28日夜の「報道ステーション」を見て、驚いた(ココから)。厚労大臣が国会でまた法案を通そうとして嘘をついたことが明らかになった。そして、ブログアップが遅れている間に、実は29日の国会答弁でも、さらに首相も同じ嘘で上塗りを繰り返していた(ココから)。
「審議会が概ね賛成した」という田村厚労大臣のが嘘だったことが、今回は改ざんされることなく厚労省のホームページに公表された議事録から、明らかになったのだ!そして、その議事録で審議会の様子が浮き彫りにされている中でも首相が嘘を重ねたのだ。
厚労省の官僚の方たちが、議事録をそのまま公開するという(当たり前のことを実行)してくれたお陰で、タグに「#国民のために働く官僚を応援する」の言葉を加える気持ちになりました。
この最低限の(当たり前のことを実行する)ことを官僚ができなくなっていること。それが、今の政権が招いた最大の罪です。その一線を守ってくれる官僚たちの頑張りを、国民も野党も、そして、心ある与党の人たちも、しっかり見て応援していきましょう!
ということで、何が起こったのか?概略をまず説明します。下の画像から直接記事で確認して頂くのが1番お薦めです!
この下にもあらましを書いておくことにします。
(画像は、テレ朝の記事と動画にリンクしてあります)
最初に、厚労省の感染症部会に出席した委員の一人が取材に対して「田村大臣の説明に違和感を覚える。部会はおおむね賛成という雰囲気ではなかった。賛成の人も、決して手放しで賛成ではなかった。むしろおおむね慎重ということでまとまった」と発言していたという。
そして、昨日の国会で共産党の小池晃さんが、質問に立って田村厚労大臣に聞きました。
「1月15日の厚生科学審議会感染症部会の議事録がきのう、厚労省のホームページにアップされました。見て驚きました。出席した18名の委員のうち、罰則に賛成しているのは3名だけ。慎重意見が3名、8名の方は反対あるいは懸念を表明しています。法案について意見を求めた部会ですよ。その多数の意見を、反対意見を踏みにじって法案を出してきたじゃないですか」
出典をだしてくれていたので、さっそく「1月15日 厚生科学審議会感染部会 議事録」で検索。厚労省の下のページが分かった。画像をクリックか、ココからオリジナルデータが見られました。ひとりでも多くの方に読んで、実際に触れてもらいたと思います。下の画像をクリックでも大丈夫です。まさに、田村大臣の「部会は、おおむね賛成」という答弁とは逆のことを委員の方々が熱を込めて審議していたことがよく分かるはずです。
概要も下に簡単に書いておきますが、実際の議事録を読むと、委員達の命がかかった問題と、科学的に冷静に全体をみて考えて発言していることが読み取れるはずです。
<議事録の概要> 表記: 賛成 慎重論には傍線 疑問や問題点を指摘 としています。
最初に、事務局から、資料として「事務局案におおむね賛成」とする日本経済団体連合会と、「罰則規定には慎重で丁寧な議論を求める」とする日本労働組合総連合会からの意見と、国立感染症研究所の資料の説明がある。その後、オブザーバー参加の全国知事会の参考人の方が結構長い話の中で「罰則規定は必要ではないかというのが知事会の大方の意見だ」と発言。さらに、全国衛生部長会の会長も参考人として「感染症蔓延防止の対策として、一定の罰則も必要ではないか。でも、個人の人権を尊重するのは大切」としながら「決して刑罰が先に立たないように社会にもきちんと説明をして理解を得て見直しを進めて頂きたい」と発言。
そして、ここからが、18人の委員たちによる審議会の様子だ。
1.対策の実効性の確保から逆に保健所の仕事が増える懸念がある。誰が、判断するのか? 罰則の一人歩きなど。追加:法律でも、実害があった時には、他の法律を適用するかも考えられる。感染症法の中であえてなたを振るう必要はないのではないか。
2.実際には市中感染前の無症状の人から感染している。そっちは結果的に追跡できず、数が多い対応。一方罰則を与えて厳しくするのはおそらく数の少ない対応。実効性に疑問がある。いま、集中すべきは感染経路対策で、罰則はそれにほぼつながらない。罰則は慎重に考えて頂きたい。追加:罰則導入の感染症への抑制効果が科学的根拠がない。議論が熟しきっていない。エビデンスを数値でしめしてもらえないと。日本医学界連合なども緊急声明で、逆効果ではないかと意見を出している。
3.罰則というセンセーショナルなことだけを前面にだすのでなく、感染拡大を食い止めることを正しく国民に伝える。追加:罰則を設けることに賛成している訳では決してありません。丁寧な論議を重ねるべき。
4.感染性があるものについては、観察期間中に出歩くのはリスクを伴うので前向きに考えたい。 追加:感染させると分かってリスク行動をとるのは犯罪。でも、公衆衛生従事者の公務執行妨害をしているとして、他の法律で対処できないのだろうか。
5.現場の保健所が困らないようにしてほしい。非協力、拒否の判断を保健所がすると負担を増やす。患者との信頼関係は保健所が寄り添って行う。罰則でそこで関係に罰則でひびが入らないように罰則の議論は慎重に。自宅や宿泊の協力に応じない者に入院勧告できるようにすると、現在病床逼迫しているのによくない(困る)
6.基本的には賛成するが、罰則についてはいろいろ考えなければならず、国会の審議をしっかり踏まえる必要がある。罰則で実効性が損なわれることがあってはいけない。追加:国会での、国民全体の合意ならびに一致感。議論は、感染拡大の実効性など難しい。その議論は国会に委ねる。
7.罰則でうまくいくという議論が流れている気がするが、実効性を担保できるが疑問。なぜ保健所の調査に協力しなければいけないか国民に理解させる努力が先では。追加:パブで何か言って感染者が暴れた事件では業務妨害の疑いで送検されたので、他の法律で対応できることは確かにある。刑罰は人権の制約になるので、慎重にやる必要がある。
8.宿泊、自宅療養に従わない場合は入院の方向へというのは、今までの入院から宿泊・自宅へという政策からすると患者を逆流させるようなもの。病床の圧迫になる懸念。コロナ対応の病床数を増やす医療体制拡充の方向で、病院側へ支援することとセットでなければいけない。罰則が重すぎる。追加:抑制的に運用するから規定を厳しくてよいとはならない。規定が厳しめに定められていれば抑制的に運用されない可能性もある。しっかり考えないと。
9.罰則が必要な時はあるが、罰則で従業員の検査行動を妨げる可能性も極めて高い。罰則がある一方でインセンティブも同時に考えないと。保健所が頑張っていい関係を作っているのに、それが崩れる可能性もある。丁寧に扱うべき。
10.小さい町村で、1人の濃厚接触者が外出して困っている。感染者はすくないのですが、罰則はある程度必要。
11.全くの無症状の人が感染させるのは5%という論文がある。罰則を設けたから感染をおさえこむことができたかというのは、科学的に考えないといけない。罰則を科すのに、その人が感染源になり得た可能性を証明せよと言われたら、おそらくできないだろう。
12.全体として異論はないが、情報開示で受ける社会的な不利益からどう守るかという観点の議論は生じ得る。地方であれば、患者さん数がすくないほど患者さんの情報を皆が知りたがり、患者さんの人権が傷つけられたりという経験をもっている。
13.実質性を担保していくには、よく考えた方がいいのではないか。今の感染症予防法ができているので、その本質を活かしながら上手くやっていく方法をみつけるのがいいのではないか。
14.賛成です。感染を拡大させたり、ほかの方の不利益を起こすのではないかという患者さんが残念だがいる。ただ、医師の立場では感染者や患者さんは弱者。基本的に守ってあげるのが第一原則。抑止力に何らかの方法はつくってもいいのかと思う。
15.何だかなんだ抑止力は絶対に必要。運用の方法は、皆さんで検討して良い着地点があればいいな。
16.賛成しているが、罰則については慎重な対応が非常に重要。弱い立場というか、感染を受けた方々ですので、罰則規定ということなので、運用面をしっかり考える必要があるのは皆さん方と同意見。
17.地域CDCなどの話や検査の話はあったが、罰則についての発言はなかった。
18.賛成の立場の脇田国立感染症所長(座長)
ざっとみて、賛成と反対とを、私の判断で振り分けてみたが、これだと賛成3人は分かったが、1人の意見が不明な以外は、14人が懸念を述べたり、反対していると私には思えた。
さらに、<追加>と書き添えてある人がいるが、それは、座長である脇田国立感染症研究所所長が、政府通りに見解をまとめたい意志を前面に出して、議論を「先生方からいろいろご意見をいただきました。部会としましては、この事務局から提案された方針におおむね賛成する方向だと、今意見を伺っていまして考えています。ただ、今までかなりいろいろな御意見もいただきましたので、事務局の方では今日頂いた御意見を踏まえつつ、この早期の提出を目指して進めていただきたいと考えています」と意見を無理矢理まとめてしまい、議題を法改正の問題から「検査」問題へと話を移し変えてしまった。
そこで、しばらく検査の話をした後、3人の委員から法改正の罰則問題をさらに議論すべきという意見が出て、再度罰則への議論が再開<慎重であるべき。逆効果ではないか。自分の発言が間違って捉えられないように、「今回ここで罰則を設けることに賛成をしているわけではけっしてない」という委員や、「国会で議論を尽くすべき」など7人の委員からダメ押しの意見も出された>ので、「追加」としてこれを同じ人のところに加えてある。
さらには最初に「罰則規定はおおむね必要ではないかというのが知事会の大方の意見」と言っていた全国知事会からの参考人の知事まで「知事会の意見でも罰則の規定を書いていますが、これを振り回すことを想定していることはない」「慎重な運用を前提にしている」「見直しに当たっては、皆様から頂いた御意見を踏まえつつ進めて頂きたい」「何人かの先生から、かえって(刑事罰を入れると)保健所の現場の負担が大きくなるようなことになっては本末転倒だということは、我々の認識としても一致しているとご理解頂きたい」と、前言を大きく修正する話も出るほどだったのだ。
これを、「おおむね賛成」の審議と誰がどの口でいえるのだろうか?
「おおむね賛成」にまとめようとして必死になって、最後にも「だいたい皆様の意見を伺って、結論は事務局から提案された方針でよしとすると思いますけれども、ただ~~~~」と、まだ了承にこだわったのは座長だけだった。
出席していた江波結核感染症課長は、「国会での審議が必要なことであるということでございますけれども、その際には先生方からいただきました御意見をしっかりお伝えするようにしたいと思いますし、運用に当たりましても、どういった運用なのか、それが実際に効果、実効性があるのかということについての検証も必要ということであると思いますので、その辺りも引き続き先生方に御相談をしながら検討を進めていきたいと考えているところでございます」と発言。
正林健康局長も「今日非常に数多くの御意見をいただきました。特に罰則について、運用面についてとか、非常に慎重であるべきという御意見、私も同感でありますので、これから立法作業、国会での審議、さらに仮に可決・成立した場合の実際の運用面でも、先生方におっしゃっていただいた御意見は十分に尊重しながら、これから進めていきたいと考えております」と約束している。
これで、出席しなかった田村厚生大臣と菅首相に「いろいろ賛否両論あったが、審議会が概ね賛成した」としかこの課長と局長が報告しなかったのだろうか? なぜ、彼らが審議会で言った言葉が嘘で、実際は大臣にも首相にも報告しなかったと思えるだろうか? そんなことをして、彼らの何の得になるのだ? 一体報告をしない審議会に何の意味があるのか?真摯に話題を最後に再度戻してまで先生達が訴えたことを受け取らない審議って何?
「コロナ対策している」と口では言っている大臣と首相が、審議してくれた先生達の意見を、ちゃんと報告を聞かずに「いろいろ賛否両論あったが、審議会が概ね賛成した」というレベルで議事録にも目を通さずにいたとしたら、それこそ問題ではないか! ゆがめた報告だけを簡単に聞いて判断したとしたら、それも問題だろう。さらに、ちゃんといろいろな意見を聞かされていたのなら、嘘で誤魔化したことは明白で、まさに国民に対する「ウソ・ごまかし」答弁だ!
*今の政府には、国会で批判を受けると野党からの批判だと誤解しているが、国会の批判はその議員の背中にたくさんの国民がいることを頭に刻んでおいてほしい。そして、野党議員も、必要以上の敬語を使って大臣や首相にオモネル必要はない。あなたたちはあなたたちを送り込んだ国民の立派な代表で大臣だろうが首相だろうが対等なのだから。
この議事録を読んで、大半の委員が非常に真摯に現状とこの法改正のオカシサを指摘してくれていたことに感動すら覚えた。そして、この議論を真摯に受け止める気持ちのない首相と厚労大臣への不信感は大きく膨らんだ。24ページ、やや長くて大変だが、議事録を読んでみてほしい。<4ページは「検査」問題なので正味20ページ>
そして、当たり前とはいえ、この議事録を法案審議にかろうじて間に合わせて出した官僚に感謝したい。ただ、圧力か、忖度かは分からないが、この議事録が、本来なら音声を活字に変換する機能がスマホにさえある時代。文字起しなどに1月15日の会議で10日以上経っての公開は、遅すぎるとも思えた。
実は、これから、もうひとつ別のブログ記事にして書くが、この議事録がまたもや「読まれないように公表されていた」ことを明らかにしていきたい。これからアップするので、合わせて読んでほしい(ココにアップ済み)
森友問題で前首相が、「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と言ったことから、財務省の改ざんや嘘の証言が始まったことを、思い出した。首相が、厚労大臣が国会の答弁で「審議会が概ね賛成した」と嘘の答弁をした。(隠さないとまずいぞ!人事権を振り回すのが好きな首相。自分たちが飛ばされる危機が迫っているかもしれない)。そんな気持ちが官僚に働くかも知れない。だから、隠したことは、致し方ないかもしれないともいえる。でも、隠した事はしっかり国民は知っておかないといけないと思う。
まずは、この記事では、ちゃんと議事録を法案通過前にギリギリのタイミングであれ出してくれた厚生労働省の官僚に、「#国民のために働く官僚を応援します」とエールを送りたい。野党の追及で、協議が野党に有利に働き、罰則は削られそうだが、野党にはさらに審議会の本意を汲んで大変な思いをする医療現場にさらに負担をふやさず、国民のために頑張ってほしい。与党内の良心的な議員にも立ち上がってほしい。
そして、何よりも、国民はこの政府が長期政権の「うそつき体質」をそのまま継承している政権であることを忘れないで下さい!
部会の委員の一人は、「次はワクチンを控えている。政府は、透明性をもって説明することが一番大事。専門家が言っていることと、政府が違うことを言っていると思われたら、信頼されなくなる」と指摘している。この政権を信じ続けて大丈夫ですか?
この前も書いたように、テレビでよくでる、病床の70%とかの数字は30%空いていると思うのは間違い。その後ろに現在35000人近い自宅「療養(?)」者が、不安の中である人は「治療から放置」されている現状なのです。高い健康保険料を国民が払っている「皆保険制度の日本」なのにです。詳細データは1月17日に書いた「コロナの「自宅療養」3万人は、本当に「療養」している数か???」から、これも厚生労働省がどこにこの数字を発表しているかも含め説明していますので、読んでみて下さい。