ずいぶんと寒くなりました。
イチョウの葉っぱが見事に黄色く染まり、地面がまるで黄色の絨毯を敷きつめたみたいになっています。
中学校への通学路に、それは立派なイチョウの木が立っているお寺さんがあって、中学生が四人がかりで手をつないでも囲めないほど幹の太さがありました。
秋になると大人たちは落ちている銀杏を拾いにやってくるのですが、あんな強烈な臭いのする物より、扇のように広がった葉っぱのほうがキレイで、なぜ落ち葉を邪魔者扱いするのか子供の頃は不思議に思っていました。
今でも銀杏はニガ手です。
このところ、湯本香樹実さんの
*(キラキラ)*『ポプラの秋』*(キラキラ)*(新潮文庫)
を読んでいました。
古本屋さんで買った文庫本。
一冊100円。
この内容で100円は安すぎるだろう!!
380円くらいは出すぞ♪
湯本香樹実さんはデビュー作の『夏の庭』がよかったので、この本も読んでみたんです。
主人公は二十代の女性。
看護婦として勤めていた病院を辞め、そのことを母にも伝えず、睡眠薬に頼る日々…
そんな彼女の元に、子供時代に一時期を過ごしたアパートの大家さんが亡くなったとの連絡が入ります。
父親が死んで、母親と見つけたアパート…
そこには大きなポプラの木が立っていた…
物語は彼女の回想でつづられ、小学校一年生、七歳の女の子の物語へと移って行きます。
そこにあるのは死の影と不安と痛み。
デビュー作『夏の庭』で人の死に興味を持った小学生の男の子3人が、「もうすぐ死にそう」とウワサされる一人暮らしの老人を観察する様子を描いた湯本香樹実さん。
今回は父親の死、夫の死、そして我が子の死を描きながら、それでも生きていかなければならない人々を描いています。
「生きる」ということのいろいろな面を、体験させてもらいました。
アパートの大家さんである、おばあさんが傑作!
部屋は変な臭いがするし、食る物もオシャレじゃないし、子供の前で平気で着替えたりする。
口はぞんざいだし、背中は丸まっているし、シワはあるし、オマケに歯がない!
大家のおばあさんのことを最初は「怖い」と思っていたくせに、ずいぶんな女の子。
…思わず自分の祖母のことを思い出してしまいました☆
でも、歳を重ねるって、そういうことなんですよね。
歯だって悪くなるし、葉っぱが色付くように、自然と体だって変わっていく。
父親のことは母の前では口に出してはいけない。
死を本当に理解するなんて誰にもできない。
どこか不安定になってしまった母親に迷惑をかけまいと、気を張り、神経過敏になって、とうとう学校を休むことになった七歳の女の子に、おばあさんは語るのです。
あたしが死んだら手紙を届けてやるよ…
おばあさんの黒い箪笥の引き出しには、そうやって預かった手紙がたくさん入っているのだという。
その引き出しがいっぱいになった時、おばあさんのお迎えが来るのだと…
天国への郵便配達。
女の子は半信半疑ながら、亡くなった父親に宛てて手紙を書き始めます。
何通も何通も。
自分の気持を文字にするって大切ですよね~
世界は蓋の開いたマンホールがいくつもあって、気を付けていないと闇に飲み込まれて二度と戻ってこれなくなる…と感じている女の子が辛いです。
子供たちが大人に翻弄される姿には胸が痛みます。
大人たちだって懸命に生きている。
だけど、うまくいかない。
坂の上の教会で見た裸のキリスト像。
おばあさんの庭に集って来る猫たち。
アパートの住人、独身で豪快な性格の佐々木さん。
離婚して一人暮らしをしているタクシー運転手の西岡さん。
女の子の母方の祖母がもらす、
「あたしは年寄りやるしかないのよ。年寄りらしくしてなくちゃ、うまくいかないのよ」
という言葉が印象的でした。
季節が移り変わり、黄色くなった葉っぱは地面に落ちて、もうじき冬がやって来ます。
葉っぱが落ちるから、木々は力を蓄えて、春に新芽を出すことが出来るんですよね。
落ち葉で作る焼き芋が、これまたおいしい♪
さつまいもを濡れた新聞紙でくるんで、その上からアルミホイルでつつんで火の中へ。
そういえば今年はまだ焼き芋屋さん見てないなぁ~
大家さんのお葬式で、女性は意外な事実を知らされます。
とってもいい読書でした☆
イチョウの葉っぱが見事に黄色く染まり、地面がまるで黄色の絨毯を敷きつめたみたいになっています。
中学校への通学路に、それは立派なイチョウの木が立っているお寺さんがあって、中学生が四人がかりで手をつないでも囲めないほど幹の太さがありました。
秋になると大人たちは落ちている銀杏を拾いにやってくるのですが、あんな強烈な臭いのする物より、扇のように広がった葉っぱのほうがキレイで、なぜ落ち葉を邪魔者扱いするのか子供の頃は不思議に思っていました。
今でも銀杏はニガ手です。
このところ、湯本香樹実さんの
*(キラキラ)*『ポプラの秋』*(キラキラ)*(新潮文庫)
を読んでいました。
古本屋さんで買った文庫本。
一冊100円。
この内容で100円は安すぎるだろう!!
380円くらいは出すぞ♪
湯本香樹実さんはデビュー作の『夏の庭』がよかったので、この本も読んでみたんです。
主人公は二十代の女性。
看護婦として勤めていた病院を辞め、そのことを母にも伝えず、睡眠薬に頼る日々…
そんな彼女の元に、子供時代に一時期を過ごしたアパートの大家さんが亡くなったとの連絡が入ります。
父親が死んで、母親と見つけたアパート…
そこには大きなポプラの木が立っていた…
物語は彼女の回想でつづられ、小学校一年生、七歳の女の子の物語へと移って行きます。
そこにあるのは死の影と不安と痛み。
デビュー作『夏の庭』で人の死に興味を持った小学生の男の子3人が、「もうすぐ死にそう」とウワサされる一人暮らしの老人を観察する様子を描いた湯本香樹実さん。
今回は父親の死、夫の死、そして我が子の死を描きながら、それでも生きていかなければならない人々を描いています。
「生きる」ということのいろいろな面を、体験させてもらいました。
アパートの大家さんである、おばあさんが傑作!
部屋は変な臭いがするし、食る物もオシャレじゃないし、子供の前で平気で着替えたりする。
口はぞんざいだし、背中は丸まっているし、シワはあるし、オマケに歯がない!
大家のおばあさんのことを最初は「怖い」と思っていたくせに、ずいぶんな女の子。
…思わず自分の祖母のことを思い出してしまいました☆
でも、歳を重ねるって、そういうことなんですよね。
歯だって悪くなるし、葉っぱが色付くように、自然と体だって変わっていく。
父親のことは母の前では口に出してはいけない。
死を本当に理解するなんて誰にもできない。
どこか不安定になってしまった母親に迷惑をかけまいと、気を張り、神経過敏になって、とうとう学校を休むことになった七歳の女の子に、おばあさんは語るのです。
あたしが死んだら手紙を届けてやるよ…
おばあさんの黒い箪笥の引き出しには、そうやって預かった手紙がたくさん入っているのだという。
その引き出しがいっぱいになった時、おばあさんのお迎えが来るのだと…
天国への郵便配達。
女の子は半信半疑ながら、亡くなった父親に宛てて手紙を書き始めます。
何通も何通も。
自分の気持を文字にするって大切ですよね~
世界は蓋の開いたマンホールがいくつもあって、気を付けていないと闇に飲み込まれて二度と戻ってこれなくなる…と感じている女の子が辛いです。
子供たちが大人に翻弄される姿には胸が痛みます。
大人たちだって懸命に生きている。
だけど、うまくいかない。
坂の上の教会で見た裸のキリスト像。
おばあさんの庭に集って来る猫たち。
アパートの住人、独身で豪快な性格の佐々木さん。
離婚して一人暮らしをしているタクシー運転手の西岡さん。
女の子の母方の祖母がもらす、
「あたしは年寄りやるしかないのよ。年寄りらしくしてなくちゃ、うまくいかないのよ」
という言葉が印象的でした。
季節が移り変わり、黄色くなった葉っぱは地面に落ちて、もうじき冬がやって来ます。
葉っぱが落ちるから、木々は力を蓄えて、春に新芽を出すことが出来るんですよね。
落ち葉で作る焼き芋が、これまたおいしい♪
さつまいもを濡れた新聞紙でくるんで、その上からアルミホイルでつつんで火の中へ。
そういえば今年はまだ焼き芋屋さん見てないなぁ~
大家さんのお葬式で、女性は意外な事実を知らされます。
とってもいい読書でした☆