活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

デジタルコロタイプの話

2014-01-17 18:43:19 | 活版印刷のふるさと紀行


 コロタイプという印刷方式にはなつかしい響きがあります。学校の卒業アルバムや小部数の記念アルバムや絵葉書など活躍の場は広かったといえます。手間のかかる印刷ではありますが、ある意味では写真製版の代表選手のように言う人もいました。


 ところがデジタル時代の到来で銀塩フィルムが製造中止に追い込まれたりしてコロタイプ印刷は影が薄いのではと思っていましたが、さにあらず、新しいネガフィルムの登場でインクジェットと結びついてデジタルコロタイプとして活躍の新領域を広げているというのです。

 1月16日の印刷図書館クラブ木曜例会で東海大学名誉教授の高橋恭介さんのレクチュアを受けました。分光特性だとかトーンカーブだとかいろいろむずかしいことは省くとして、デジタルコロタイプ印刷はとくに文化財の複製に威力を発揮できるとのこと。これを可能にしたのはピクトリネガフィルムとよばれる三菱製紙のフィルムの出現によってのことだそうです。

 文化財の忠実で高精細の複製に用途が広がる画像処理技術として注目したいものです。
写真はピクトリコプロ・デジタルネガフィルムTPS100のカタログから。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 正月を送って | トップ | 勝井三雄展 兆しのデザイン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

活版印刷のふるさと紀行」カテゴリの最新記事