高級軟臥(個室寝台列車)の旅、第2弾は直達快速Z196に乗って太原へ行ってみました。
Z196の始発駅は上海、終着駅が山西省の省都、太原です。
上海発の列車なのですが、蘇州には停車しません。
蘇州から出発する場合は、上海へ行くか、無錫へ行くのかのどちらかになります。
今は大きな鉄道駅であれば改札を出ずに構内で乗り換えることができます。
列車を降りたら、ホームから直接駅の待合室まで行ける改札口を通ります。
日本の感覚だと、直接違うホームに行くだけではと思われるかもしれませんが、
中国の鉄道駅では到着口と出発口が違うため、構内乗り換えできない場合、
いったん駅を出てから入り直す必要があります。
ただし、構内乗り換えの方法は、駅によってまちまちで、
どうやって待合室まで行く改札にたどり着くのか、現地に行くまで分かりません。
無錫で乗り換えるのは初めてなので、少し余裕をもって到着する高鉄を選びました。
案の定、無錫駅のホーム上には行内乗り換えを示す看板や矢印が見当たらず、駅員さんに教えてもらいました。
無錫駅では、行内乗り換えが可能なホームはひとつしかありません。
Z196は定刻通りに、19時8分に無錫駅に到着、12分に発車しました。
上海駅発車時刻は18時、終点の太原には7時42分に到着します。
無錫から太原までの乗車時間は12時間半です。
高級軟臥(2人用個室寝台)を初めて利用したのは、西安行きのZ86でした。
Z196に使用されている高級軟臥車両はZ86と同じです。
日本と同じ2つ口のコンセントも備わっているので、スマホの充電の心配はありません。
大きなテーブルも独占できるので、パソコンを広げて仕事もできます。
人数分以上に使い捨てスリッパが置いてありました。
でも、やっぱりトイレットペーパーはついていません。
今回はZ86では利用できなかった食堂車で晩ごはんを食べようと思っていたのに、食堂車が見当たりません。
過去記事
車掌さんに聞いてみると、乗客が多い時には食堂車は連結していないとのこと。
しかも、車内販売は飲み物、お菓子、カップラーメンのみで弁当もありません。
一応、最悪の事態に備えて、お菓子やつまみとビールを持参しておいて正解でした。
ちなみにZ86は2024年1月で運行を終了しました。
時代の流れとはいえ残念なことです。またこれに乗って西安へ行こうと思っていたのに。。
これで仕事が終わってから蘇州駅で乗車できる高級軟臥はなくなってしまいました。
時刻表上では21時前に南京駅を発車した後は3時半ごろの徳州まで停車しないことになっているのですが、
午前0時前に徐州に停車して乗客も乗り降りしていました。
いつものことながらやっぱり熟睡はできず、ウトウトしかけたらもう外は明るくなっていました。
列車は石家庄まで北上し、ここから西へ向きを変えて太原へ向かうようです。
蘇州から石家庄までの間の風景は、いつも見慣れている江南の農村の景色とあまり差はありません。
(夜なので何も見えないけど)
石家庄から西へ進むと黄土高原に入るため、全く違う荒涼とした風景に変わります。
山西省といえば、鉄と炭鉱です。太原にも大きな炭鉱があります。
中国の列車で残念なのは、とにかく窓が汚いのでゆっくり走る列車からでもピンボケ写真になります。
更に外が明るくなる石家庄から太原の間はトンネルが多いので、景色はあまり楽しめないです。
朝ごはんぐらいは売りに来るかと思っていましたが、これもありませんでした。
長距離列車は遅れることが多いのですが、定刻より少し早く太原へ到着しました。
上海~無錫間で売り切れたのかもですが、弁用も売っていない長距離列車に乗ったのは初めてでした。
残念ながら普通列車の食堂車を利用するのはおあずけです。
高級軟臥担当の車掌さんは、気さくでとても親切な方でした。
部屋に貼られている番号に電話するといつでも部屋まで来てくれるようになっています。
Z196は、移動だ手段としてだけ考えると使い勝手はそれなりに良いと思うのですが、
「列車の旅を楽しむ」にはちょっと物足りない。。
寝るだけだったら値段の高い高級軟臥ではなく、4人部屋の軟臥でもいいかなという感じです。