あれから9年ですね。
新型コロナウイルスの感染拡大で政府主催の追悼式は中止になり、被災地での自治体による追悼式も縮小されたとのニュースを見ました。
マスクも品切れ、なぜかトイレットペーパーも品薄で、オイルショック並みの影響が出ていますよね。
買い占めや転売の横行。政府はマスクの不正転売を罰則付きで禁止する政令を閣議決定、3月11日に公布され、15日から施行されます。こういう非常時に人間の脆さが浮き彫りになります。
政府が震災発生直後の平成23年7月に策定した「東日本大震災からの復興の基本方針」で、復興期間は平成32年度までの10年間と定められました。
平成32年度。西暦でいうと2020年。つまり今年(令和2年)がその最後の一年にあたります。
東日本大震災で被災し、岩手、宮城、福島3県でプレハブの応急仮設住宅に入居する避難者は、今年1月末現在計709人。
1月末現在の入居者は岩手578人、宮城18人、福島113人。
宮城では全世帯で転居のめどが立ち、遅くとも4月ごろにはゼロになるそうで、岩手と福島も年度末には大幅に減少する見通しが立っています。盛岡市では建設が遅れていた最後の災害公営住宅が、9年経ってようやく2020年度中に完成する見込みだとか。
政府は未曽有の大災害により被災した地域の復旧・復興に向けて総力を挙げて取り組んできたといいますが、2020年の今年7月に東京オリンピックを開催するために3兆円を超える予算を使い、多くの施設や設備を建設、改修。復興期間と重なる形で準備をしてきました。
オリンピックが無ければもう少し早く仮設住宅を無くせたのでは、と思ってしまいます。
2020年3月。つまり今月には公務員宿舎などの応急仮設住宅に身を寄せた住民の退去期限が来ます。
主に東京電力福島第一原発事故で避難指示を受け「避難指示区域」として強制的に避難をさせられた富岡町、浪江町、飯舘村の住民の方々です。
避難指示が一部解除になり、町に戻れると政府はいいますが、放射能は今も漏れ続けています。それにすでに9年が経ち生活基盤も変わってしまっているはずです。どのように生活を再建しろというのか、本当に難しい問題だと思います。
福島第一原発の廃炉工程は、一部で遅延が出ており、最難関となる溶け落ちた燃料の取り出しを2021年からはじめ、最長40年で廃炉を完了させる計画です。
2020年3月6日に公開された日本映画『Fukushima 50』(フクシマ50)では、福島第一原子力発電所事故発生時に発電所に留まって対応業務に従事した約50名の作業員たちの姿が描かれました。監督は若松節朗。原作は門田隆将さんのノンフィクション『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』
映画にとやかく言いたくはありませんが、かなり事実を脚色した内容で、評価は賛否両論分かれています。
制作もあの「KADOKAWA」ですしね。
出演した俳優の佐藤浩市さんは「時期尚早と言わないまでも、ちょっと早いかな、被災者の方たちの傷や痛みが癒える前に、その生々しさがまだ残ってるうちに映画をやるのは、ちょっとどうなるのかなと。それと、どちらに転んでも、どちらかのプロパガンダになってしまうかもしれない非常に危険な題材ではありました」とインタビューで語ってみえましたが、まさにその危惧した通りになってしまった気がします。
まだ、何も終わっていないんですからね。
この映画も今の政権に忖度してるんじゃないの?
と考えてしまうのは今の国会があまりにひどいから。
本当の意味で復興が実現するには、まず原発事故をどうにかしないと。
オリンピックには賛成ですよ、どこか他の国でやってもらう分には。
いま、この現状で東京でオリンピックなんてやってる場合?