信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

幻の六本木ヒルズ

2012年03月17日 23時22分28秒 | Weblog
新しい知識を得ようと自費で研修を受けに東京に出かけた。
場所は六本木ヒルズ。
受講者は300人。朝早く6時に高速バスに乗り雪景色の凍てつく原村を出た。

高速バスは遅くなることもあるが早く到着することがあり、5分早く出発した。危ない、危ない。
時間がこんなに早いのに満席であり、しかも若者ばかりだ。
乗ってしまえばあとは寝ていこうと、こちらのものだ。
10時の講演開始には十分間に合う時間帯のバスを選んだ筈だが、間もなく渋滞のアナウンスが入った。
うっかり寝てしまいそろそろ到着するかな?と思って目が覚めたらまだ日野バス停を過ぎたばかりでそれから焦る。

余裕だったはずが1時間遅れで会場に着いた。
六本木ヒルズといっても広すぎる。
日比谷線のコンコースをアセアセしながら遅刻だ遅刻だと心の中でわめく。

49階のアカデミーホールのタワーの入口が見つからない。
もう駄目だと思いながらやっと見つけて会場のドアを押したら中は講演の真っただ中。
最新の糖尿病治療の最前線というテーマで順天堂大学院の河盛教授がスライドを使い説明していたが
すぐにその中に引き込まれた。
元勤務していた会社では糖尿病の治療で社員がお世話になっていた先生で当時からカリスマ教授であった。

80人もの糖尿病の医局員のトップで実験と論文を書き続け、さらに円熟したが全くのこと歳をとった様子はなく
スライドはさらに難しさを加速していた。こんなにハイテクのスライド見たことない。

糖尿病の学問はどんどん進化し続け、新しい学説が取って変わり、今まで得ていた自分たちの知識は古くなっている。
一昨年旭川での学会に糖尿病の講演会を聴きに行ったが更にまたその上を行っている。
300人の満員の受講者はシンとして聞き入っているうちに1時間半の講演は終了した。
流石だ。

毒気を抜かれて何だか疲労感も大きい。
それもそのはず、既にバスの中の渋滞を抜けるためにエネルギーを消耗していた。

午後からのシンポジウムは期待した割には従来どうりの内容で午前中との落差が大きすぎた。
ランチタイムにヒルズの中を歩き回り、洒落た高価な品物が並んでいる店を見て回ったが
スカーフ1枚が給料の半分が吹っ飛んでいく値段でそれ以上見て回るとさらに疲労感が強くなるのでやめた。

初めのうちは東京に出ると刺激的でいいわぁと思ったが、今の生活にご縁がないものばかりで
実際疲れてきた。
講演会が終わっても、帰りのバスの時間に余裕がなく新宿へ戻り、デパートの地下街で
職場にお土産を買ったらもうバスに乗る時間になってしまった。
出発したとたん、アナウンスで中央道の三鷹付近でロータリー車の事故でレッカー車が出動しているため
渋滞しています。目的地への到着が大幅に遅れますと言う。
朝に引き続き…またかいな。

しかしすぐに講演会での疲れが出て眠ってしまった。
予定時間より1時間遅れで10時過ぎに原村に到着した。

ああ何てここは空気がいいんだろうと思わず深呼吸をした。
都会へ出かけるといたるところで
色々な匂いがする。人が多い為か何だかわからない。
自分がその中で暮らしている時は気がつかなかったが、離れてみるとそうかと分かった。

同じ日本かと思える六本木へ行き半日過ごし、お店や働く人々、着ているもの、スマートホンをにらめっこしている
人の多さとか目に付きそのことで疲れた。
東北の震災とは全くの別天地だ。
ステキ続きだがいつまでもここにいたいとは思えず、仕入れた糖尿病の最新情報をいかに仕事に使うかとか考えて
いた。

地方にいると情報は少ないし井の中の蛙だし、垢抜けないし、単調な生活の連日だし、
これでいいやと満足してしまうことが多いし、でも時々は都会へ出てこよう。

ただし今日みたいに往復渋滞でバスの中にいる時間が長かったのだけは御免だ。