晴耕雨読なくらし

じねんじょに夢をかけるおじさんの物語

いぶりがっこ

2023-05-02 06:07:28 | 社会のこと
東北のお土産をいくつか買ってきた中で、
秋田の味を知りたくてこんなものを買っていました。


「いぶりがっこ」で秋田仙北市の刺巻湿原で手に入れました。
通常のダイコン漬けとは一味違う美味しい漬物です。

調べてみると、秋田弁で漬物を「がっこ」と呼ぶことから、
燻した漬物ってことです。

12月初めまでに収穫した大根を1本1本紐で編み込み天井に吊るした後、
ナラやサクラ等の薪を焚き4~5日間昼夜、
熱と煙で燻煙乾燥します。
しっかりと干し上げた大根を主に米糠、塩、ザラメ等の材料で樽に漬け込み、
低温で2ヶ月以上発酵熟成させて作られています。

秋田では冬仕事の一つとしておばちゃんたちによって昔から作られ、
今では地場産のお土産として行く先々の観光地で売られています。
しかし現在これが大変なことになっている。

2021年6月に施行された「改正食品衛生法」で、
漬物製造業でも営業許可の取得が必要になったのです。
これは度重なる食中毒への対策の一環なんだが、
営業許可を取るには専用の調理室を設置せねばならない。

高齢のおばあちゃんたちには、
資金面も含めてそこまで設備投資する体力はない。
県や市が支援しているが続けれる農家は少ないと聞く。

実は私たちが販売している自然薯の加工品も、
この「改正食品衛生法」に引っかかった。
自然薯のカット・真空包装・冷凍すりおろしです。
幸いに「営業許可の取得」でなく「営業届け」で済んだが、
食品衛生責任者講習を受講することが義務付けられ、
私も21年の秋に受講してから営業届けを保健所に提出した。

伝統的な地場漬物が現代の荒波に飲まれてしまいそうで、
これからは工場からの「いぶりがっこ」しか食べれないかも。
だったら秋田のお土産品でなく、
近所のスーパーで買えばいいってことになるかも。
これでは旅する情緒が無くなりますね。

今日は塔野地の網室で臨時の共同作業です。
2棟目を完成させます。

< 「いぶりがっこ」おばあちゃんの味無くなる >
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