信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

又しても助っ人になる

2014年07月13日 19時40分14秒 | Weblog




伊那に引っ越して8ヶ月目を迎えた。
生活もリズムがつき自分なりの心の落ち着き場所が出来てきたと思っている。
近所とも交流もあり、ムスメとマゴも車で3分の距離に住んでおりスープが冷めない距離どころか
誠に便利な距離だ。

と、昨日の夕方近所の同じような年齢の奥さんから人手が足りないので、と仕事を手伝ってくれないかと
誘われた。
勿論、野菜の出荷や収穫のことである。
昨年の今頃、原村で同じような状況でブロッコリーの栽培農家の手伝いを3ヶ月間行った。
スーパーで野菜を買うときに消費者として持っていた気持ちと
生産者側に回ったときの気持ちは雲泥の差があった。
まさに社会勉強をさせてもらっていた。
菊の花やアネモネの花作り農家の手伝いをした時も同じだった。

今度はキャベツやトマトだという。
キャベツは勿論経験がなく、返事をした後、夜になって悩んだ。
自分の生活が出来ているのに、また経験浅い農家の手伝いに手を出して、
体の負担や、マゴの子守や、生活が忙しくなって自分の首を絞めることになりやしないかと

しかし、これが自分の専門の医療職だったら即、断っていたと思う。
人間歳を取って、年金暮らしになったら、地元に何らかの形で貢献したいと常々思っている。
8月から高遠のバラ園のボランテイアに応募して受け入れられた。

さて、今朝はまんじりともせず眠りが浅かったが、7時に近くの畑に集合した。
自分の生きてきた日々には全く経験のないことを行う。
広い広いキャベツ畑に10人くらいの年配の男女が集まり一斉にキャベツを持参の
マイ包丁で切り取る。
一個が1.5キロくらいある大玉キャベツを根元から切り取り、一反歩の畑を全部刈り取ると
今度は軽トラに積み込む。
その後出荷場へ行き箱詰めをする。
キャベツを軽トラに積むにはバケツリレーのように受け取り手に放り投げるのでまさにバスケットボールの
パスの練習のようだ。
うう・・・重い。
そして、集荷場でダンボールに規定の重さのキャベツを10個ずつ詰め込みふたをする。

ブロッコリーとは違い、全身運動だ。
初めての労働だが、皆、老人だ。
私が一番若いかもしれない。
もう何十年と続けてきた農家の人達だから手馴れた動きをしている。

仕事が終わって自分に変化があった。
体は多分筋肉痛の酷いのが明日以降やってくるに違いないが、なぜか気分が爽快なのだ。
一緒に働いている老人たちは明るく、いちいち細かくヒトのやる仕事を注意したりしないし、
おおらかで、仕事が終わったらさっと引いて帰って行った。
私の身元調査も聞かない。さっぱりして無駄口は聞かずそうかといって冗談も言うし
だから気分良く働けるのだろうと思った。
たった3時間半の作業時間で何と、4000個のキャベツを出荷した。
驚くべき老人パワー。

これだけ頭と手先を使って働いていると恐らく認知症に近づくには縁遠いだろうと思わせる人々を
見て、社会勉強は歳を取ってもずっと続くのだと思った。

それにしても移住した先の信州で、花と野菜の生産農家の手伝いをするとは
自分の人生も相変わらず面白いと思う。
過去の栄光の仕事はもう関係ないのだ。

疲れて、今日一日でへばってもう来れなくなるかもしれないと10時の
お茶の時間に話したら、駄目だよ、そうしたら村八分にするよと全員に笑われた。