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ハマナス(浜茄子)は北国の花、この公園から北方6Kmの鹿嶋市大小志崎地内が自生南限地帯で大正11年(1922)天然記念物に指定されました。同時期に何故か高萩市肥前山も指定されていますが、これは貴重性のアピールよりも保護するための地域指定であったからと常陽藝文誌2018年7月号に載っています。
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さてこの公園は中世の伝説が残る文太長者の屋敷跡であったと伝わります。製塩で長者になった文太は美しい二人の娘が帝と中将に見初められ、やがて京に上り名を文正と改め大納言にまでなった…と室町時代の「文正草子」という御伽草子に出ているそうです。確かに館跡とも見えるような海を見下ろす地形です。
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広い公園の真ん中付近で案内図では霜水寺西堂跡とある辺りに古い墓群が残っていました。墓碑を見ると元禄、亨保など近世前半のものでしたが詳細はわかりません。
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ハマナスはすでに終わりに近づいており命名由来の梨のような実がなっています。浜梨(ハマナシ)が訛ったのが名の由来とする牧野富太郎説が有力ですが、茄子(ナス)説もあります。
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ハマナスは園芸品種では八重や黄色もあるようですが、野生種では濃いピンクと白色だけ、大きさは野生のバラの中では最大です。
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展望塔にはプラネタリウムや郷土資料館があり、最上階の海抜77mからは360度の景観が一望できます。
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カシマスタジアムと臨海工業地帯、鹿島港です。
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筑波山が見えます。天気が良ければ富士山、日光連山も見えるそうです。
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北側方面、ハマナス自生南限地の大小志崎はこの手前あたりです。
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ハマナスに混じってドクダミの花、匂いが強く蔓延るので嫌われていますが、清楚な花です。薬効も多く乾燥させたものは十薬といわれ、日本薬局方にも収録されているそうです。
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ナワシログミ(苗代茱萸)が鈴なりです。つまむと渋さの中にあるなつかしい甘さ…少年時代の味を思い出しました。
ブログ仲間の雑草さんからナワシログミでなくナツグミかトウグミではないかとのご指摘をいただきました。現地に付いていた名前札を鵜呑みにしていましたが、ウェブ図鑑で見ると確かに葉、実の形も少し違っていて、ナツグミの特徴がいちばん近いと感じました。公園などではそれほど厳密な品種名にはこだわらず、総称的な名前で表示しているのかもしれませんが…。
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なお公園の南側にある鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の駅、「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅(ちょうじゃがはましおさいはまなすこうえんまええき)」は、ひらがな表記では日本一長い駅名ですが、あまりにも長いため地元では所在地名の角折(つのおれ)駅とよんでいるそうです。