連れ立って花見とやらを初めてした。
遅い信州にも桜の花が咲きだした。
長野県は南北に長いので、桜の花が咲き始める時期が微妙に異なる。
長野や松本、飯田あたりでは先週桜の開花のニュースを聞いたが、この原村ではまだ蕾だ。
富士見の友人が日曜日に4,5人で近隣の桜を見に行こうと誘ってくれた。高遠の桜を見に行くつもりでいたが、まずは近くを知らなくてはなるまいと誘いに乗った。
信濃境の駅に11時に集合し、2台の車に分譲し高森神社の樹齢250年のイト桜、これは小さい花びらで枝垂桜である。
この信濃境は枝垂桜があちこちに多く見られ、丁度見ごろになり、それはそれはきれいであった。
その後田端のイト桜、柏社、乙事神社の見学を次々に見て廻った。
案内役が建築家なので、思わぬ神社建築の詳しい説明が聞けて、これまで知らなかった神社の建築様式の知識を得た。
この1年間、引越しをしてから原村から小淵沢経由で何度も長坂まで出かけていたが、その途中にある神社などがあるのも知らず通過していたが、風林火山の武田信玄と諏訪の戦いの地であるためにそれにまつわる
お城や神社仏閣などがあり、古い歴史の中に先祖代々の墓を守り生きてきた集落の塊がこの地方である。
原村も300年の歴史がある。
自分の住んでいる村や町の中に古い文化財が沢山あり、歴史上は大変な財産になるが代が変わり若い世代になると文化財の保護には目が向かず、段々建物は朽ちてくるのが見える。
桜の木も250年、300年ともなると樹勢も衰え幹が裂けたり、枝が枯れたりするからそれを手入れをして守っていくのがその市町村の役割になる。
1年に1回、桜の咲く季節だけ見に行って綺麗だと褒めて後は木の事は考えもしないが、守っていく側の苦労を考えたことも無かった。
今日の案内役はこの富士見、原村近辺の景観を守る協議会の会長さんだが、歴史や建築のくわしい解説付きであるので、昨年以来通常知りえない地元の文化財を学習する場面が続いている。
ありがたいことではないか。
信濃境の小学校の校庭で桜の花の下でお昼ご飯を食べた。
校庭は土だし草が一杯生えて、周囲は桜が満開で、里山の気分を満喫しながら混雑する桜の名所、観光地に出かけなくて良かった。
ひなびた場所でほのぼのとしながら桜の花を愛でる気分は何ともいえない幸せな思いで一杯になった。