エコカー普及で、ガソリンは減販が明確化、
販売数量の減少からさらに激化するガソリン販売マーケット。
ガソリンスタンドという設備産業の宿命ですね。
軽油ビジネスは税制面で、サブ店にとっては格差商品。
ガソリンと軽油は「税金を売っているようなもの。」
よく考えれば、運転資金ばかり掛って割が悪すぎる商売ですね。
先日、佐久市へ出かけたら、
閉鎖した古い友人のSSの塀に白地に斜めの大きな赤線が・・・、
よく考えたら、あれは函館のアサヒ商会か。。。
石油業界の中小販売店業者にとってはアゲンストの向かい風が吹く難しい経営局面です。
それでも、灯油があるから生きられる。
今後のSS経営は「灯油ビジネスで命運が決まる。」
まず、灯油という商品は
軽油のように特約店とサブ店での税制格差がありません。
税率も低いですから、運転資金も少なくて済みます。
最近では、「配送コスト」の意識が消費者に認知され「値取り」も可能な環境ですし、
「引き売り」業態との価格差も出ています。
灯油の配達購入のお客様は、定着率が高い。
さらに、「定期配送」による囲い込みで販売数量の予測も可能となってきました。
配送商品ですから、立地条件を選びません。
SSの整備規模や運営件数に関係なく、展開が可能ですから、
企業規模なども関係ありません。
サブ店など、地域と密着度の高い中小企業にとっては、
配送サービスを徹底することでさらに、有利な展開が望めます。
生活に密着したホームエネルギーですから不良債権発生が少なくて、
キャッシュフローが望めます。
今年は、大災害の影響で、『灯油復権』が叫ばれており、
灯油ストーブの販売数が10倍もあるとか、
SSのセルフ化で、灯油配送体制が弱体化している企業や
閉鎖と淘汰で配送不能なエリアも急増しています。
灯油が欲しいのに、必要な時に届かない過疎地帯のお年寄りも増えているわけですから、
消費は確実に存在しています。
そんな状況なのに、
ガソリン仕切り価格だけに目が行って自分の足元のニーズを見ようともしない販売業者が淘汰される時代です。
SS店頭だけで、ガソリンを売っているだけで、経営が成り立つはずもありません。
セルフで本当に「油外収益」が増えますか?
仮に、数か月だけ「油外」で収益を上げたとしても、販売側の都合のビジネスを継続できますか?
本来の安定した「油外収益」は消費者の根強いニーズに支えられて「安定収益」として定着できるものなのです。
「モルヒネ」や「覚せい剤」のようなものではないはずです。
昔、私がSS店頭で商売していたころ、
キャンペーンでワイパーを千本も売ったら、後で売れなくてひどい目にあいました。タイヤも同様です。
その後、「バカ売り」の愚かさに気づきました。
ビジネスなんてものは、
消費者ニーズと真正面に向かい合うことで成立するわけです。
販売側だけの都合で消費者を舐めた商売は、危険です。
自動車メーカーがエコカー開発に命運をかけ、消費者もエコカー購入を支持している「減販」という時代の流れの中で、
時代遅れのSS業者が店頭で「座して死を待つ」。
もうそろそろ、目を覚まさないといけません。
最近、灯油配送体制を整備しているのは大手ディーラーが圧倒的に増えています。
大手企業が「灯油」の配送に力を入れて、販売量もない零細業者がパソコンのガソリン業転市況をにらみながら、
小田原評定をしてみてもしょうがない。
そんな時間があるなら、
もっと目をSSの外に向けて、積極的に消費者と向かい合って、やるべきことがたくさんあるはずです。
すでに、SS店頭でストーブに温まりながら、来店するお客様だけを待っているだけで商売が成立するような時代ではありません。
そんな経営者が自分だけの算盤をはじいている間に時代に取り残されていく。
ゴルフでいえば、「ヘッドアップ」というわけで、いつまでたってもうまくなれません。
SS業界のこの閉塞感を救うのは、ホームエネルギーの核となる「灯油ビジネス」です。
今年の灯油ビジネスは、消費者の皆様に再びガソリンスタンドの存在感を見直して戴ける最大のチャンスです。
ヘッドアップせずに、しっかりとボール(消費者ニーズ)を見つめて、落ち着いてティーショットを打ちましよう。
ですから、「今年の灯油は神様なのです。」