古い蘇州(老蘇州)の雰囲気がまだ残っている定慧寺巷。
ここには、通りの名前の由来となっている定慧寺(ていえじ)と双塔があります。
定慧寺巷の西の端が鳳凰街、東側には数年前に改修されて綺麗になった双塔野菜市場もあります。
この通りの雰囲気が好きで、時々散歩に出かけます。
通りからでも塔の先端が少し見えてはいるのですが、
全貌が見たいならお金を払って中に入る必要があります。
数年ぶりに中に入ってみました。入園料は8元です。
初めてここに来た10年以上前からこの値段は変わっていないと思います。
双塔は宋代に建てられた7層の塔です。
2つの塔の見た目は、ほぼ同じように見えますが高さは微妙に違います。
東の塔は33.3m、西の塔が少しだけ高くて33.7mあります。
蘇州の双塔は羅漢院双塔とも呼ばれています。
ただし、お寺の建物は現存せず、塔の北側に本堂の跡と16本の石柱だけが残っています。
お寺の跡地の後ろには小さな庭園があります。
ちゃんと手入れされていて、季節ごとに花が植え替えられています。
庭の壁や、双塔を囲む回廊には、羅漢院で使われた石刻や、
宋代に造られた石刻などが、数多く展示されています。
双塔、寺院跡、庭園など全てを含めても敷地面積は小さいです。
歴史的にも文化的にも価値のある場所なのでしょうが、
多くの人で賑わっているのは今まで見たことがありません。
双塔のすぐそばにあるのが定慧寺です。
1982年に蘇州市の文化財に指定されています。
地元の人だけがお参りにくるような雰囲気の小さなお寺ですが、
調べてみると元代にはもう建立されていた古い歴史を持つお寺のようです。
昔はもっと大きいお寺だったのかもしれませんが、火災などによって建物は何度も失われています。
現在は、清代に再建され、後に修復された山門と天王殿、大殿だけが残っています。
でも大殿の前にある大銀杏の樹齢は200年以上あるそうです。
いつもタイミングが悪く、この銀杏が綺麗に色付いているのをこの目で見たことがありません。
定慧寺巷は平江路のように観光地化されている場所ではなく、地元の人達の生活道路です。
並んでいるお店の多くは昔から変わっていません。
定慧寺も双塔もたまにフラッと立ち寄る程度なのですが、こちらも変化はありません。
このまま何も変わらないであってほしいなと思えるの場所のひとつです。