活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

たかがノンブル、されどノンブル

2018-02-15 13:42:13 | 活版印刷のふるさと紀行

 写植からスタートしてデジタルフォントの領域で大活躍の㈱モリサワについては以前、同社のカレンダーのことを紹介しました。

 モリサワの大阪本社には文字と書物の歴史を見せてくれるショールームがありますが、こんど来館者に手渡しするがイドブック『文字の歴史館』が出されました。それがなかなか憎たらしいような出来なのです.私のように「印刷の歴史」について話す機会がある人間にとってヤラレタ感を催すくらい巧みな。編集です。

 アルファベット圏の文字、漢字圏の文字の歴史と印刷に大半を割き、写植からデジタルフォントへの流れをわかりやすく説明してくれている構成は文字の歴史にとどまらず印刷の歴史としても大変参考になりました。

 さて、話は少々回りくどくなりますが、今日、製本工芸作家の市田文子さんのフェースブックに、これまた先日ご紹介したばかりの学研の『大人の科学 活版印刷機』が登場しておりました。

 評判を聞きつけて今年の年賀状をこの大人の科学の活版印刷機でと思いついた彼女の話、それを読んで「私も印刷機の組み立てにチャレンジしました」というご友人の投稿。活版印刷機がこんなにモテるのは近頃、うれしい話です。

 そこで私にヒラメイタのが、この大人気の『大人の科学 活版印刷機』の企画・進行で活躍された学研の西村さんにモリサワの『文字の歴史館』を読んでもらおうという思い付きでした。「遅きに失したが、印刷の歴史の紹介に苦労されていたから」と。

 さてさて、ことの次第を西村さんにメールをするのに『文字の歴史館』のぺージ数を書き込もうとしたところ、ページの下にも上にもノンブルがないではありませんか。おやっと目を凝らしたら、ありました。パンフレットのページのサイド、小口のところに小見出しとともに赤丸に白抜き数字でノンブルが入っておりました。

 こうした処理はデザイン的、レイアウト的にはきれいですが、ページ数を素早く見るにはちょっと不便です。「ノンブルは製本所で丁合いをとるとき目印にもなるんだ」とかけ出しのころ教わったことをふと、思い出しました。パソコンがないころ、本の索引づくりにノンブルと格闘した思い出もあります、たかがノンブル、されどノンブル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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