ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

「灯油」は油外商品?

2006年03月16日 08時27分14秒 | Weblog
灯油は間違いなく「石油製品」です。灯油は石油なのです。
しかし、「SS」での収益区分上は「油外収益」とみなされているようです。
一般消費者に「SSへ行って灯油買ってきて」と言ったら通じるでしょうか?

「ガソリンスタンド」をSS(サービスステーション)と呼ぶのは石油業界でも「SS経営者」のみです。一般消費者に「SS」と言っても意味が通じない事が多いのです。

「SS業界」は実は閉鎖的な業界です。消費者から見たら「ガソリンスタンド」なのですが、「特約店」もあれば「サブ店」もあります。

同じように全国で統一マークを挙げているコンビ二には「特約店」も「販売店」も系列販社も独立系業者も区別はないはずです。セブンイレブンの運営者がローソンの売れ筋商品を勝手に仕入れて売る事はできません。系列の商品企画力や業務コストダウンに乗って商売しています。商品開発企画力は系列に依存します。ガソリンスタンドは商品アイテムが少ないですから商品企画力にコストが掛かりませんし必要もありません。SS経営者でそんな努力をした人は少ないはずです。

ですから、コンビ二を経営しようとしたら、より優秀な商品企画力と業務コストが軽減されたオペレーションを持つ系列を選択するはずです。石油業界で元売にあたるコンビ二企業は運営者から「選択」という非常に厳しい課題を常に与えられている事になります。

現在の日本の「SS業界」は「タライの中のアメンボ」のようなもので、自分たちが競争しながら生きているタライそのものが、構造的な流れで大きな川に流されている事に気付かなければなりません。これから流れが急に変わります。さらにその先に大きなナイアガラの滝が待ってるようです。

自分から最初にタライから飛び出して自らの力で急な流れを泳ぎ切り岸に登るか、みんなと一緒に滝つぼに落ちてから考えるか。

灯油は確かに石油製品です、しかし、収益構造上は「油外商品」であるというのは正しいかもしれません。販売オペレーションが「SS業務」ではないからです。ですから、SSにとっては灯油配送ビジネスは新たな油外ビジネスなのでしょう。

石油業界の掲示板

2006年03月16日 07時59分14秒 | Weblog
最近は色々な業種の方が掲示板を作って業界内の話題や情報を出し合っています。
石油業界にも幾つかの「掲示板」があります。なかにはブログ形式で内容も石油業界向けだけではもったいない位の立派なレベルのものもあります。そんなブログに出会うと私も勉強させてもらっています。

ITの時代に入って情報の量が増え伝達スピードが急速に早まったのは大変良いことです。しかし、情報にも色々あります。特に業界情報などは活用の仕方で両刃の剣になるような気がしています。

 販売量の少ない一般販売店が「原油価格」や「為替」、石油の大量ロットでの自主流通価格を論じてみても何の役にも立ちません。現実に今、自分の力で変える量や支払条件、貯蔵施設や流通機能の対応があって初めて取引ができるわけです。少しでも安い玉を手当てしたいのは商人であれば当然の事ですが努力すべきでしょう。しかし業転の最低価格だけを話題にして、経営スタンスを忘れ価格だけを追いかけているリテール業者が多すぎるような気がします。

そんな掲示板を見ていると、昔の石油組合の親爺同士の会話と少しも変わっていません。進歩していません。むしろ情報過多でスピードアップされた現代の方が情報環境は悪化しているようです。石油業界紙などが非常に稀で過激な価格競争などの「レアケース」ばかりを取り上げて記事にしているのも悪い事です。それが話題となって経営者の不安感を誘うことも多いはずです。

なかには「2チャンネル」まがいの掲示板もあります。本当にこれでいいのか? と思える低レベルのものもあります。情報は「お金」といわれますが経営者として現在本当に必要な情報取得の「質」や「スピード」、「情報取得手法」と取捨選択が問われているような気がします。

このブログも私見による意見が多いわけですが、なるべく業界の方向性だけは見失うことなく、客観的な情報を書き込みたいと思っています。しかし、それだけでは面白くありません。有効な情報や考え方はスピーディーにお届けしたいと考えています。
異なる意見や疑問点がございましたら、是非書き込んでみてください。