Il film del sogno

現実逃避の夢日記

2024-11-27 19:50:34 | 書籍
11/27(水)晴れ
昨夜の豪雨から一転、朝から快晴。気温も20℃近くあがりポカポカ陽気。8:00起床。散歩、朝食、書庫を整理していると義父の残した箱入りの朝鮮戦争(児島譲・全三巻)、新平家物語(吉川英治・全16巻)などが出てきた。これは、と思ったのは谷崎潤一郎の代表作。昭和31年の初版本である。調べてみると国内外6回映画化されているが、59年・市川崑監督(主演・京マチ子=中村鴈治郎)、74年・神代辰巳(荒砂ゆき=観世栄夫)、83年・木俣堯喬(松尾嘉代=岡田真澄)、97年・池田敏春 (川島なお美=柄本明)の4本を観ている。原作を読んだのは学生時代で、市川版を観たのはその直後だが、10代の多感な頃でもあり強烈なインパクトがあった。改めて小説を拾い読みして、やはり大谷崎は稀代のストーリーテラーで技巧派でもあることを再認識した。大正15年生まれで謹厳実直な国鉄マンだった義父が谷崎を読んでいたとは少々驚いたが可笑しくもあり。それにしても棟方志功の装丁と挿絵が素晴らしい。むかしの書籍は美術品としても鑑賞できる。

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バリ山行

2024-08-13 20:25:52 | 書籍
8/13(火)晴れ
連休明けと云っても有休消化で本日も休日。世間も盆休みに突入していることだろう。延々に終わらない気配の酷暑が続き東北地方には台風の被害も出ている。更に発生した台風が週末は関東に上陸するそうな。6:00起床。散歩・朝食、気温度計を見ずとも35℃越えの暑さである。遅い昼食は厨房で火を使うのも億劫で、近所のスーパーで弁当調達。トマトを切って昨日作ったみそ汁を温めずに飲む。直近の芥川賞受賞作を読む。≪ばりさんこう≫とはバリエーションルート(整備されていない登山道を云う)を使った登攀全般のことらしい。登山歴は長いが、整備された一般道しか使ったことがないので、その意味すら知らなかった。作者・松永K三蔵は、関西在住らしく、舞台は六甲山脈である。建築業界に身を置いているらしく、主人公の勤務先と登山描写は実にリアルである。中小企業に勤める平凡な中年男と変人同僚との交流。社会(経済)小説であり、山岳小説にもなっている。実生活での葛藤と山岳ルートを内省しながら迷走する主人公の想いが交錯する。読みやすい≪純文学≫小説でありました。
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御社のコンプラ、大丈夫?

2024-05-23 21:08:22 | 書籍
5/23(木)薄曇り
終日曇天でやや蒸し暑い。7:30起床。散歩を済ませて机に向かう。9:00朝食も摂らずに架電。相手の予想外の反応(炎上)に仰天して関係各所へ連絡。正午過ぎに火消しをした協業先の担当から解決の一報。オーナーへ工事日程も知らせず、完成工事確認書も代筆してシレっとしているその無神経さ。昨今営業の質の低下が著しい。上長を通じて強い申し入れを要請する。歯痛と併せて肩こり偏頭痛までしてきた。主治医に連絡すると講演で休診であると。踏んだり蹴ったりである。夕方、パークサイドのカフェで一服。夜は色川武大の旧作を精読。阿佐田 哲也 名義の≪麻雀放浪記≫もバイブルであるが、「怪しい来客簿」を読んだ時の感銘は忘れ難き。「離婚」や「百」なども何度読み返したことか。来週は食い物についてのエッセイ集でも再読しよう。
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東京都同情塔

2024-02-12 20:54:56 | 書籍
2/12(月)晴れ
連休最終日。建国記念日の振替休日。快晴続く。朝食後、散歩がてらに近所の図書館へ行く。月刊文芸春秋に掲載されており芥川賞受賞作を読む。表題の塔は新宿御苑に立つ巨大刑務所。受刑者は≪同情されるべき人々≫と再定義され何不自由な生活を送る。言葉狩りや検閲が加速する一方で生成AIの無機質な文章やカタカナ語の増殖が言葉を無意味にしてゆく。ヒロインである塔を設計した女性建築家の自己形成の物語でもある。彼女のモノローグが饒舌であるほど脆弱さや孤独が透けてみえる。理知的な諧謔、近未来のパラレルワールド、その絶妙なバランスで立つ言葉の塔の如し。同情塔とは再生と破壊、革新と反復で振動する、この世のメタファーか。久し振りに≪おつむ≫をフルに使った純文学小説を読んだ。午後は気温の上がった公園を兄貴分とのんびり散歩。


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テレビから聴こえたアフォリズム

2023-12-01 21:16:48 | 書籍
12/1(金)晴れ
いよいよ師走。出勤日ゆえ5:30起床。薄曇りのなか兄弟分と散歩を済ませて出勤。上長と早朝ミーティング。最上階の社員食堂で密談である。月初のルーティンワークを淡々とこなして昼食に霞が関ビルで毎度定番のカレー。15:50定刻退社。16:40帰宅して2度目の散歩。18:00駅前歯科で入れ歯の補修。我が主治医が割れた人口歯茎を器用に接着して研磨。作り直す費用の1/3で済みました。夜は先月29日に逝去した脚本家(小説家)のドラマのダイジェストなどをネットで視聴。その巨大な足跡に今更ながら感服する。書棚から2013年発刊のムック本を取り出して拾い読み。ドラマは70年代、≪二人の世界≫や≪それぞれの秋≫など記憶に残っている。まぁ一般に代表作は≪ふぞろいの林檎たち≫や≪男たちの旅路≫あたりだろうが、小説も愛読し、舞台も観に行った。10分見て直ぐに山田作品だとわかる独特の言い回しや語彙。タイトルはムック本にあったサブタイトルからの引用。時代の≪魂≫を描いた脚本家でありました。合掌。
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ハンチバック

2023-08-21 08:16:53 | 書籍
8/20(日)晴れ
何時まで続くこの酷暑。6:00起床。散歩、朝食。8:00早くも炎天下となっているなかを自転車で西荻まで。10:00毎月恒例の祭事に出席。実兄・義姉も息災なり。帰路、義父母、義妹の墓参り。13:00ファミレスで遅い昼食。サラダバーがありがたい。帰宅して読書。愛読する月刊誌の今月号には芥川賞受賞作の掲載あり精読。正直、ここ数年通読するのが難儀に思えていた作品が続いていたのだが、本作には心震わされた。作者が重度の障害者であること、そして内容が極めて私小説的であり、かつ性的な問題に切り込んでいることで話題になっている。100枚に満たない短編だが、その過激な設定と辛辣で切実な表現と乾いたユーモア、そして巧みな構成に大いに感心した。≪純文学≫が最も自由度の高い表現手段であることを再認識した傑作である。これは壮絶で不自由な闘病環境のなかで書き続けた者だけが到達できた魔的な物語の新境地だと思ふ。
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上を向いてアルコール

2023-08-10 21:40:04 | 書籍
8/10(木)晴れ
6:00起床。ピーカンなれど、早朝は風あり幾分凌ぎやすい。連休前の在宅勤務ゆえパソコンを開く気にならぬ。昼食に冷やし中華。トッピング用に鶏モモ肉のチャーシューを大量につくる。続いてあんみつ用の餡子、寒天、赤エンドウ豆を炊く。夕方、リバーサイドのカフェで一服。帰路に露店の八百屋で無花果・梨・オレンジを購入。夜は昨年病没した贔屓のコラムニストの著書を精読。副題が≪「元アル中」コラムニストの告白≫ これは漫画家・吾妻ひでおの【失踪日記】に比肩するアル中経験者の壮絶な生活を回顧・分析したコラムである。日経ビジネスに連載されていた辛口のコラムからファンだったが、長い迷走時代があったのを知り驚いた。不遇な日々を見事に客体化して、創作者というのは転んでもタダでは起きない。
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BAAL

2023-05-19 21:43:17 | 書籍
5/19(金)曇り後雨
コロナの5類移行で在宅制限が復活。週に三日の出勤となる。早速今日から週末出勤。5:45起床、7:00奉公先到着。15:50の定刻退社まで昼食も摂らず真面目に働く。16:30駅前のイタリアンで早めの夕食を兼ねた遅い昼食。帰宅して雑用と読書。思うところあってベルトルト・ブレヒトの≪バール≫と≪夜うつ太鼓≫を再読。読後に1982年にBBCがデビット・ボウイ主演でドラマ化した際のサントラも聴く。演劇界の巨人とグラムロックの先駆者とは奇妙な親和力あり。

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人間の羊

2023-03-14 21:01:33 | 書籍
3/14(火)曇りのち晴れ
7:30起床。しばらく寒さで床を出られなかった。散歩、朝食、掃除、ついでに仕事。九州ラーメンの昼食後、2度目の散歩。朝から一変、日差しも出て、少し風もあるが気温も上昇。TVニュースで気象庁が桜の開花宣言を出したそうな。夕方、駅前カフェで一服。新聞の一面は冤罪が疑われる事件の再審決定。真偽は措いて半世紀以上拘束しておいて無罪だったら良かったね、では済まないだろう。ノーベル賞作家の大江健三郎も3日に逝去。大きく報じられていた。学生時代に大江や三島を読むのは基礎教養のひとつだった。ファーストコンタクトは新潮文庫の≪死者の奢り・飼育≫であった。≪芽むしり仔撃ち≫や≪同時代ゲーム≫などに熱中した。書棚の隅からタイトルの短編を拾い読み。10代の初読いらいであるが、著者短編中のベストだと思ふ。それは極めて個人的な体験とシンクロするからであるが、内省と外圧という小さなテーマにとどまらず、暗い社会性にも通じるものがある。あれだけの大作家にも拘わらず映画化は大島渚の≪飼育≫と蔵原惟繕の≪われらの時代≫くらいしか思いつかない。
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この世の喜びよ

2023-02-13 20:26:01 | 書籍
2/13(月)雲のち雨
7:30起床。9:00まで真面目に仕事。泣き出しそうな曇天を見上げて降り出す前に兄弟分と散歩。10:30~正午まで定例のズーム会議に参加。午後も気温上がらずシトシト雨が降り続く。夕刻、川沿いのカフェまで散歩して夕刊精読。夜は愛読している月刊文芸春秋で芥川賞受賞作を読む。純文学王道の私小説風身辺雑記。子育ての一段落したショッピングモールの喪服売り場の中年女性の独白。語り口を2人称にしたことが肝。交流する少女、老人、同僚、娘など劇的な事件など何も起こらない。にもかかわらず研ぎ澄まされた感性と選び抜かれた言葉に琴線が震える心地がした。文章の力でありましょう。毎号愛読する巻末の西川美和のエッセイも白眉の出来栄え。ほかに特集≪防衛費大論争≫など興味深く、特別定価1,300円也は実に安い。
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思考の紋章学

2022-12-28 21:13:50 | 書籍
12/28(水)晴れ
年末年始の長期休業のはずが無粋なメールありパソコンを開いてお仕事。営業担当の間抜けな対応の尻拭きである。金融会社に所属して回収を等閑にするとは言語道断である。終わって我が仔と散歩。11:00近所のファミレスで遅い朝食(早い昼食?)。帰宅して我が仔と2度目の散歩。自室の書棚を整理して夕方二駅隣のカフェで一服。夜は澁澤龍彦の旧著を再読。博覧強記とはこの人の為にある表現だと思ふ。思想的な押し付けがなく、少年のような好奇心を持ち続けた異端の仏文学者・小説家。またまた老後に読み返す著作が増えた。
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あと千回の晩飯

2022-10-09 19:45:29 | 書籍
10/9(日)曇り後雨
連休中日。7:00起床、我が仔と散歩、ファイレスで朝食がてら新聞精読。読売新聞は与党の機関紙か?キチンと政府批判をすべし。毎週通う店内のメンバーも顔見知り多し。オフィス代わりにパソコン開いて仕事をしているビジネスマン、学生に個別指導している初老の紳士、倦怠期などないのか仲睦まじい中年夫婦など。10:00ジムで定例のエクセサイズ&サウナ。目標体重まで1.5㌔、血圧上108下83。帰宅して我が仔と2度目の長い散歩。暑くも寒くもなく心地よし。夜はネットで伝説の料理人の秘蔵レシピやネットフリックス製作のドキュメンタリー(屋台中心のB級グルメもの)を視聴。料理は奥が深い。完全リタイヤしたら料理教室にでも通って基礎から勉強し直そうか。山田風太郎の晩年のエッセイ集を読み返す。同じ著者の≪人間臨終図巻≫と併せて時々再読する。まぁ枯れた老作家の飄々とした文体に味わいを感じるのは自分も年をとったと云うことだろう。


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80歳の壁

2022-09-07 21:27:11 | 書籍
9/7(水)曇り時々雨
5:30起床。出勤日。以下、毎週水曜日のルーティン。15:50定刻退社。最寄り駅に着いたときには小雨。床山でサッパリしてとカフェで一服。帰宅して雨の小休止に我が仔と2度目の散歩。夜は和田秀樹の話題のベストセラーを精読。今世紀半ばには4人にひとりは100歳まで生きる高齢化社会を迎える。長寿はめでたいが健康寿命をいかに伸ばすかが本書の肝である。とにかく歩け、前頭葉を活かせ、ストレスをためるな、肉を食え、などなどありがたき金言・警句の数々。まぁ過半は実践していることなので我が意を得たりと云ったところか。
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すぐ死ぬんだから

2022-08-24 21:11:39 | 書籍
8/24(水)曇り
5:30起床。出勤日。我が仔との散歩を終えて出勤。スマホに着信。トイレの改修を依頼していた業者から日程連絡。7月末に発注して梨の礫だったのでやる気がないと思っていたが、今頃失礼だろう、と返信すると平身低頭謝ってきたが、まぁ縁がなかったのだな。実に不快なり。昼に讃岐うどん。15:50定刻退社。帰宅して我が仔と長い散歩。夜は内館牧子のシルバー≪終活≫小説を読了。以前、平凡な男性の定年退職後の悲哀を描いた≪終わった人≫にも感心したが、売れっ子シナリオライターだっただけのことはあり、人物造形が巧く、会話が面白い。展開にもキレがあって大いに楽しんだ。これも映画化されるだろう。主演女優は草笛光子あたりが良いと思うのだが・・・。
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おいしいごはんが食べられますように

2022-08-15 19:55:02 | 書籍
8/15(月)晴れ
77回目の終戦記念日。お盆も明けようと云うのにまだまだ暑い。6:30起床。我が仔と散歩。食欲もないが乳製品と果実を流し込む。午前中は真面目に仕事。事務所は出勤率5割以下だそうで定例のミーティングは休会。午後は雑用と散歩など。夜は今期の芥川賞受賞作を精読。直木賞・芥川賞ともに候補が全て女性であったことが話題となっていた。告白するが、ここ数年受賞作を通読したことがない。読書に対して粘りや我慢が出来なくなった。これも悪しき加齢症状か。但し本作は珍しく一気に読めた。小さな一般企業の地方拠点内の人間関係を繊細で丁寧に描いていた。タイトルとは裏腹に少々毒気のある内容であったが、凡庸なストーリーなのに人物造形と語り口が素晴らしかった。登場人物の言動にリアリティがあって、描写が立体的である。これは小説でしか得られぬ興奮であろう。おそらく目利きのプロデューサーが映画化権を取得するだろう。自分だったら主要3名のキャスティングを誰にするだろう、暫し想像して楽しんだ。
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