東京の新型コロナウィルス感染者数が4日連続40~60人となり、東京が外出自粛を言い始めた。一体何件の検査をして感染者がでているのか。疑問に思って、また厚生労働省のサイトで公表している数字を以前「検査数統計をチェック」で書いたやり方で確認してみた。
1月15日~今に至るまでで合計でも46969件!5万件にも至っていないことが分かった。
3月27日付の発表で、1月15日~3月25日までの数字として46969件と出ていた。そして内訳が下記のようだった。(厚生労働省のサイトのココから転載)
注意)厚生労働省の資料に全てリンクを貼りましたが、新しいデータがでると、過去の参考資料はすべてデータがでないようにしており、リンクが無効になってしまいました。残念ですが今現在の数字を見るには、「検査数統計をチェック」の方法でご確認下さい。
上の表が見づらければ、表をクリックすれば元のサイトに飛んではっきり見られます。ご覧のように、3月23日、24日、25日と日本での検査数は韓国が1日1.5万件と言ってドライブスルー検査もしていたのに比べ、何と相変わらず1108件、1959件、1679件と非常に少ないことが分かります。では、東京はいったい何件検査をして今日は63人が見つかったのでしょう。
ふと見ると、こういう参考資料の並んでいるサイトの一番下に変化がありました。
3月27日付けの発表
項目が増えていました。最初にあげた表は、この中の2項目の2つ目の「国内における新型コロナウィルスに係わるPCR検査の実施状況」というのをクリックしたのですが、新しいのは「新型コロナウィルスのPCR検査の1日あたり実施可能件数(都道府県別)」です。昨日のブログに挙げた「新型コロナウィルスのPCR検査総実施件数(都道府県別)の下に加わっていました。
よく見て下さい。大都市東京で、検査能力はたったの220件。昨日「この2ヶ月強の間の総計で、2087人をこれまで検査して、218人が感染者とわかった」という東京都の検査の少なさ、その中で1割以上が感染とわかったことを書きましたが、今日はさらにこれで、PCR検査が必要な人が出ても、検査体制がないという事実がはっきり分かってしまいました。驚愕の数字です!検査数が1日4000件とか言われていた時も、首都圏には人口数に比例して相当数はあるのかと、なんとなく想像していました。
因みに、ずっとこのブログで言ってきたように、まるで知られたくないかのように、不親切にこういう数字を下の方にもってきている厚生労働省。東京都が何件検査をしたかもこの1月15日~3月26日の総計の表と、右の昨日発表の1月15日~3月25日の表を比べないと今日の件数がわからない!!!仕方ないので計算してみます。2182件ー2087件=95件!!! 能力220件あるのに、95件実施。それで、感染が265人ー218人=37人が26日の東京の実態?さあ、あなたのお住まいのところは、能力は何件分あって、25日の実施件数は何件だったでしょう?
注意)私が、自分で取っておいたデータで上の2つの資料を比較しましたが、厚労省では新しいデータが出ると、これも総数で表記されているため、過去データを全て削除して見られなくしています。不親切極まりないやり方と思いますが、そのため、私の貼ったリンクは無効になってしまいました。
そして、日本全国の検査能力総数を今一度よく目を開いてみて下さい。4352件。(3月中には7000件にするとか)確か言ってませんでした?それも随分低い数字と思っていましたが、最初の頃に現在は4000件だがと言っていたのと全然変わっていないじゃないですか!
<2月29日の首相会見で「来週中にPCR検査に医療保険を適用致します。これにより、保健所を経由することなく、民間の検査機関に直接検査依頼を行うことが可能となります。民間検査機関の検査能力も大幅に増強されます。(中略)取り組みを総動員することで、かかりつけ医など身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべての患者のみなさんがPCR検査を受けることができる、十分な検査能力を確保いたします」のメッセージが空虚にあなたには聞こえませんか。また、言うでしょう検査数を増やすとは言っていません。能力は少しですが増えました。もう、首相の詭弁と嘘はたくさんです!>と私がブログに書いたのは3月14日。詭弁といいつつも、検査能力の確保位は本気でやると思っていたのに、それまで裏切られるとは。
そして、今日の首相の記者会見の最後、記者からの質問に首相が検査数について答えて、こう言っています。
「欧米諸国と比べて相当日本が感染者の数が少ない。(感染の有無を調べる)PCR検査が少ないじゃないかと言われています。確かに、PCR検査の数は少ない中において、私もほぼ毎日のように厚生労働省に対して、医師が必要とする、判断すれば、必ずPCR検査できるようにしてくださいねということは、重々申し上げております。日によっては非常に少ない日がありますから、なるべくしっかりとPCR検査をやってくださいと言ってます。 では、果たして日本はそれを隠しているのかという議論がありますよね。これは私は違うと思います、例えば、死者の数は、PCR検査の数が少ないけども死者の数が多いということではありません。では、死者の数、肺炎で亡くなっている方が実はコロナではないかとおっしゃる方がいるんですが。コロナウイルスの場合は、専門家の先生たちがこれはみんな、私も確認したんです。 私も、私もですね、そういう批判があるんだけど、どうなんだろうかと、このPCR検査少なくて、という話を伺ったんですが・・・(後略)」(産経新聞がココで全文掲載中)
これで、「首相も考えていろいろ聞いてくれ、厚労省にも言ってくれているんだ」とあなたは思いますか?
今の東京都の検査能力が220件というのを知っている首相が、2月28日の会見で「かかりつけ医など身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべての患者のみなさんがPCR検査を受けることができる、十分な検査能力を確保いたします」どんな決意で言ったのでしょう。知った上で言って、しかも今頃 厚生労働省に「医師が必要とする、判断すれば、必ずPCR検査できるようにしてくださいねということは、重々申し上げている」なんてお願いの仕方をする。おかしいですね。
正直、私はひっくり返りそうですが。あなたはどう思われますか?東京で、1日220件の検査能力ですよ。日本全国でまだ5000件の検査能力もない日本。
「確保いたします」なんて出任せの約束など、嘘をつき慣れた人でない限り言える訳がありません。正直な人は、「するよう努力します」といい、「220件を医者が必要な時に検査ができるようにするには、何をどうすべきか」、専門家と方法を必死に協議し、国民のために最善の政策を考えたはずだと思います。
もしかしたら、首相は今でも分かっていないのでしょうか?この現状を。分かっていないとしたら、そんな現状認識さえない希薄な危機意識の首相がリーダーシップを取るので、大丈夫なのでしょうか?
首相に危機意識がまるでないから、奥様もお友達とレストランでお花見ができるのでしょう。記者の方、首相にぶっつけで質問してみて下さい。「首相、今の日本の検査能力は他国と比べてあるのですか? たとえば、東京は1日何件の検査能力があるのですか?」 国会で聞かれて、加藤厚労大臣も即答できず、後ろを向いて官僚に聞いて答えていましたよね。
官僚を牛耳るのに、物事を進めるのは官僚任せ?「かかりつけ医など身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべての患者のみなさんがPCR検査を受けることができる、十分な検査能力を確保いたします」と自分が言えば、あとは官僚がすべてやってくれる? 本当にできるのか、官僚と打ち合わせもなく数字も知らずに、専門家の医者にも聞かずに、まずは国民を安心させればいいと口から出まかせをいう。
そういえば、マスクや消毒液はまだ薬屋にない!菅官房長官が約束したはずだがと古い記事を探したら、時事通信の2月22日に「政府政策に疑問」という記事がでていた。
「話が違うじゃないか。どうなっているんだ」。菅義偉官房長官は20日、経済産業省の担当者を呼び、マスクの品薄状態が解消されない現状について説明を求めた。 1月以降の中国での感染拡大を受けて、厚生労働、経産両省は業界団体にマスク増産を要請。13日に発表した政府の緊急対応策では、増産のための設備投資支援に5億円を確保した。 政府関係者によると、1月最終週には週1億枚超を供給できるようになったが、それでも週9億枚に急増した需要に追い付いていないという。第1次オイルショックでは、社会問題化したトイレットペーパー不足に対処するため、生活関連物資緊急措置法を活用して、買い占めや売り惜しみを取り締まった。政府は今回のケースに同法を適用することに慎重だ。浜田聡参院議員(NHKから国民を守る党)の質問主意書に対し、2月21日の閣議で「現段階ではマスクを(対象に)指定する状況ではない」とする答弁書を決定した。
政府に政策がない。検査、マスク、医師や病床の確保をこの政権に任せておいて、日本は大丈夫なのか?
今の状態では、医師が判断してもPCR検査がとても必要としても出来る状態にはいつまでたってもなりそうにない。
地方自治体の各県知事や市長、医療従事者、国民のひとりひとりが自分の足下から、この現状をしっかり認識した上で、少しでも先をみて、自分たちにできることを実行していくしか、この危機を乗り越える道はないようだ。あとは、神頼みか?