山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

山岳事故後、二度目のお風呂(上さんありがとう)

2013年10月11日 | 日記・エッセイ・コラム

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◆2013年7月14日、八ヶ岳(大同心ルンゼ)にて

(ムカゴトラノオ)

20131011日(金)

『山岳事故後、二度目のお風呂』

<上さんありがとう>

今日夕刻、914日の滑落事故以来、二度目のお風呂を楽しませてもらった。一度目は四日市の病院で20日過ぎごろに、半ば無理やりに、横になった儘の姿勢でお風呂に入れてもらったのだが、それ以降初めての入浴であった。退院後、上さんに何度も「お風呂に入ったら」と言われ続けたが、僕は気が進まず拒否し続けて来た。それは、入浴により酔ってしまって気分が悪くなるのではないかと心配したからであったのだが、「お湯入れてあるわよ」と言われて仕方なく入った今日の入浴は、結果としてその心配は無用となった。上さんありがとう。

事故後僕は、激しい目眩に襲われ続けた。まだ自身の脚で歩くことができないときから、ベッドに腰掛けようと身体を起したときや、その逆に腰掛ける姿勢から横になる姿勢へと体勢を変えるときに、天井がグルグルッと激しく回転し続けた。また四日市の病院退院後、自宅に戻って以降の日々の近隣病院通院時の車酔いの激しかったことも、その大きな理由となった。病院に到着し診察を待つ間も、また帰宅した午後の数多の時間も、終始船酔い気分で過ごさねばならなかったからだ。

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90歳代御夫婦(奥様の柔和な微笑)

2013年10月11日 | 日記・エッセイ・コラム

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◆撮影:2012年10月21日、洛北鷹峯(光悦茶家裏庭)にて

(ホトトギス)

20131011日(金)

90歳代御夫婦

<奥さまの柔和な微笑>

今夏、ランニングを行なっていたある朝、三井団地を抜けて寝屋川沿いの道の這入ったところで、ご主人様が90歳代に違いないと思われる御夫婦が前方からやって来られた。それまでに二度その御夫婦を見かけていたのだが、御主人様の左側に寄り添うような形で、御主人様を支え歩いておられる奥さまの表情に、その朝は柔和な微笑があったのを拝見して僕は嬉しくなり、走りながら思わず「おはようございます」と挨拶をした。そのとき僕は、我々夫婦の20数年後の姿を思い浮かべたのだが、その御夫婦とは逆に、僕が上さんを支えて歩いている様子であった。

僕の上さんは必要が無い限り外出をしない、その原因は眼にあることは間違いが無い。「色彩が無い」「眼前にいつも霧がかかった状態」「かなり視力が弱い」等の症状があり、買物でさえも満足に一人でできない現実がある。嘗ては家族で時間を見つけては山野を楽しんだりしたものだが、なかでも家族4人に加えて姪を4名も連れて行った19988月の北アルプス表銀座は我が記憶中に明確に残っている。

山野の色彩を楽しむことができなくなり、足下であってもしっかりと見ることが出来なくなって久しい。それゆえ普段より運動不足は否めない。上さんの眼が今のような状態に陥った原因は神経的なもので、1999年の三月に長女が事故で逝ってしまって以降、数年の間に一時は両目ともまったく見えなくなってしまったのである。

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