Il film del sogno

現実逃避の夢日記

古書を尋ねて

2006-02-28 00:33:00 | 日記
2/27(月)
風強くやや寒し。
池袋は昼夜を問わずよく徘徊する街である。
若年の頃、当地で怪しいアルバイトもしたし、今でも映画は勿論、芝居や寄席を一番観聴きする場所でもある。
あの猥雑な活気が何ともたまらない。

随分前にサンシャイン通りにあるファストフードの窓越しから、ロケ隊の撮影現場
を見物した事がある。
役者は観た事もない若い男女で、どっかの大学の映研サークルかな、と呟くと、同席していた年下の友人(性風俗関係全般に異常に詳しい20代の男性)が
『あれぇ~、小室友里に似てんなぁ』『誰、それ?』
『AV女優』
『なーんだ、じゃあアダルト?』
てな会話をした。
後日『Pain/ペイン』というマイナー映画を鑑賞して吃驚。
似てるも何も御当人だった。

・・・そんなこともありました、と同じ店でコーヒーを飲んで窓外を眺めて思惟?していると、隣に座っていた上品な紳士から話しかけられた。
『何かお悩みのことがあるんじゃないですか?』
危うく怪しい宗教団体に加入させられるところだった。
大都会には満たされない孤独な者達の魂が蝟集している。

池袋から歩いて帰宅。
そのコースには途中寄り道する古本屋が三軒ある。
探していた小酒井不木の短編を見つけて購入。
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ピーナッツ

2006-02-27 00:07:00 | 日記
2/26(日)
終日冷たい雨。
親族の見舞いに病院へ。
昼食をもそもそと摂っている老婆は、健常時の半分に見えた。
がん治療で内臓の過半を摘出し、なお抗癌剤を投与している。
延命処置なり。残酷なり。

クリーニング屋へ冬物の一部を持ってゆく。
顔見知りのカウンターの小母さんと世間話。
亡くなった実母に良く似ている。

近所のシネコンで【ピーナッツ】鑑賞。
内村光良初監督作品。
お仲間のお笑い芸人多数参加。
ウン年ぶりに故郷へ帰ってきた、草野球チームの伝説の三塁手。
東京でのスポーツライター生活はスランプ状態。夫婦仲もうまいくいかない。
地元の商店街は、再開発で揺れている・・・。
良くあるお話。
NETでの評価は高いようであるが、あれはコアなファンの贔屓目でありましょう。
監督は元々野球少年で、かつ映画監督志望だったとのこと。
丁寧な作りは認めるし、随所にそのこだわりが感じられた。
大絶賛とまではいかないが・・・。
佐藤めぐみ、桜井幸子の女優陣が意外や良かった。
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県庁の星

2006-02-26 00:41:00 | 日記
1/25(土)
まぁ暖かきかな春近し。

近所のシネコンで【県庁の星】を鑑賞。
織田裕二と柴咲コウの初競演。初日。
【今、何かが変わる。
キャリアとパートのミラクル改革エンターテインメント!】
・・・と、これは宣伝コピー。
さすがCX製作。作りにソツはない。

原作は昨年読了。
映画はその設定(本はバツイチ子持ちの45歳)を若干脚色しているが、大筋は小説通り。

監督・西谷弘はTVディレクター出身で劇場作品初演出とのことであるが、セットや小道具の細部にまで気配りあり達者な職人と見た。

これもお約束の展開だったが、二人の恋物語はサラリと描き、ラストも嘘っぽくなかった。
酒井和歌子、石坂浩二、 井川比佐志 益岡徹 ら脇役の布陣も巧い。

そういえば、5年ほど前、下北沢で芝居観た帰り、小腹がすいたので入ったお好み焼屋で、柴咲コウと隣り合わせになったことがある。
無論彼女はおしのびで、隣にはラッパー風の色男が座っていた。
帽子を目深に被っていたくらいで特段変装なし。
しかし、あの顔の小ささと瞳の大きさは、ちょっと目立つ。オーラを感じた。
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シムソンズ

2006-02-25 11:55:00 | 日記
2/24(金)
ぐずついた天気で午後より雨。
ワーナーマイカルシネマズ板橋にて【シムソンズ】鑑賞。
19:05~の回、若年層中心に観客30名前後。

トリノで善戦した邦家カーリングチームがモデルとなっているそうな。
数日前、彼女たちが惜敗した試合とインタビューをTV中継で見た。
へそ曲がりのわたくしは、常に敗者により強くシンパシーを感じる。
氷上では沈着冷静な彼女たちの紅涙に、こちらも泣けてきました。

その影響か、都内(新宿・渋谷)の小屋は、上映回数を増やしているようであります。

本作公開をオリンピックにあわせたのは配給戦略で大正解ですが、安直な便乗作品だと思ったら大間違いで、なかなかしっかりした作りに仕上がっていた。
わが思い出の大傑作【がんばっていきまっしょい】のテイストに最も近いと思う。
というより、製作サイドも相当意識したと思われる。
風光明媚な地方都市(四国と北海道)で最初は無気力だった少女たちがマイナースポーツ(ボートとカーリング)を通じて成長してゆく。
両作ともメンバー個々のキャラを際立たせ、友情と信頼、淡い恋心、家族の結束、師弟関係と波状的に素材をひろげて、ラストの試合に全てを収斂させてゆく。
シナリオはクスグリや小道具も按配して良く出来ている。
そう、設定と展開は全てがセオリーでありベタである。
ただ常道の何処が悪いと開き直りともとれる勢いがこの作品にはある。
揺れる少女たちと達者な脇役陣が溌剌としており、わが心中の琴線は大いに震わされたのだ。
事実後半1時間は、鼻の奥がぐずつきっぱなしで難儀をした。
あれありこれありで、最終的には彼女たちは、勝ち負けより大切なものを得る。
ラストのスチールなんぞ心憎いですね。
人生、何かにひたむきになれる時期はごく短い。
しかし、夢は信じたものだけが掴めるのでありましょう。



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ホテル・ルワンダ

2006-02-24 01:57:00 | 日記
2/23(木)
朝暖かく、夜分は強風あり寒し。
有楽町シネカノンのレイトショウで【ホテル・ルワンダ】鑑賞。
中高年中心に3割の入り。

現代アフリカ版『シンドラーのリスト』。
この主人公もシンドラー同様もともと正義漢でも人道主義者でもなく、おのれの保身と利益のためにやっていたことがいつのまにやら……という実話が基になっている。
だがしかし、彼のとった行動が1200人余の命を救ったことは確かな事実でありましょう。
その一方で100万人以上の自国民同士の地獄絵図ともいえる殺戮があったことも。

ナチスのホロコーストも、アメリカの原爆投下も、殺す側の理屈はあろう。
後世、歴史を俯瞰して顔を背けたくなるような残忍な蛮行を我々は犯しているのである。
最近、幼い子供の友人を安物の刃物で斬殺した母親がマスコミを騒がせたが、彼女の人心の暗黒を我々は到底忖度することは出来ない。
しかし、身の毛のよだつような鬼畜の芽は、実は誰の心にも宿っているのではないか?
我々は陰惨な誘拐事件や酸鼻を極める内戦のニュースを見たすぐ後に、バラエティ番組に呵呵大笑し、枕を高くして惰眠を貪るのだ。

ドン・チードルをはじめ役者は皆々力演。
今年必見の一本。
英・伊・南アの合作。

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女の魅力は三十路から

2006-02-24 01:26:00 | 日記
2/22(水)
前日同様暖かきかな。
有楽町で友人二人(男女)と懇親。
鬱病を脱した年男と海外留学を終えた後厄女。
ノン・アルコールで井戸端風四方山話、4時間しゃべりっぱなし。
しかし、最近の30代女性は元気がある。

桐野夏生の【リアル・ワールド】(文庫)購入。読み出してアレレレと思い、自宅書棚を見れば、単行本の初版あり。
やっちまったぜ。
加齢性健忘症、深く静かに潜行中。
しかし待てよ。
この症状がさらに悪化すれば、読んだことも忘れて、初読時の感動をまた体験できる、とポジティブに考えてみたらどうだろう。
人生常にプラス思考でゆきたいもんです。(苦笑)
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またも通夜・・・

2006-02-22 00:53:00 | 日記
1/21(火)
暖かきかな。コート不要。
元上役の突然の訃報。享年72。
まだ若い。
今月は知人の妻、母、元取引先の担当者などなど、周囲で不幸が続く。
夕刻横浜の斎場へ。
旧知の人々多数散見。
親しき仲間7名とお清めの宴。
故人の思い出話を小一時間、あとは共通知人の近況、消息、消長、盛衰。
そこに不在の嫌われ者の悪口で飲む酒美味し。
皆々気炎をあげ大いに盛り上がる。
ああ人間という奴は嫌なもんだな、帰路の車中で自己嫌悪。少し凹む。
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イノセント・ボイス-12歳の戦場-

2006-02-22 00:41:00 | 日記
2/6(月)
予報では夕刻より雪になるとかならぬとか。
結果、少し冷たき雨がチラつく。

シネスイッチ銀座にてタイトルのメキシコ映画を鑑賞。
1980年、中米の小国エルサルバドルは政府とゲリラの内戦下にあった。
11歳の少年主人公が住む小さな町は、軍とゲリラの勢力のほぼ境界線にあり、銃撃戦がなかば日常的に行なわれている。
一家団欒の最中に銃弾の雨あられという状況は凄まじい。
映画とはいえやり過ぎじゃあねえか、と少し引いた。
問題作ではあるが、映画としての出来という点では疑問符もつく。
少年少女の眼差しは純真無垢。
倹しい日常生活と戦火のコントラストが激しい。
教会の神父が戦いの無益さを嘆く。
深く同感。

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エリ・エリ・レマ・サバクタニ

2006-02-22 00:39:00 | 日記
2/7(火)
未明に雪。
早朝、うっすら薄化粧の舗道を慎重に歩く。
昼、ブリ大根を食す。

新宿テアトルにて『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を鑑賞。
観客10名前後。奇矯な題名なり。
『神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや』(マタイ27章46節)と、これはキリストが十字架に懸けられた時に唱えた科白だそうな。
西暦2015年、世界中に自殺を促すウィルスが蔓延。
それは視覚で映像によって感染し、人々はこれを“レミング病”と呼んでいた。
発病を抑えるためには、あるふたりの男が演奏する“音”を聴くこと・・・。
と、設定はSF的であるが、実は大変感覚的な映画であった。
監督は『ユリイカ』の青山真治。
あれは3時間40分という長尺と哲学的な内容が物議をかもしていたが、当年(2001年)のベストの邦画であったと思う。
ラストのクライマックスには鳥肌が立った。
本作も音をキーワードに孤独な近未来を描いて風景も神話のようである。
『レイク・マーダー・ケース』で商業作品も撮った監督であるが、やはりアート系が良く似合う。
青山ワールド侮れず。


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種まく人

2006-02-22 00:38:00 | 日記
2/8(水)
業務連絡省略。
神田の喫茶店でお茶飲んでいたら隣のテーブルに怪しき中年男二人組が座った。
漏れ聞こえてきた会話は、手形詐取の打ち合わせ。
カモ(子羊)は、どこぞの中小企業オーナー。
弱肉強食の資本社会。
うまい話には気をつけよう、と自戒の念をあらたにする。

玉村豊男【種まく人・ヴェラディスト物語】読了。
四十路半ばで大病し、終の棲家として信州に農場を開墾するまでの顛末が軽妙洒脱に書かれている。
理想の余生、などという言葉が脳裏をよぎる。
晩年は田舎で農業も悪くない?当然はたで見るほど楽じゃあないのだろうが・・・。

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the quest for the red prince

2006-02-22 00:36:00 | 日記
2/5(日)
晴天なれど風強く寒し。
前日明け方就寝。
起きれば昼近く。
【遅寝早起き】を実践しているわたくしにとってこれは珍しい。
前日の鍋物を雑炊にして朝昼食を兼ねる。

タイトルはマイケル・バー=ゾウハー&アイタン・ハーバー共著によるノンフィクション。
前日鑑賞した【ミュンヘン】の背景本。
イスラエルとパレスチナの抗争を描いたもの。
しかし、この種の本は何冊も読んだけれど、中東問題というのは複雑だなぁ。
まぁそれで御飯食べてる学者が居るくらいだから、素人が付け焼刃で本数冊読んだくらいで解るわけがないのだが・・。
民族・宗教の溝は深い。
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宝台樹スキー場

2006-02-21 02:07:00 | 日記
1/19(日)
群馬・水上、宝台樹スキー場にて遊ぶ。
噂のみ聞いてはいたが、初体験。
11:00近くにスキー場到着。
晴天、無風、気温3度、混雑なし、と良いことずくめ。
受付で半日チケット(3000円也)を買おうと並んでいると、中年女性が寄ってきて『これから帰るのですが、一日券買いません?』と良くあるお誘い。
2000円にて購入しリフトへ。
初・中・上級のゲレンデ配分もよく雪質もまぁまぁ。
フリース一枚に上着、帽子・手袋・ゴーグルなしで心地よき滑走。
5時間ミッチリ滑って、水上温泉街の旅館に一泊。
温泉に浸りああ極楽。

近所のすし屋で夕餉。
客はわたくし一人。
親爺はビール片手でほろ酔いだし、孫(3歳ぐらいの女の子)は店の中走り回って、まぁ商売っ気なし。
親爺と談笑。
『日本橋三越前の老舗すし屋で10年修行してた。昭和33年だよ。』
唐突に右翼の大物と知り合いだなんて言い出して、頭山満や大川周明・北一輝、下って野村秋介を論じていた。
適当に相槌打って聞いていたのだが、記憶の底にあった一首を突然思い出した。

【さだめなき世なりと知るも草莽の
   一筋の道 かはることなし】
野村が自決前に残した辞世の句。
憂国の士はニヒリストでもありました。


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失踪日記

2006-02-21 00:25:00 | 日記
1/20(月)
オリンピックの総集編をTVでチラリと見る。
カーリングってルール解らないのですが、選手皆々知的な風貌していて好感がもてますなぁ。

漫画家、吾妻ひでおの【失踪日記】を読む。
才能の枯渇から突然の失踪、自殺未遂、路上生活、肉体労働、アルコール中毒、強制入院・・・。
波乱万丈っていうんだろうなぁ、これも。
しかし、健康になってこの手の作品をどこか超然と描き、エンターテイメントにする手腕はやはり凄い。
いやいや創作(戯作)者の性かな。
そういえば、今は亡き中島らもに【今宵すべてのバーで】という小説がありました。
あれも自身の闘病(アルコール中毒)体験がもとになっていることは明らかだったが、陰惨な日々を見事に客体化していた。
作家というのは転んでもタダでは起きない。

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ミュンヘン

2006-02-19 03:14:00 | 日記
2/4(土)
快晴寒し。
ユナイッテッド・シネマとしまえんにてスピルバーグの新作【ミュンヘン】を鑑賞。
3時間近い大作だが、全く退屈しなかった。どころか、その緊密な構成と展開に微動だも出来ず。まさに傑作なり。
役者、プロダクションデザイン、撮影、シナリオ、どれをとっても一級品。
テーマも深い。
平和ボケしている邦家と違い、今でも世界のどこかで民族の血で血を洗う復讐は続いている。
魑魅魍魎たる国家陰謀。
祖国とは、家族とは、民族とは、何か。愛と平和を口にすることは容易い。
しかし、我々は永遠に隣人たちと友好による共存など手にすることはできないのではないか?
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送別の儀

2006-02-19 03:13:00 | 日記
2/3(金)
大宮の洒落た鳥料理屋でお世話になった方の送別会あり参加。
気心の知れたメンバーと3時間談論風発、楽しからずや。
終電で深夜帰宅。
玄関に豆粒散乱。
ああ節分だった。

沢木耕太郎【凍】読了。
著名なクライマー山野井泰史・妙子夫妻のギャチュンカンでの遭難と奇跡的な生還を扱ったノン・フィクション。
人は何故山に登る?
つくづく不思議だなぁ。
山登りの仲間に貸し出す。
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