偕楽園の西にある沢渡川緑地は、水戸台地と見和台地の間を流れる沢渡川の河岸段丘の谷間で、真ん中に常磐線が通っています。
沢渡川は双葉台の新溜から流れ出し、新原付近で堀川を合流し偕楽園公園で桜川に合流する総延長約7kmの小さな1級河川です。
この沢渡川の左岸に位置する比高15mくらいの水戸台地は、いわゆる水戸層と呼ばれる水を通さない凝灰質堆積岩とその上部の砂や砂利の礫層の間に水を蓄え、崖面からの湧水が多く見られ、沢渡川に流れ込んでいます。
この約19haの湿地が、沢渡川緑地として南北の崖の傾斜地と崖下の平地の一部に遊歩道や湿地生物観察地が整備されつつありその一部の供用が開始されています。
崖下の群落は白いハナニラ(花韮)とイモカタバミ(芋片喰)、どちらも観賞用の外来種が今では強い繁殖力で野生化しています。
湿ったところが好きなアリアケスミレ(有明菫)です。有明の空の色になぞられて付けられたとか、結構目にする菫で、ツボスミレ(坪菫)とよく似ていますが、葉の形で識別できます。
歴史館側の緑地入り口にゴヨウツツジ(五葉躑躅)、別名シロヤシオ(白八汐)が満開でした。愛子内親王のお印(皇族が身の回りの品などに用いる徽章)として知られています。
沢渡川の河川改修計画や遊水機能を持った調節地の役目もあるため、この広大な敷地の利用計画は未定のようですが、水戸市が検討中の偕楽園駅の常設化計画が具体化した場合の有力な候補地にもなっているそうです。
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