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何かと気忙しい年の瀬ですが、世間に申し訳ないほど暇な仙人は師走の花を探して彷徨しました。
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我が家の皇帝ダリアは長生きの新記録を更新中です。(12月14日撮影)今年はまだ元気な花を咲かせ枝には実が付いていますが、メキシコ、中南米原産のため霜が降ると地上部は枯れてしまいますので、関東地方では結実することはありません。
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咲き始めは1か月前の11月13日撮影、冬空に威風堂々としてまるで皇帝のようですが、19世紀初頭の皇帝ナポレオンのロシア遠征が冬将軍に敗北したように、いつも12月初めの降霜で枯死します。
なんと200年後の21世紀に、そのロシアがウクライナへの侵攻作戦を続けているとは!冬将軍がウクライナに味方して早めの終戦を願ってしまいます。
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庭の木陰にキチジョウソウ(吉祥草)が増えています。縁起が良いとされますが、今年もいいこと何もなく…、しかし無事に過ごせたのが吉祥なのかもしれません。
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公園を歩いても眼に付くのはサザンカ(山茶花)ばかりです。蟻が最後の蜜を求めに来ているようでした。
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紅葉した葉に「帰り花」が…雄しべが5本なのでサツキ(皐月)です。常緑ですが初冬に3分の2くらいの葉が落葉するそうです。「狂い咲き」ともいいますが「帰り花」の方がいいですね、仙人のもうひと花は完全に無理ですが…。
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こちらは紅葉したツツジ(躑躅)の生け垣の中からキク(菊)が顔を出していました。炬燵に入っているような住環境なのでしょうか。
あまり被写体がないので水戸市植物公園に出かけてみました。
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驚いたことにまだ紅葉がしっかり残っている一画がありました。
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林の中にスノードロップが咲いていました。中世のヨーロッパで人気の涙滴型の真珠のイヤリング(snow drop)に因んで名付けられたといわれています。
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冬のバラは、俳句では冬薔薇(ふゆそうび)という季語になり、侘しい感じでよく詠まれますが、暖冬のせい葉も花も紅葉の中で乙女のような瑞々しさでした。
冬の公園から一転してメガネの曇る温室に入ってみました。
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おなじみのブーゲンビリア、1768年にブラジルでこの花を発見したフランス人の探検家の名前が付けられました。
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熱帯アフリカ原産のホワイトキャンドルというこの花は、赤い色が多いクリスマスシーズンのアクセントになりそうですね。
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アブチロン・ホワイトキングは中南米原産でアオイの仲間というのは、花を見れば頷けます。
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ペトレアの花は、真ん中の濃い紫色が花で周りの細長い薄い紫色は萼です。花はすぐ落ちてしまっても萼だけが残るため、長期間鑑賞できます。中南米原産の常緑性ツル性植物で、細く伸びる枝の先に花をつける様子から「女王の首飾り」とよばれます。
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英国庭園に多い「トピアリー」は、花が壷から流れ出すように仕上げられています。真っ赤なポインセチアとムラサキオモトの寄せ植えがこの時期にぴったりです。
さて皇帝ダリアですが、12月18日にこの地方を襲った寒波で降霜の朝、あえなく枯死しました。
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我が庭の長寿記録も塗り替え、今年は天寿をほぼ全う出来たのではないでしょうか。