クライミングロ-ド2020秋 ③
◆2020/11/12 松木沢ジャンダルム 中央壁直上ル-ト
銅親水公園へ集まったのは5人。
5人というのは何か宇宙的な力学に操られているかのようだ。
戦隊ヒ-ロ-然り、アイドルグル-プ然り。
剣道や柔道の団体競技も先鋒から大将まで、5人がワンチ-ム。
音楽で言うならクインテット。
日本史の授業で「五人組制度」というのもあったな、と思い出す。
秋のクライミングロ-ドに参加するメンバ-が全員揃うのは今日だけ。
宇宙的な作用で集まったオ-ルキャストが目指すのは、松木沢ジャンダルム。
朝日に照らされた中央壁。
その真ん中にあるクラックを繋いで直上するのが今日のル-トだ。
松木沢のロ-プが張ってある所を飛び石伝いにわたって、対岸に渡る。
踏み後を拾っていくが途中見失い、適当に岩壁基部目指していく。
岩壁を少し左に回り込む。
上部にハング岩が見えるのは中央ルンゼ取り付き。
さらに20mほど行ったところ。
岩がガタガタ(ギザギザ)したチムニ-が見える。
ここが中央壁直上ル-トの取付きだ。
先発はisi-end・kumパ-ティ-。
isiさんの登攀力とル-ファイで先陣を切っていただく。
endさんにはクライミングを感じていただき、kumさんには後半リ-ドをしていただく計画。
後発はsak-miyパ-ティ-。
こちらはツルベ登攀。miyさんにツルベ登攀を実践してもらうというのが目的だ。
それぞれの課題と向き合い、実践する。
それが今日の目的。
さぁ、楽しい岩登りの時間です。
1ピッチ
チムニ-を直上し、右に乗り移る。
乗り移るあたりが面白い。
2ピッチ
緩いスラブから中間部、2mほどの乗越が第一関門。
その先のクラックを直上し、上部で左に現れるフレ-ク+オフウィズス。
ここが第二関門だろう。
腕と肩を入れ、足をスメアで突っ張り、体をズリ上げる。
我ながら、強引な登りだ。
この辺りはそれぞれに登り方は違うのだと思う。
カムは#4が2つあるといい。
クラック下部で1つ、上部で1つ。上部は#5でもOK。
先陣を切るisiさんのクライミングは安定している。
現在、当会で一番登れるメンバ-だろう。
ストイックな取り組み姿勢にも襟を正される思いだ。
3ピッチ
左のスラブを乗り越えると、次第にガレ場。
足元が非常に不安定なので、落石に注意しながら行く。
中央ルンゼとここで合流。
大バンドは休憩にいい広さ。
とはいえ上部からの落石なども懸念され、自己確保とヘルメットは必須。
4ピッチ
3本クラックを行く。
先発はここからkumさんがリ-ド。
先発は右、後発は中央を行く。
中央クラックはカムがよく決まり、足をねじ込んで快適な登り。
5ピッチ
スラブを一段上がり、左上。
チムニ-をステミングで行く。
6ピッチ
中央の凹角。
上部が被り気味だが、手掛かりは多いので楽しく登れる。
そこを抜けると、ジャンダルムの頂。
松木沢を眼下に、振り返れば中倉山が大きい。
♪~
感じてほしいんだ
一歩目の胸の高鳴りや
触れる手掛かりの温もりや
悔しさや
その先にある蒼い空を
僕はそうやって壁を越えてきた
今も胸の高鳴りは止まないぜ
下降は、右ルンゼを踏み後に導かれて行く。
わずかで、懸垂支点。
念のためダブルロ-プでの懸垂下降。
50m1本でも足りるとは思う。
しかし、落石の起きやすいところなのでフォ-ルラインの外れる場所までの退避を考慮。
2本あるといいかなと思う。
その後はガレガレの踏み後を行く。
途中、急な場所にはフィックスもある。
踏み後を行けば松木沢の渡渉点。
あとは気軽な林道歩きだ。
課題と向き合い、実践する。
5人、それぞれの課題だ。
そして見つけた課題は明日につながる。
明日という言葉には、希望がある。
そして未来を感じる。
明日も休みだぁ------。
明日は仕事かぁ------。
多少? 心の様相の違いはあれど、私達には明日が待っている。
暮れ行く中で、互いの明日にエ-ルを送る。
あとは次なる登攀の地へと、気ままに移動しながら風呂に入って、好物を仕入れる。
万葉の里のデッキテラスで独り祝杯。
プレモル(※プレミアムモルツの略)はやっぱり最高。
あれ?箸はどこだっけ?
「明日も休み」
実にいい響きだ。
果してどんな一日になるのだろう。
sak