畑に借りている隣地の隅に植えた皇帝ダリアは、丈が高く風をまともに受けるため、台風で倒れることが多いのですが、今年は被害もなく無事に天寿を全うしそうな感じです。
「青天を衝く」という大河ドラマのタイトルのような咲き方で近年人気が高く、あちこちで目にするようになりました。ダリア属の多年草、学名Dahlia Imperialis、英名Tree Imperialisをそのまま訳して皇帝ダリア、木立ダリアとも呼ばれます。
今年は4mをはるかに超えました。この高さのために、台風除けの支柱設置は難しく、花芽のつく前の8月中に数回切り戻しして丈を低くする作業をしなければなりませんが、無精して1回だけでした。
短日植物のため、昼間の時間が短くなる9月頃に花芽を付け始めます。我が家では咲き始めが11月10日頃、上記の写真は11月14日撮影です。
原産地は中南米で、サッカーで名前が浸透したコスタリカやメキシコなど平均気温が20℃以上の地域のため、強霜が降りると一晩で花と葉が黒くなり無残な姿をさらします。この地方では例年12月10日過ぎなので、間もなく花の一生を終わることでしょう。
残った株から春には芽が出ますが、土壌が凍結する地方では、地下部の塊根は腐ってしまうそうです。
直径25cm以上もある花の色、なぜか見かけるのはこの色ばかりです。花のない時期なので赤系があってもいいかなと思いますが。
果たしてこれが草本?竹のような中が空洞の幹は直径が8センチ以上あります。ゴミに出すにも1mくらいに切ったものを5、6本束ねるので、結構手間がかかります。
この茎を10cmくらいに切ったものを、水苔を敷いた箱に並べて室内に置いて発芽させ苗を作ったことがありましたが、最近では大きくなりすぎるので、広い庭でもないと敬遠されているような気もします。
俳句では冬の季語として確立されてないせいか、ネット上では他の季語で詠んでいる句が多いようです。間もなく歳時記に採用されるのではないかと思いますが。
皇帝ダリア無傷に深き冬の天 西山美枝子
仰ぎ見る皇帝ダリアといふ高さ 今井春生
皇帝を冠するダリア霜の朝 顎鬚仙人
そして12月15日、大陸からの寒波が列島を襲った霜の朝、約1か月冬空を飾った花は終焉を迎えました。