熊沢印刷工芸の展覧会の紹介をしてから1ヶ月近く経ちました。シルクスクリーンといいますとややアナログ感がないでもありませんが、「どうして、どうして最近は多様化する印刷インキとのコラボで思いがけない印刷の世界を展開しているよ」という意見がたくさん出て、企画されたのがきょうの神田川大曲塾の印刷文化研究会でした。
とにかく、見て、聞いて、さわってがいちばんと見学に押しかけたのが東洋インキ川口センター内の東洋FPP株式会社。グラビア製版、フレキソ製版、スクリーン印刷とデザイン制作・軟包装材のオンデマンド印刷を事業の柱にしている会社ですが、きょうは「スクリーン印刷」を学習させてもらうこととしました。
多様なスクリーン印刷をわかりやすい分類で4つにわけて説明されたのが印象的でした。ちょっと煩雑になりますが、①見て感じるもの:厚盛り印刷・艶出し印刷・リオトーン印刷・ちぢみ印見 ②光で見えるもの:ラメ印刷・蓄光印刷・パール印刷 ③触りたくなるもの;発泡印刷・フロッキー印刷・示温印刷・香料印刷・点字印刷 ④かきたくなるもの:サインパネル印刷・スクラッチ印刷という具合で代表的なテクニックを使用事例で説明されました。
たとえばカレンダーの雪景色。触りたくなるフロッキー印刷で敷石の間の土の上に積もった雪がもりあがっていて、雪のザラザラ感も手に伝わってきます。後ろの植木に積もった雪の結晶のツブツブ感もいかにもそれらしく印刷されているのです。
これらの変わり印刷は以前からありましたが、高精細化の進展やUVインキの高品質化でスクリーン印刷が非常に広範囲の産業ニーズに応えるようになっているのです。