活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

お江戸のトップ、鉄砲洲の神輿巡幸

2012-05-05 09:34:18 | 活版印刷のふるさと紀行

 雨の中、湊1丁目の鉄砲洲稲荷神社につぎつぎと巡幸からもどってきて宮入りする神輿(みこし)に見入っていました。明石町、入船1丁目、入船2丁目、町ごとに形も色も大きさも違う神輿が鳥居をくぐって社殿の前でピーヒョロ、ピーヒョロの笛の音とともにワッショイ、ワッショイと揉んで、終わると宮司さんからお祓いを受けて散っていくのです。

 「毎年、鉄砲洲こそお江戸でトップを切っての例大祭です」 規模では神田や富岡に遅れをとるかもしれませんが、年が明けて最初の祭りは土地っ子の自慢です。

 降りしきる雨の中、町ごとの神輿の宮入りを見続けるのは大変です。 誘われて宮元の控えの場で休憩することにしました。「宮元」とは鉄砲洲稲荷神社の地元の町の代名詞で、宮入りの順番は最後です。総代さんはじめ地元のお偉方が待っておられる中で、よそ者の私は少々肩身せまくごちそうになっていました。

 宮元の祭り衣裳の色は渋い鼠色、背には「鐡」と染め抜かれています。中に「鉄」というのもありましたが、旧字体の方がかっこうよく思われました。驚いたのはその場に酔っぱらって声高に話している人がひとりもいないことでした。いなせな格好に似わわない穏やかさは神輿を担ぐ人にも、観衆にも共通していました。御鎮座千百七十年の重み?でしょうか。

 やがて彼らの宮入りの時間になりました。なんと不思議、雨がやみ、日差しがもれはじめたのです。

 お囃子のスタッフを乗せた車に先導されて宮元の神輿が境内に入って行きます。            ワッショイ、ワッショイではなくて、「オウィ、オウィ」で神輿が揉まれます。神輿が大きいのでワッショイだと力が入れにくいとか。                                           神田や富岡八幡の本祭りが待ち遠しくなりました。

 

 

 

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