Il film del sogno

現実逃避の夢日記

オリバー・ツイスト

2006-01-31 23:46:00 | 日記
1/31(火)後時々
日比谷スカラ座にて【オリバー・ツイスト】鑑賞。最終回。大きなスクリーン、緩やかな傾斜、柔らかい椅子。観客もまばらなガラガラの大劇場。心地よきかな。文芸大作には大人の街の劇場が良く似合う。なんてったってディケンズである。お話は名作古典だが、やや平坦な印象。但しプロダクションデザインは素晴らしかった。
監督は昨日若干触れたロマン・ポランスキー。
ユダヤ系ポーランド人。1933年、パリ生れ。17歳で両親とナチの強制収容所(母親死亡)へ送られる。戦後、二十歳までは俳優を志し62年、監督長編第1作『水の中のナイフ』で一躍注目され68年、アイラ・レヴィンのベストセラー『ローズマリーの赤ちゃん』でハリウッド進出。翌69年、妊娠8ヶ月の妻・女優シャロン・テートがチャールズ・マンソンとカルト集団に惨殺される。74年『チャイナタウン』で絶賛を浴びるが77年、ローティーンの少女をレイプした容疑で逮捕。保釈中の身で海外ロケへ、以降米国へは帰れず『テス』('79)『パイレーツ』('86)『フランティック』('88)『赤い航路』('92)とヨーロッパを中心に創作を続けており、『戦場のピアニスト』でオスカー受賞。
監督や役者の氏、来し方、人品骨柄などは作品鑑賞のうえでどうでもいい事だが、挫折と栄達、絶望と成功をジェット・コースターのように繰り返したエキセントリックな映像作家、あまり良きファンではありませぬが、その動向はやはり気になる。
ポランスキーの映画を観る度に、わたくしはいつも靴に小石が入った時のような形容し難い不快感を覚える。しかし、今回は堂々たる少年の成長譚を撮っていた。



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ボディスナッチ

2006-01-31 00:27:00 | 日記
1/30(月)前日継承。止まった宿は、岩原ウインターリゾート(戦前からあるスキー場で、日本で最初のナイター施設を整えた老舗)麓のリゾート・ホテル、一泊朝食付きで1万円なり。近所の居酒屋の女将曰く『このあたりのマンション(ワンルーム)はいま60万円くらいだよ。老後の終の棲家に買わない?』バブル絶頂期は2千万くらいだったそうな。日曜夜の幹線道路は閑散としてスキー場の照明だけがやけに綺麗でありました。
昼過ぎ帰宅。家人お勧めのおフランス映画『ボディスナッチ』をDVDで鑑賞。(日本未公開)B級サイコ・スリラーかと思いきや文芸作かと見紛う格調高い映像で中盤までは○。後半の展開はやや強引ではあるが丁寧な演出で引っ張り退屈はしなかった。主演のエマニエル・セイナー(英語風表記です)は、ポランスキーの奥方で体を張った熱演でした。ハリソン・フォードを食った『フランティック』やジョニー・デップと渡り合った『ナインスゲート』(両作とも旦那の演出)同様、このような妖艶な役が似合う。


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パインリッジリゾート神立

2006-01-30 22:10:00 | 日記
1/29(日)上越に遊ぶ。処は関越道・湯沢IC下車1KMの【パインリッジリゾート神立スキー場】。自宅をAM9時に出発。昼前にはレストハウスで食事を済ませ、午後券(3000円也)を買ってリフトに乗り込む。無風、気温5度、上空は雲ひとつなく抜けるような青空が広がっている。数週間ぶりの快晴だとか。日頃の行いが良いからか。前日雪崩により高速通行止めがあったにも拘らずそこそこの混雑。稼動リフトは3本。4時まで滑って麓のホテルへ。温泉に浸かって心のつっかい棒をはずして弛緩。ああ極楽。


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フライトプラン

2006-01-29 01:04:00 | 日記
1/28(土)明け方就寝。奥田英朗の【ガール】読了。戦う30代OLのユーモア小説。毎度のことそのリアルさに唸る。10時起床。父を見舞う。意識混濁。目を開けるも認識なき模様。ユナイッテッド・シネマとしまえんにて【フライトプラン】鑑賞。ジョディ・フォスター主演のミステリー・パニック映画。設定のアイデア良し。ヒロイン逞しき。前半秀逸、後半意外な展開になるも、シナリオの穴に納得いかず、観終わってやや憮然。もう少し練りこめば大傑作になったのに残念。演出と編集に光るものあり。母性映画と割り切れば腹も立たない?
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復讐者に憐れみを

2006-01-28 02:15:00 | 日記
1/27(金)池袋・新文芸坐にて【オールド・ボーイ】と【復讐者に憐れみを】の二本立てを鑑賞。オールドは再見、復讐は初見。同劇場は韓流フェアの期間中。両作とも【JSA】のパク・チャヌク監督作で、昨年の【親切なクムジャさん】と併せ、いわゆる復讐もの3部作といわれるラインナップ。これで同監督が2000年以降に演出した長編作品は全て鑑賞したことになる。エグイよなこの3作は。賛否両論でありましょう。しかし、この監督の独特の映像センスはやはり、ちょっとしたものである。世評の通り最新作ほどデキがいいと思う。【復讐~】は特に、隠々滅々たるシーンのオンパレードで、この悪魔の連鎖を誰か止めろ!と叫びたくなるほど救いがない。週末はハッピーエンドのハリウッドものでも見ようかしらん。
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カミュなんて知らない

2006-01-27 01:33:00 | 日記
1/26(木)池袋で映画鑑賞の梯子をした。【天使】とタイトル。深田恭子がそのまんま天使を演じた甘いメルヘンのほうはこの際措く。自慢じゃないですが、ヒマだけはあるわたくしは、ほぼ毎日劇場で映画を観ている。東京都下ではレイトを含めれば常時5~60本の演目かかり、まぁ見尽くすことはない。香港ノワールに痺れ、タイの古典楽器の調べに酔い、モンゴル少女の赤い頬に郷愁を覚える。
予告編観ただけで全体が読める予定調和で大味な聖林ものが続くと、本作のようなトンガった邦画を見ると、心中【大当たり!】と快哉を叫びたくなる。
柳町光男監督とは【19歳の地図】【さらば愛しき大地】【火まつり】以来20年ぶりの再会。よくまぁお達者で・・・。
学生の映画製作を通じた愛憎ドラマが、捻った二重構造を生み、随所に乾いたユーモアと名作パロディがふんだんに盛り込まれている。そして、幾通りの解釈も可能な匕首のようなラスト。

移転したユーロスペースでもよかったが、本作は御当地映画でもあり、敢えて池袋HUMAXシネマズのレイトで鑑賞。観客10名。この映画は観客を選ぶ?
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宇都宮といえば餃子だそうで・・・

2006-01-25 23:35:00 | 日記
1/25(水)たまたま下車した駅前の専門店に入って昼食。餃子は自分で作ったものが一番美味いと思うので特に好印象なし。厳選した素材を使って云々という薀蓄を垂れる店もあるようだが、餃子自体それほど上品な食い物でもないしなぁ。帰路、観ようと思っていた映画(レイトショウ)が、打ち切られておりショック。油断も隙もなし。
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プルーフ・オブ・マイ・ライフ

2006-01-25 00:02:00 | 日記
1/24(火)狭山の田園地区を迷走。夕刻、池袋テアトルダイヤで【プルーフ・オブ・マイ・ライフ】鑑賞。グウィネス・バルトロウとジェイク・ギレンホールの恋愛ものと思いきや、彼女と死期迫って惚けて(あっいまは認知症って言わないとマズイ?)きた高名な数学者・アンソニー・ホプキンスとの親子ものであった。この娘も数学者で、学術的な結びつきもある。聡明な頭脳と情緒不安定を引き継いだ娘の苦悩、父親の教え子であるジェイクとの恋の行方・・・。う~ん、テーマが分散して、語り口も複雑なのが災いしておりますな。老いは悲しい、血は水よりも濃い、そしてやっぱり愛は強い、ってこと?俗っぽい姉役で久しぶりに贔屓のホープ・デイビスを見た。これは収穫。
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あおげば尊し

2006-01-24 02:03:00 | 日記
1/23(月)憂鬱な週明け。シネスイッチ銀座にて市川準監督の新作【あおげば尊し】を鑑賞。観客10余名。屋外同様お寒うございます。先週末公開でこの体たらく、打ち切り近いとみた。重松清の原作あり(但し未読)。テリー伊藤扮する小学校教諭(と、その家族)が末期がんに侵された父親を看取るまで・・・。奥さんに最近お母さん役が板についてきた薬師丸ひろ子。この夫婦でキラーキャストとまでは言わないまでも、興味はソソる。監督は、丁寧で自然な日常描写を撮らせたら当代一だと思う。淡々切々と教師でもあった父を見つめる主人公と家族たち。学校内では問題児が【死者】に興味を持ち、怪しいサイトへアクセスを繰り返す。教育の現場は荒廃するばかりだとマスコミは報じる。キリキリと引かれた弓が放たれるが如く、ラストシーンはタイトルの大合唱で終わるが、はたして製作サイドの意図や如何に。それは逆説か皮肉か。人生教師になるなかれ。古人は良い事を言った。
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博士の愛した数式

2006-01-22 23:42:00 | 日記
1/22(日)大雪から一夜明け抜けるような青空。近所のシネコンで【博士の愛した数式】鑑賞。洛陽の紙価を高めた原作(これは発表時に読了)の映画化だからか、ほぼ満席の盛況。80分しか記憶を維持できないと言う偏屈ではあるが、心穏やかな数学者と家政婦(と10歳になるその子供)の交流。監督は黒澤明の高弟・小泉堯史。原作にほぼ忠実な人物造形と淡い描写が好ましい。スクリーンに何度も陽炎がたった。人を思いやる気持ちのやさしさや切なさが胸に迫るのだ。寺尾聡、深津絵里、吉岡秀隆、浅丘ルリ子各人適役好演。臍下丹田が温まる心地でありました。これはメルヘンだな。
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大雪

2006-01-22 00:54:00 | 日記
1/21(土)AM9:00起床、窓外は一面の雪化粧。5年ぶりの大雪だそうな。白銀の世界を見ても、幼少の頃のようにトキメクものがない。大人はまことにつまらない。散歩がてら近所のシネコンで何か見ようと思っていたのだが、雑務に追われてグズグズしているうちに午後となる。山本文緒の【恋愛中毒】読了。著者の作品は随分読んだが、出世作の本作は未読であった。ネガティブな主人公の語り口でグイグイ読ませる筆力は相当なものである。レンアイは、辛く切ない。そしてミステリアスでもある。
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THE有頂天ホテル

2006-01-21 14:28:00 | 日記
1/19(木)有楽町マリオン9階の日劇で【THE有頂天ホテル】鑑賞。何故か隣には年齢差が二廻り違う異性の同僚。まぁ、三谷幸喜お得意のコメディ、豪華キャストによるお祭り映画でした。皆々過剰演技でキャラが濃い。各人に見せ場を造った苦心のシナリオは、いかんせん山場がない。意外や音響効果(これは劇場の設備?)やYOUの唄は良かった。ワンシーンワンカットの長廻しやパロディはあまり効果が出ていなかったような・・・。着地点、大団円もいまひとつ。終演後、銀座で点心中華を食す。深夜帰宅。
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あしたのニュース

2006-01-21 00:59:00 | 日記
1/20(金)長野へ出張。あずさに往復5時間揺られる。夕刻新宿着。19:30、シアターTOPSにて贔屓劇団ラッパ屋の2年ぶりの公演【あしたのニュース】をグループ観劇。チマチマした町内会的視野のコテコテコなメディを得意とする鈴木聡(作・演出)にしては、時事・社会問題を提起した作風に少し戸惑った。役者は皆々達者でキャラが立っていた。往年のドライブ感が薄れていたのは残念。しかし笑わせてもらった。終演後、居酒屋(お多幸)で懇親。おでん(大根・ガンモ)が美味い季節です。未明から雪になるそうな。道理で冷える。
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くれないの 文字を辿れば 身の破滅

2006-01-19 00:42:00 | 日記
1/18(水)池袋・新文芸坐にて【スカーレット・レター】を再見。昨年度わがコリアン映画のベストワン。
物語は「善悪(禁断)の実」を食べたアダムとイブを描いた旧約聖書(創世記)の一節から始まる。

人間の抗えない欲望と本性、そして漆黒の闇・・それがこの物語の軸であり鍵でありましょう。

刑事ギフン(ハン・ソッキュ)は自信満々でタフな刑事課長。
元々善人面のハン・ソッキュではあるが、こういう癖のある役も難なくこなす。
さすが名優。
彼には愛人であるジャズ・シンガーのカヒ(イ・ウンジュ)がおり、頻繁に密通している。
ふたりのディープな濡れ場は、相当刺激的ですので覚悟召され。
(ちなみにレーティングは15歳未満不可)
ライブシーンでは、彼女のアンニュイで独特な声質を活かしたナンバーが堪能出来る。
まぁ、つまりなんだ、い~い女なんですな。
身重の妻スヒョン(オム・ジウォン)は清楚で従順、おまけにプロのチェロリストと、こちらも負けじと才色兼備。
カヒとは対極的な役柄設定にしてある。これは三角関係の常道。
彼女たちは友人同士でもある。これもまぁ良くあるお話。
そして殺人事件の関係者である写真館の夫人キョンヒを演じたのがソン・ヒョナ。
このひとがまた他の二人とは異なり、挑戦的なようで儚く、毅然としているようで誘惑的なオーラを放っているのでありますね。
彼女の謎めいた魅力が、事件をさらにミステリアスな方向へと導いて行く。
このあたりを単にサブプロットに終わらせないところにシナリオの非凡さがある。
主要登場人物のこうした配置で、後は奈落へまっしぐら。
魔性を秘めた御婦人方に翻弄される色男には破局が良く似合う。
つくづく女性は怖い。

凝った映像で綴られる筋立ては、サスペンティックに展開して、全くダレ場がない。
日常に潜む邪(よこしま)な不貞、劣情、猜疑、嫉妬・・・。
事件を追う主人公と、この三者三様の美女たちが複雑に絡み、観る者を愛憎の迷宮に誘うのだ。
周到に張られた精緻な伏線に、最後は絡め獲られて、身動きできなくなるような緊迫感を強いられる。
ラストの極限状態における、ふたりの【狂態】と【密着】には鳥肌が立った。

ここですこし薀蓄を垂れます。
原題は【朱紅文字】。これはつまり【緋文字】(ひもんじ)のこと。
【緋文字】(The Scarlet Letter)といえば19世紀アメリカ文学の名作、ナサニエル・ホーソーンの長編小説。
所謂【姦通小説】の古典で過去に何度か映画化もされている。
最近ではデミー・ムーアが4~5年前にヒロイン演じてました。
(しかしこれはいかにもハリウッドらしいハッピーエンドにした駄作だった)
罰人として処刑台の上に立たされた彼女の上衣の胸には姦婦(Adultery)の頭文字であるAが縫い付けられる。
緋文字は、神の道に背いた者が見せしめに付けられる大きな真紅のこの文字を指す。
冒頭の聖書の引用といい、題名とテーマの借用といい、この映画のテーマの一つは原罪でありましょう。

作中、愛さえあればどんな罪も許されるのか、と艶冶な未亡人は主人公に問う。
また、終幕近くにカヒが唐突に、前述した小説に重要な役回りで出てくる不義の子供(パールという名前)について語るシーンがある。
これは泣かせる。

初見は大人の街は有楽町の駅前・ビッグカメラ7階のシネカノン。
18:40の最終回、観客は3割程度の入りで、つまりガラガラであった。
しかし、本作は興行成績と内容はまったく比例しない好事例。
昨今の韓国映画は熱い。

蛇足だが、イ・ウンジュについて。
これは彼女の遺作。
その事実を踏まえて、本作を鑑賞すると、彼女の鬼気迫る熱演は、ある一線を越えていたんじゃないかとも思えるのだ。
断末魔の如くスクリーンに鮮烈な肢体を焼き付けた新進女優は、実は深刻なうつ病を患い、今年の2月22日、自らその命を絶った。
享年24。
韓国はその日、朝から冷たい雪が舞っていたという。
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BEE SEASON

2006-01-18 00:01:00 | 日記
1/17(火)日比谷で『綴り字のシーズン』鑑賞。観客10名弱。閑散なるかなシャンテ・シネ。単なる家庭内ドラマかと思ったら宗教色やオカルトチックな描写があって、予想に反して?大変面白かった。ジュリエット・ビノッシュ演じる母親の行動なんぞ大変サスペンティックで、やはり役者が良いと、画面も締まる。【オリガミ】って英語になってるんですね。ラストシーンは意味深長。【わたし】でなく【神(イエス)】と考えたのは深読みが過ぎる?
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