晴耕雨読なくらし

じねんじょに夢をかけるおじさんの物語

君死にたもうことなかれ

2024-08-15 06:00:15 | 社会のこと
今日8月15日は終戦(敗戦)の日です。
一般的には1941年の真珠湾攻撃からの太平洋戦争の終結の日と言われるが、
実際は1931年に中国へ侵略し勃発した満州事変からの、
日本が大罪を犯した15年戦争が終わった日です。

この日に当たって誰しも想うことは、
二度と戦争する国になって欲しくないとの一念です。
これからも平和憲法にもとづいた国であって欲しいですね。

反戦を語る時に口ずさむ詩があります。
与謝野晶子が1904年に日露戦争の戦地へ出征した弟を思い詠んだ歌、
『君死にたもうことなかれ』です。
今のような言論の自由が無い時代に、
心の底から魂を込めて訴えました。

120年も前の詩ですが、
その心や志は現代でも充分に生きています。
ちょっと長いですが現代語訳をネットから引用しました。

ああ、弟よ、君のために泣いています。
君よ、どうか死なないでください。
末っ子として生まれた君なのだから
親はとてもかわいがっていたのに
そんな親は君に武器を握らせて、
人を殺せと教えたでしょうか(いや、教えていない)。
人を殺して死ねと
24歳まで育てたのでしょうか(いや、育てていない)。

堺の街の商人の
旧家を誇る主人として
親の名を継ぐ君なのだから、
君よ、どうか死なないでください。
旅順の城が滅んだとしても、
滅ばなかったとしても、何の事ではない。
君は知らないでしょうが、商人の
家の掟にはそんなものは無いのです。

君よ、どうか死なないでください。
天皇陛下は、戦いに
自らは出られることはないですが、
互いに人の血を流して、
獣の道に死ねとは、
そうして死ぬのが人の名誉とは、
そのお心が深いので
そもそもどうして思われることがあるでしょうか(いや、思われることはない)。

ああ、弟よ、戦いで、
君よ、どうか死なないでください。
この間の秋にお父様を亡くし
取り残されたお母様は、
嘆き、痛ましく、
自らの子を徴兵されても、家を守り。
安泰だというこの治世だけれども
お母様の白髪は増えています。

暖簾の陰に伏して泣く、
か弱くて若い新妻を、
君は忘れているでしょうか、思っているでしょうか。
10カ月も一緒にいられずに生き別れた
おとめ心を考えてもみてください。
この世にたった一人の君以外に
ああ、また誰を頼るべきなのでしょうか。
君よ、どうか死なないでください。

< 終戦の日に思う『君死にたもうことなかれ』 > 
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