顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸の梅…ナショナルコレクションに認定

2024年06月07日 | 水戸の観光
日本植物園協会(総裁/秋篠宮さま)が未来に残すべき植物の文化遺産として2017年から始めた「ナショナルコレクション」に、偕楽園と水戸市植物公園の梅130種が認定されました。

江戸時代の文献にもある古典的な品種や水戸で作出された品種を中心に選ばれ、該当品種の梅は偕楽園内で892本、市植物公園内の148本が登録されました。
※写真は、水戸で発見された種に斉昭公の諡号を名付けた「烈公梅」です。ナショナルコレクション(偕楽園)


そもそも水戸は、2代藩主光圀公(号/梅里)以来歴代藩主が梅を愛したといわれ、9代藩主斉昭公が182年前に開設した偕楽園を主体に、今でも毎年「水戸の梅まつり」を開催して梅の都として知られています。
※写真は明治16年の「梅花集」掲載の「残雪」です。ナショナルコレクション(水戸市植物公園)



昭和62年(1987)開園の水戸市植物公園でも、市内の「天神山木楽園」の故寺門忠之氏や、茂垣勝男氏など国内でも知られた梅栽培家の育てたものを主体に、150種400本を植えた梅林が造られました。コレクションには寺門氏作出の「天守閣」や茂垣氏作出の「寿」なども含まれています。
水戸市立植物公園の梅林です。



なお、認定を記念して水戸市植物公園ではパネル展を8月25日まで開催しています。



偕楽園、水戸市植物公園で認定された梅の写真が掲示されていました。(写真はその一部です)



さて、この時期は春の花いっぱいの植物公園です。


入るとすぐのオーバーブリッジではバラの花が迎えてくれます。


滝と水路を配したテラスガーデンは、季節の花で飾られています。


ジニア、ベゴニア、サルビア…長持ちする花々の寄せ植えです。


切り花やドライフラワーで人気のスターチス、花の中から出ている白い小さな花が本当の花冠で、周りの青やピンクの花は萼片だそうで、初めて知りました。


カンパニュラ・メディウムはキキョウの仲間、いろんな色があり釣鐘形の花が人気です。


桂並木沿いの小池にはスイレンが満開です。


桂の新緑は、爽やかな色のハート型の葉がきれいです…、根元を見ると樹に水分と栄養を供給する根がたくましく地表を這っていました。


大温室の花の滝は、トピアリー(植物を人工的、立体的に形づくる造形物)というそうですが、季節の花で仕上げられていました。

梅のナショナルコレクションについて水戸市植物公園の西川綾子園長の話では、画一された花壇が愛される欧州と違い、色や形から咲き方や模様まで多様性を愛でて名前を付けるのが日本の歴史的な園芸文化なので、こうした楽しみ方を伝えてきた水戸の梅林をこの機会に知ってもらいたいということでした。


偕楽園でも来歴の正しい梅の品種を増やしており、苗畑では200種に及んでいると聞きました。今後も植物公園と連携して種の保全や新種の拡充などに尽力していただきたいと思います。
※写真は紅白咲き分けの「輪違い」、「思いのまま」ともいいます。ナショナルコレクション(偕楽園)

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2 コメント

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Unknown (まりえ)
2024-06-07 09:22:13
おはようございます
「思いのまま」何と健気で美しく
ロマンチックな言葉でしょう✨
良い週末をお過ごし下さいね
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思いのまま (顎鬚仙人)
2024-06-07 16:15:26
定められた色でなく、思いのままの色で咲き分ける梅の花が
羨ましくなります。
コメントありがとうございました。
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