偕楽園には約3000本、弘道館には約800本の梅の木があり春一番に満開の花を咲かせますが、さてその実はどうするの?とよく聞かれます。(アイスランドポピーの梅林の真ん中辺で梅落としの作業が行われていました。)
例年の梅落としが偕楽園と弘道館の梅林で6月6日・7日の2日間行われました。通常の梅林はある程度熟したものを収穫しますが、来年の開花を重要視するため樹勢が弱らないうちの青い梅を落とします。
長い棒で木を揺すって下のシートに落とします。偕楽園、弘道館併せて20トンも採れた年もあったそうですが、ここ数年は不作が続き、昨年は4トンしか採れず、選別後の1.5トンを1キロ詰めにした1500袋を一般の方にお一人1袋限り200円で販売しました。
もちろん偕楽園の梅というプレミアがつくので、人気が高く毎年すぐに完売してしまいます。
ことしも梅の開花の時期が例年に比べて早く、まだ虫たちが活動しないうちに受粉時期が来てしまったため、収穫量はあまり期待できませんでしたが、6日、7日の梅落としの結果がホームページで発表されました。偕楽園が3,612Kg、弘道館が860Kg、併せて4,472Kgの梅が選別すると1kg入リで1200袋用意され、お一人1袋限定200円で6月8日9時から偕楽園公園センターで販売されます。
偕楽園の梅は100種類以上あり、一番多いのが実生野梅(種子から成長し固有の品種名のない梅)、次が実梅の代表「白加賀」が約430本ですが、約40%が花を鑑賞する花梅で、実がほとんど生らない品種もあります。
梅は自家不結実種のため実をいっぱい生らせるには、違った種類の受粉樹を植えますが、その代表品種である「小梅」には鈴なりの実が生っています。
「花香実(はなかみ)」という梅は、後水尾天皇(1596~1680)が花も香も良く,実も良いとこの名をつけたと伝えられる品種、名前の通りの良果が結実しています。
4センチもある大きな花で知られる「滄溟(そうめい)の月」、花と同じように大きな実が生っています。
水戸市では梅の花ばかりでなく実の生産地としても名を高めようと、いまジョイント仕立てという栽培を奨励しています。これは主枝を隣の木と接いで何本もの木を直線状の集合木として栽培する方法で、5年で成木並みの収穫と施肥、管理、作業の効率化が図れるとされます。(写真は水戸市のホームページより)