの命名で、似ているデルフィニュームと同じキンポウゲ科の豪華な花です。こぼれタネから毎年どんどん花を咲かせます。
梅雨時となると思い出すウグイスカグラ(鶯神楽)は少年時代のおやつ、水気の多い薄甘さはなぜか鼻腔を刺激します。
グミ(茱萸)もよく食べました。これはタワラグミ(俵茱萸)と思っていましたが、グミの品種確定は難しいことをブログ仲間の雑草さんから教わりました。そもそもタワラグミなる名称自体がナワシログミやトウグミの別名と出ていました。味は少年時代の記憶に残るあの味ですが…。
ロウバイ(蝋梅)の実を見ると、梅ではないというのがはっきりわかります。水戸藩の藩校弘道館の弾痕残る正庁畳廊下の東側で撮りました。
幼い頃に食べたツバナ(茅花)、正式にはチガヤ(茅萱)です。すでに穂が大きくなっていますが、まだ苞に包まれた若い花穂を食べました。サトウキビの近縁種ともいわれます。
この写真を撮った海水浴で賑わう大洗サンビーチの一角にはいま人影もありません。
いくたびも風がとほりて茱萸のいろ 細川加賀
茱萸は黄にて女めくなり吾がちぶさ 三橋鷹女
茱萸は黄にて女めくなり吾がちぶさ 三橋鷹女