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月の満ち欠けに時の流れを感じながら、皆でそれぞれの持ち時間を楽しく意味あるものにしていきたい。

虹の足、他人に見えて自分には見えない幸福

2011-11-04 21:13:00 | 日記

 今年は、正月の孫2人の出産手伝いにはじまり、震災、娘家族の引越し、リストラ、病気等々。慌しい日々に忙殺され、どこまでこれが続くのだろうかと、ちょっと途方にくれるような時があった。
 が、ふと吉野弘の「虹の足」の詩を思い出して、ハッとした。

 虹の足
 
 雨があがって
 雲間から
 乾麺みたいに真直な
 陽射しがたくさん地上に刺さり
 行手に榛名山が見えたころ
 山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
 眼下にひろがる田圃の上に
 虹がそっと足を下ろしたのを!
 野面にすらりと足を置いて
 虹のアーチが軽やかに
 すっくと空に立ったのを!
 その虹の足の底に
 小さな村といくつかの家が
 すっぽりと抱かれて染められていたのだ。
 それなのに
 家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
 ―わーい、君の家が虹の中にあるぞオ
 乗客たちは頬を火照らせ
 野面に立った虹の足に見とれた。
 多分、あれはバスの中の僕らには見えて
 村の人々には見えないのだ。
 そんなこともあるのだろう
 他人には見えて
 自分には見えない幸福の中で
 格別驚きもせず
 幸福に生きていることが―。

 そう、子供達、孫達がいる。守るべき家族を持っている自分の幸せを、虹の足にいて、見失ってはそれこそ大不幸。
 吉野さんの詩のお陰で、守るべき家族を支えられる健康と力がある幸せを感じられたら、自分の上にかかる虹が見えた。

 この詩のように、自分を常に取り戻せる生活の支えを持ってる幸せも、再認識 *(キラキラ)* 

追伸:以前の日記2009年12月5日(ココから)で、虹の下をくぐった今森光彦氏の驚き体験を掲載。虹の下を知りたい方は、そちらもご覧下さい!

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