日本古代史 外国史料1 『漢書』「地理志」「燕地条」より
自分の勉強のためもあって、日本古代史に関する外国史料を少しづつ書いていきたいと思います。
たぶん大きく分けて、「外国史料・文献」「外国史料・考古学」「日本資料・文献」「日本資料・考古学」の4つくらいに分けて紹介していくのかなと。
漢文の原文は以下の通りです。
「然東夷天性柔順、異於三方之外、故孔子悼道不行、設浮於海、欲居九夷、有以也夫。樂浪海中有倭人 分爲百餘國 以歳時來獻見云」
読み下しは、以下のようになります。
「「然して東夷の天性柔順、三方の外に異なる。故に孔子、道の行われざるを悼み、設(も)し海に浮かばば、九夷に居らんと欲す。以(ゆゑ)有るかな。楽浪海中に倭人あり、 分ちて百余国と為し、 歳時をもつて来たりて献見すと云ふ。」
『漢書(かんじょ)』は、班固(はんこ)さん(西暦32年生まれ、92年没)が書いた中国の公式史書で、日本のことが掲載された最初の史書です。
「楽浪」とは、前漢の武帝さんが紀元前108年に設置した「朝鮮4郡」の一つ「楽浪郡」のことで、今の北朝鮮・平壌の付近にありました。
「楽浪海中」とは、「楽浪郡から海を船で行く」という意味でしょうか。
「分爲百餘國」とは「当時の倭人は百余国に分かれていた」と言う意味でしょうか。つまり楽浪郡から見て、確認できる日本列島は、百余国に分かれていたということでしょう。
どこまで見えていたのかは不明です。
「歳時をもつて来たりて献見すと云ふ」は、「定期的に1年のうち、ある季節に献見(けんけん)しに来たと云う」ということでしょうか。
「歳時」は「歳時記」と同じ意味でしょうか。
前半の「東夷」「孔子」「九夷」などの部分は、別途書きます。
「漢書」の書籍では、筑摩書房からちくま学芸文庫として、全8冊で出版されています。現在でも手に入ります。全8冊のセットで今、1万3230円です。
<誤記訂正> 「史書」が「支署」となってましたので訂正しました(7月26日(火)午後4時7分)。今、雨が止みました。