『失敗図鑑』という本を読んだ。子ども用の本のようで、半日もあれば読んでしまえる本だったが、実に面白かった。
実は、最近、仏教の「一切皆苦」(人生は思い通りにならない)という言葉がふと頭に浮かび、仏教に触れ直してみたいと、寂聴さんの『いま、釈迦のことば』という本を手にして、次のブッダの言葉に行き当たった・・・
ブッダが、我が子に先立たれて悲しみ「この子を生き返らせ出ください」と訴える若い母親に
死んだおまえの子を生き返らせてあげよう そのために、今まで一人も死人をだしたことのない家から 芥子粒をもらっておいで
と告げ、その母親が一軒一軒訪ね歩くが、どの家でも気の毒そうに断られた。死者のでない家などどこにもなかった。「こんな悲しみを経験したのは、私ひとりではなかった」と気づいて、その母親は出家して尼にしてもらい、亡き子を弔った。(概略)
『失敗図鑑』には、才能をもち、今に至ってもその名を知らない者がいないような名声を得た人々の失敗談が載っているのだが、まさに上の話と同じ。(素晴らしい人は、まっすぐに栄光への道を歩み、最後まで栄光に満ちた人生で終わっているか~)というと、人は様々。そんな単純な人生はない。仏教の言葉でいう、「諸行無常」(すべてはうつり変わるもの)なのだ。順風満帆なんてそうあるものではない。
実は、それで、さらに思い出した本があった。昔、嵌まった『プロ論』という本だ。
こちらの方は、大人向けの本で、成功した著名人達が、どのように今に至ったかの話がギッシリと詰まった本で、一時期 のめり込むように読んだ。本棚にきっとあるはずだと探してみたら、本に茶色になった新聞や雑誌の切り抜きががっつり挟まっているのがみつかった。
本を読んだ時期に記憶に留めたい著名人の記事に触れると、本にそれも残しておいたようだった。
人の人生は、苦楽あり、山谷があり、それを乗り越えて生きるもの。
『プロ論』を読みながら、そして新聞や雑誌などの記事から、かつてずいぶん学んだことを思い出した。
この「失敗図鑑」という題名の面白さに惹かれて読んだが、『プロ論』の子供版のようなこの本、素晴らしかった。特に、著書の書いているそれぞれの人たちの失敗へのコメントも示唆に富んでいてよいと思った。
孫にも読んでもらいたいと思って、さっそくamazonでポチリとした。そして、興味を持ってもらえたら、さらに『プロ論』にも読み進んでほしいと思った。調べたら、『プロ論2』も読んだと思うが、今は『プロ論3』まであったので、これは私のためにポチリと注文しておいた。