図書館でふと目にとまった「戦争のつくりかた」という本。
大きな本たちに囲まれて、縮こまったような小さな本でしたが、「戦争のつくりかた」という白地にくっきりとした文字が主張していました。
手に取ると、「戦争をしない」と決めた国が、どうやると「戦争ができる国」になるかが書いてありました。
あとがきに、こんな文章が載っていました。
作家の半藤一利さんが言ったことばだそうです。
「後世からみれば、満州事変前後に大きな昭和の転回期があったとわかるが、当時は日本人は大いなる転回期を生きているとはわかっていながった。同様のことがいまの私たちにもあてはまる」
満州事変前と今が似ているという人は多い。
そして、戦争が始まろうとしている時に、過去において気付けなかったことに対する反省と学習が「戦争を2度としない」と戦争放棄をした日本の決意であったはずだ。
前の戦争が始まった時、人はそれが突然に起きたように感じたという。でも、前兆は気づけばいくつもいくつもあった。
気づいた人もいたが、気づかない人が大半で、時代に皆が押し流されてしまった。
気づくのが遅れれば、走り出した車が止められないように戦争は到底止められない。
だから、今 「戦争のつくりかた」を読んで、日本人は考えなければいけない。行動をしなければならないのだ。
「戦争は、戦争の顔をしてやってこない」
戦争がどんな顔をしてくるのか、過去に学ばない日本人は、先の戦争のような、いやそれ以上に大きな犠牲を覚悟しないといけない。
さあ、ここまで読んで下さった方。
まず読んでみようかと思って下さった方は、このブログの文の一番下にリンクで絵本も動画も見られるところに飛んでいけます。
是非、読んだり、動画で見たりしてみてくださいませ。
さて、今の北朝鮮を見ていると、生命線の石油を止められて孤立して戦争の道へひた走ったかつての日本の姿をだぶって見えないでしょうか。
絵本を読んだり、動画を見て下さった方は、感想はどんなでしょうか。
ためしに、amazonのコメントでチェックしてみました。
すると、星の数が5つと1つに両極分解しています。
つまり、戦争は仕方ないと思う人は、「こんなきれいごと並べて~」「夢の話」という捉え方しかできず、この本を読んでも<戦争の本質、人びとがみんなで幸せに暮らすにはどうしたらよいか>について、人間として考えて行こうという努力を、結果的にこの本だけではできず、自分の考えを変える気持ちにはなれなかったようです。
あなたは、いかがだったでしょう?
私自身も、この「戦争のつくりかた」だけでは、この絵本を読む子供たちにも、そして大人にも、何をしたらよいかの展望があたえられていないと思いました。そして、私が今ひとつ展望として見えるのは「平和の構築のために働いた人の声を聞くこと」です。
戦争や平和について考えるために、私は上記の本とあわせて、中村哲さんの声に皆で耳を傾けたいと思います。
アメリカの砲弾の下(戦下)でアフガンの人と汗を流し続けた中村哲さんの本を読んでみてください。
アフガンに医者として赴任しながら、水路の建設の方がアフガンの人のためにもっと大切と水路を建設して何十万人というアフガンの人の農業を支えた中村哲の本です。特に 戦争を仕方がないものと考える方には読んで頂きたいと思います。
時間がない方にお薦めするのは、「
アフガニスタンで考える」、長くてもOKでしたら、たぶん中村さんの本では1番新しい「
天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い」がいいと思います。
本当に「仕方がない戦争というのはあるのだろうか」、「人間として、戦争がない道を探すのは当然ではないか」と私は思います。
インターネットが世界を一つにつなぎ、観光客が世界中を行きかう現在、南極や国際宇宙ステーションで、国を越えて人々が共同で研究を進めたり、国境を越えた仲間として生きられる世界になっているのに・・・後戻りですか???
私は、「自分だけ、自国だけの幸せを求めて生きる」のでは、「自分の幸せも、自国の幸せも決して実現できない」と思います。
間違えた選択をしないように、過去の歴史で起こったこと、中村哲さんの実践に学びましょう。
「戦争のつくりかた」を見たら、次には「平和のつくりかた」をしっかり皆で模索していきましょう。
中村哲さんについても、本を読む暇がないという方には、youtube で探すと動画も公開されています。例えば
ココからみられます。
他にも「中村哲 アフガニスタン」で検索してみてください。
* 私の読んだ本と同じものがwebで無料公開されています。
絵本は
ココ から読めます。
動画では、文章は同じまま、新しい絵がついて公開されています。
コチラからどうぞ。