「月刊ガソリンスタンド」誌の編集部と来年の原稿企画に関する打ち合わせをしています。
現在、そしてこれから、読者の方が実際に必要としている情報や話題をどのようにとらえていくことができるか、
「変化」の激しい、しかも過渡期にあるSSビジネスですから、非常に難しい課題です。
石油業界といえば、国際石油資本のまさにメジャービジネスから、元売り、商社、特約店、そしてリテールの販売部門まで実に裾野が広いビジネスですね。
ですから、それぞれの立場で、考えることや課題も異なります。
私としては、リテール部門における変化とそれに対応できるビジネスモデルの確立について、今後の方向性を示すことができたらと考えています。
特に、SS店頭における燃料油の減販傾向が顕著な時代です。
しかし、SS数の減少により販売量を伸ばしているSSもあります。
地方などではSS数の減少も問題となっており、消費者がSSに求める業態やサービスも変化しています。
これまで、SS店頭オペレーションを中心として、定点型の「待ちのビジネス」であった業態そのものが時代とともに変化を求められているといえます。
たとえばコンビニのように、
昔から存在していた雑貨屋さんが、消費者ニーズに応じてコンビニに業態を変えるだけでこれだけ消費者に支持される時代なのです。
まさに消費者ニーズに応じたコンビニエンス(利便性)が問われる時代です。
これまで、ガソリン価格の安値提示は集客の「撒き餌(まき餌)」であり、
安値看板で集客したお客様に対して、SS店頭の「油外商品で稼ぐ」という思考と手法を中心にガソリン乱売合戦が展開されてきました。
ですから、お客には煩がられてセルフが支持されます。しかも、価格志向のお客ばかりで、財布の紐が硬くて固定化も図れません。
これの繰り返しでは、いつまでたっても「乱売合戦」は続くはずです。
ところで、
皆さんは、コンビニで買い物をして価格が気になりませんか・?
決して、安売りをしているわけではありません。
最近のコンビニでは、酒やたばこも販売しており、宅配便の受付から、銀行ATM、各種チケット販売、さらには「宅配サービス」などまで実に消費者ニーズを先取りした多様なサービスを展開しています。
「開いててよかった」という利便性やニーズを先取りした多様なサービスが複合的に消費者に支持されているわけです。
ガソリンスタンド業界では、なぜできないのか・・・・・、
冬場の基幹商品である「灯油配達」でさえも消費者ニーズに応じられないとしたら、いかに「灯油復権」を叫んでみても消費者の心には届きませんね。
当社は、ガソリンスタンドだから・・・、という固定概念にとらわれた古めかしい雑貨屋の親爺さんのようなSS経営者の方がいまだに多数存在しています。
1店舗のSSを運営しているだけでも、元売りの役員よろしく原油価格や石油流通を論じている自己満足型の経営者もいます。
論外ですね。
私は、別に収益事業を多角的に展開している企業は別として、
SS店頭販売オペレーションのみに固執し、いまだに安売り戦争に明け暮れている業者に未来はないと考えています。
販売の原単位が少ない中小業者であったとしても、
地域性や企業特性を生かした独自のビジネスモデル創出の工夫により充分経営が可能だと思います。
これは、実際に私自身が全国各地、「勝ち組企業」の現実をみて感じていることなのです。
石油ビジネスは、実に裾野が広い。そして、可能性も無限です。
WTIの市況が気になる方もいるでしょう。
しかし、原油相場というものは、一般リテール企業が論じてもどうなるモノでもありません。
経営者にそんな暇があったら、灯油の配達でもしながらお客様と接してみる必要がありそうです。
まずは、自らの立ち位置を確認して、個々のマーケットで消費者から求められていることを認識して行動すべきです。