北海道の山野でとことん遊ぶ!!
I am Amigo!
2020.4.18 『知来岳』(988m) 黄砂の影響がない春
週末の金曜夕方Hiromi を迎えに行き、
石狩市浜益に向かった。
もう随分日が長くなったので、
夕方からの移動も気が楽になった。
浜益の御料地から農道、
そして林道へと入って行くのだが、
もう平地の雪がすっかり融けて、
冬季より随分奥まで車で入ることができる。
林道を2kmほど進んだ地点の分岐そばで車中泊とした。
そして翌土曜の朝うつらうつらしていると、
林道を走り抜ける車の音がした。
時刻は5時ころか。
随分早く登る人がいるんだな、
と感じつつまた眠りについた。
その後6時に起床するといい天気だ。
7時05分、車中泊地をスタートした。
しばらくは林道に雪がない。
そして残雪が現れると、
この朝車で入って行った、
先行者の車が停められていた。
我々より2時間ほど前にスタートしたと思われた。
その後沢との合流地点をを迎え、
ここが尾根への取り付き点となる。
辺りを見回すと残雪が非常に少ない。
もう沢を渡って尾根に取り付くには、
ギリギリのタイミングだ。
小沢は沢幅のわりに水量が多いので、
渡渉に失敗したら大変だ。
私はは数年前この渡渉に失敗して、
靴中を濡らし予定を変更したことがある。
しかし今回は二人とも難なくクリア。
渡渉が終わると尾根の頭を目指して登るのだが、
もうほとんど雪が融けて頑強な笹が剥き出しとなり、
雪渓をつなぐのがなかなか大変だ。
それでも今回はなんとかつないでこれもクリア。
一週間後はもうダメだろう。
広い尾根の頭に上がると、
雪はたっぷりな量に増え、
締まり具合も十分なので快適に歩を進める。
今日もHiromi は快調だ。
先へ先へと歩を進めていく。
そしてCo.650で樹林を抜けた。
それからは遮るもののない世界へ!
まずは目の前のコブに上がる。
このコブは独立したものではなく、
『知来岳』へと続く稜線の一部に過ぎない。
辛抱して急登に耐え稜線に上がると、
一気に360度の大展望が広がる。
どちらを眺めても素晴らしい風景だが、
特に純白の増毛山地核心部が美しい。
この春は中国大陸からやってくる、
黄砂の影響が少なかったため、
残雪が白いままなので、
この時期としては珍しいくらい美しい。
いいときに登ったと実感しながら、
稜線上を西の『知来岳』を目指して歩を進める。
稜線上には深いクレバスが、
大きく口を開けているところがあり、
その深さに少々緊張させられる。
稜線はやがて一旦南に屈折し、
Co.930で再び西向きとなる。
そしてここからは前方に、
『知来岳』の見事にピラミダルな山容が、
否応なく目に飛び込んでくる。
思わず「素晴らしい」と声が出てしまう瞬間だ。
現にこのときもHiromi が、
その姿を目にして「おおーっ!」と声をあげた。
さて、快適で楽しい稜線歩きは、
ここからが核心部で緊張の連続となる。
ナイフリッジが出てくるため、
Hiromi にアイゼンを装着させる。
ナイフリッジはその幅が靴幅の部分もあり、
かなりの緊張感だ。
そして今回はそんな危険箇所が随分多い。
これは小雪で稜線の残雪が痩せ細っているからだ。
なんとか無事に全てをクリアして、
10時15分、『知来岳』。
頂上もまた面積が狭く、
いつものような安定した安らぎは得られない。
と、ここで先行者のアイゼンを装着したトレースが、
このピークを越えて『奥徳富岳』へと向かっていた。
その姿を肉眼で捉えようとしたが、
とうとう見つからなかった。
いやあ、たいした健脚者だ。
落ち着かない頂上には長居せず、
危険箇所を早々にクリアすべく下山を開始した。
また緊張感を高めて一歩一歩進む。
そしてそれらを全てクリアして早めの昼食とした。
このときToshi からLINEが入り、
同山域の『浜益岳』を下山中とのこと。
その後淡々と下って、
12時50分、駐車地。
Hiromi と二人、今日はこの山に登って本当によかったと、
心より満足して浜益温泉に向かった。
私にとって14回目、Hiromi にとっても4回目の『知来岳』が終わった。
浜益温泉に行くと、
営業が20日から5月6日まで休業に入るとのこと。
新型コロナウィルスの影響によるものだ。
今後は山に出かけるのも、
入浴施設の営業状況を調べてからでなくては、
出かけられなくなった。
温泉で汗を流したあとは『神居尻山』の麓で、
冷たいビールを喉に流し込んだ。