ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

「海賊と呼ばれた男」

2013年01月23日 11時35分06秒 | Weblog

「海賊と呼ばれた男」を読みました。

出光興産の創業者・出光佐三氏のノンフィクション小説として最近大きな話題になっています。

創業時からの苦労なども明治時代の世相とともに男のロマンに満ちています。
当時の日本の男たちは本当に凄かったと思います。涙が止まりませんでした。

申すまでもないことですが、
明治44年、門司で出光商店(小説では国岡商店)を立ち上げた出光佐三(国岡鐡造)は、
その後、数々の苦難を乗り越えながら、今日の出光興産の礎を築いた人物です。
石油業界に携わる者として、石油の時代の黎明期なども勉強になります。

時代が変わっても、創業者としての苦労は大変なものだと思いますが、
現代の石油業界人としても勇気が湧いてくる一冊だと思いました。

石油業界では、昔から出光興産の社風や社員のモチベーションの高さは異質なもので、
よく、「宗教のようだ・」なんていう方もいらっしゃいましたが、
この本を読んでみると、出光興産の根底にある精神がわかるような気がします。

映画にしたら、大ヒットしそうな内容ですね。


SS店頭における「油外収益」の課題。

2013年01月23日 04時30分20秒 | Weblog

SS業界における「油外収益」について、
セルフ化などによる影響ともあいまって、かなり大きな過渡期ともいえるような動きが出てきたようです。

SSですから、車をキーとする関連ビジネスと考えるのは自然なのですが、
最近のカーライフ関連ビジネスの現場での業務オペレーションは、
多くの場合、一般のSS経営者にとっては全くの「異業種」であるともいえるようです。

仕事内容が違うわけですから、実際には全くの新規ビジネスともいえるわけでそれほど単純なものではないということのようです。
格安レンタカー、車検、中古車販売などなど、色々な模索を繰り返してきたSS業界なのですが、
カーライフビジネスの分野ともなれば、最近ではディーラーなどをはじめとする専門業者などの攻勢も強まっており予断を許さない状況です。

確かに、何でも販売できる器用な企業もありますが、
業務内容が全く異なる新しいビジネスの展開ともなると、人材の少ない一般企業では苦労も多いようです。
特に、マンパワーに依存するわけですから苦労が絶えません。
最近では、新規ビジネスでは「金を儲けずに、苦を儲けた。」なんて悲鳴さえ聞こえてくるわけです。

よく聞いてみると、
SSをセルフ化した余剰人員の有効活用といった面からの展開でもあったようですが、
新規開業時のモチベーションを維持して継続して安定的な収益効果を出すのは至難の業だとおっしゃいます。
結果を出せないと、優秀なスタッフも退職してしまうケースもあるようです。

車検ビジネスなどでは、いっそSS店頭以外に車検専門店を作ったほうが有効だという意見もあります。
私も、その手法で実際に大成功している企業を知っていますが、
確かにSS店頭で行うビジネスモデルもありますが、
多くの場合、SS店頭とは別の販売オペレーションのほうが有効な業態とがあるようです。

一概に、ガソリンスタンドが儲からないから、何かを企画しようという単純な発想では一時的な消費誘発はできても
なかなか「定着」した安定収益につながらないというジレンマを重ねてきたSS業界です。

最近では、石油業界としての本来のコアなビジネスである
灯油とLPガスなどの機器類販売を中心とするホームライフビジネスの可能性が再認識されて効果を上げています。
やはり、原点回帰ともいえるような動きです。
この切り口ですと、「リフォームビジネス」や「宅配ビジネス」といった切り口と視点の広い展開ですから可能性はさらに拡大するはずです。

もはや、従来の「店頭での客待ち」型のSS施設を中心とする『大艦巨砲型ビジネス』は終焉しました。
今後のSSは、エコカーや小型自動車の急増による減販傾向もあり、「ガソリン自販機センター」としての位置づけとなるはずです。

確かに、SS店頭に安値看板を掲示して、集客した客にSS側の都合で「油外商品」を売りつけるというこれまでの思考戦略ではダメですね。

ガソリンスタンド、運営企業もいろいろです。
SS店頭で「車」を中心とした考え方、灯油やLPなどのホームエネルギーを中心に展開する企業、複合的ビジネス展開で「SSもやってるよ」といった感じの企業。
まあ、十人十色ともいえるわけですが、どうも優劣は経営者自身の頭の切り替えと意思決定能力などの力が大きいように感じます。