六次化加工商品を開発することによって、
販売において優位性があることを検証してきましたが、
今回は価格面から見ていきます。
これは自然薯そのもの・冷凍すりおろし・味付冷凍の販売価格比較です。
グラフで分かるように加工品の優位性が顕著なのは、
一本ものの1,000円あたりからの物も使えるということ。
つまり傷があったり変形して売れないようなB品も含めて、
幅広く使えて高い販売価格を獲得できます。
B品も含めくまなく生産物を使えて、
且つ生産者の収益向上に大きな役割を果たしてくれます。
ただその商品を製造するためには、
自然薯+出汁+手間が必要です。
自然薯と出汁の原材料費は僅かであっても、
手間に含まれる労力以外の設備費が膨大であるため、
農業の六次化が進まない一因になっているように思われます。
ここでの設備は高額機器だと、
冷蔵庫・冷凍庫・擦り下ろし機・真空包装機等があげられ、
更に保健所から総菜製造業の営業許可を取得するための設備費が加わる。
これらを新規に構築しようとすれば優に数百万円かかってしまう。
犬山市では付加価値創成補助制度があって、
限度額30万円で総額の1/3を補助する制度があり、
有効に活用すれば大きな助けになります。
ただ募集期間が短く予算化されている総額も多くないので、
担当課と事前打ち合わせが必須です。
魅力的な商品として加工すれば、
高額商品として販売できることを実証できたが、
生産者の六次化を促進させるには、
設備の壁があることを認識しなければいけない。
JAや議会も含めた行政はこのような現状を把握して、
農業者の収益の向上と継続を応援していただきたい。
< 六次化壁高くとも夢高く >