北海道の山野でとことん遊ぶ!!
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2020.9.2 『牟達風登』(むたっぷのぼり・361m) 全面廃道の林道を行く
今週は月曜日だけの出勤だった。
火曜日に女房とスマホを替えた。
スマホを替えるとなると、
購入してのち各種設定に時間を要し、
結局一日仕事となった。
水曜の朝ゆっくり出て、
新十津川町吉野に向かった。
そして美しい「吉野公園」そばから、
農道の一本道に入った。
そこからは目指す「牟達風登」が、
くっきりと見えており、
なかなか形のよい山だ。
ただ、その背後の『壮志岳』が大きいため、
誰もが見落としてしまうような存在だ。
どういうわけか舗装された農道を入っていく。
そして待避所に駐車し、
10時20分、徒歩でスタートした。
舗装が切れた地点で「ヌタップ川」に架かる、
「農場橋」を渡る。
昭和49年竣工と言うから古い。
私が二十歳のときの話しだ。
橋を渡ると舗装が切れて、
林道「農場の沢線」となる。
その後私有地を示す看板が現れた。
林道は1kmも行かないうちに、
鎖のゲートが現れ、
その先は雑草が埋めつくし、
既に廃道となっていた。
本来ここが林道の分岐点で、
右に進むべきところを、
そのまま直進してしまった。
そして1kmほど進んで、
ようやく間違いに気付き、
またゲートまで戻って思案した。
と言うのも、
ゲート脇にあるはずの、
正規の林道が見当たらないからだ。
藪に入って水量の少ない、
「ヌタップ川」の対岸を見渡した。
するとうっすらと林道の痕跡が見えた。
以前はここに橋が架かっていたのだろう。
渡渉して林道跡をたどり出すも、
最初から藪漕ぎだ。
林道全体が周りの藪と何らかわらない状態だ。
どこまで進めるのか、
全く自信が持てない歩行が続く。
藪の林道はCo.190で尾根上に上がった。
地形図を見るとまだ先は長い。
何も条件が改善されない、
藪の林道をゆっくり登っていく。
そしてCo.250で林道跡は完全に消失した。
結局藪漕ぎとなったが、
それまで歩いた荒れた林道の状況とは変わらない。
むしろ林道跡を失わないように、
と神経を遣うことからは解放された。
急登に耐えて登っていくと、
地形図にない作業道に出た。
しかしもう必要ない。
すぐにそれを離れて笹藪を進み、
12時20分、三等三角点「牟達風登」。
歩行中もそうだったが、
ここでもアブとコバエが、
うるさくてうるさくてかなわない。
それらを手で払いながら、
カップ麺だけ食べて下山を開始した。
この下山では二ヶ所で、
本来の林道跡から外れ、
登路では気付かなかった、
地形図にない作業道に入ってしまった。
とにかく歩いている林道跡もただの笹藪も、
見た目の風景が変わらないのだ。
そんな中、最終的に林道跡を失ったなら、
藪を漕いで「ヌタップ川」に下るつもりだった。
林道に下り、自身の汗臭い体に嫌気がさしながら歩き、
14時30分、駐車地。
ほとんど藪漕ぎではあったが、
なかなか面白い山行だった。
片付けをしていると、
50ccのバイクに乗ったおじさんがやってきた。
そして私に「山の調査ですか?」、
と尋ねてきたので、
「いやいや、ただの山登りです」と応えた。
それからおじさんの話しを聞くと、
その辺りはおじさんの土地で、
林道手前の農道もおじさんのものだった。
それを林務署が貸してくれと言ってきて、
承諾した際に周辺の稲作地帯に、
ホコリがかぶっては申し訳ない、
と言うことで林務署が舗装にしてくれたのだそうだ。
冒頭で謎だった舗装された農道の実態が解明された。
そんな話しをするとおじさんは、
すごいスピードで帰っていった。
そして私は滝川の銭湯へ汗を流しに向かった。