為替が急激に円安に振れてきたために、石油業界では仕切り価格の値上げに伴い、
リテール部門でもみずからの販売転嫁のための値上げ作業が急務となっています。
とんな商売でも、「値下げ」や「値引き」は消費者に喜ばれますから楽ですが、
逆に、「価格値上げ」というものは、大変な作業ですね。
石油リテールにおける基本的な販売競争は今後も継続するはずですが、
それゆえ、隣接や同一マーケットの競合他社の提示価格を「横睨み」しながらけん制し合っていて、
市況構築がままならない。といったケースが多いようです。
かといって、みんなで話し合って販売価格を決めたら「公取」で問題になりますから困ったものです。
それでも、石油業界が消費者から「便乗値上げ」や「談合」などという言葉で非難されていた時代を思えば、
これだけ為替などの情報が国民に理解されてきた現代ですから、ガソリン価格の変動は自然な動きのように感じられます。
一番収容なことは、販売業者側の姿勢と覚悟だと思うわけです。
昔は、競合他社よりも値上げのタイミングを遅らせて拡販しよう・、なんてSSもありました。
地方などでは、親の代から仲が悪くて感情的にいがみ合っている同業者もいるようで、
因縁の価格商戦となっているところもあり、そんなケースでは周辺業者が大迷惑。
時代も変わりますから、石油ビジネスの環境も変化してます。
「儲からない。」と嘆く前に、価格転嫁は自己責任です。
昔のような、元売りによる「地域特価対応」なんて曖昧な値引きなども善し悪しですね。