雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

日本古代史 10月17日 「万葉集」皇族・貴族の称号の訳語の感想

2011年10月18日 05時25分46秒 | 日本と世界の古代史・遺跡・遺物
日本古代史 10月17日 「万葉集」皇族・貴族の称号の訳語の感想

 『万葉集』を、我々のような市民が読むときに、普通は、原文ではなく「読み下し文」で、五七五七七にして読んでいます。
 問題はそのときの訳語ですが、たとえば皇族・貴族の称号をどう読んでいるのでしょうか。
 ぼくは講談社文庫の中西進さんの5巻本「万葉集」が原文が付いているので愛読していますが、これを引用します。かなりの漢字にふりがながついているので便利です。

 原文   読みかた   引用例  歌番号
大王    おほきみ  
王     おほきみ  額田王(ぬかたおほきみ) 7番
女王    おほきみ  誉謝女王         59番
王女    おほきみ  鏡王女          91番
天皇    すめろぎ               29番
皇子    みこ    川島皇子         34番
皇女    ひめみこ  御名部皇女        77番

 大王=大(おほ)+王(きみ)であるという解釈なら、やはり、王=きみと読むのが論理ではないでしょうか。
 もちろん「きみ」は漢字で書けば「君」です。
 さらに「女王」も「王女」も「おほきみ」と読むのはどういう感覚なのか。日本語で歌うためというなら、繊細な日本語を尊重して、きちんと訳し分けていただきたいです。
 むしろ音読みで「大王 だいおう」、「王 おう」「女王 じょおう」「王女 おうじょ」とした方がスッキリするのではないでしょうか。

 ここまで書いてから、用語問題と言うより、もっと深い論点を思いつきました。

 つまり「大王」とは、古代の日本列島で存在した国には、ただ一人しかいないはずです。西洋の「王様」的な存在が大王です。

 ところが「王」は、大王の息子とか、前の大王の息子とか、いっぱいいるので、西洋でいうと「王子」的な存在ですね。

 実際上、古代のあの時代に、たとえば6世紀前半の、継体天皇(というのは後の時代の言い方で,あの時代には「継体大王}でしょう)と天皇家の王子たちを同じ「おほきみ」と呼ぶとは、考えられません。

本と映像の森 177 野尻抱介さん『太陽の簒奪者』ハヤカワ文庫

2011年10月18日 05時16分14秒 | 本と映像の森
本と映像の森 177 野尻抱介さん『太陽の簒奪者』ハヤカワ文庫、早川書房、2005年3月30日発行~2011年3月15日4刷、318ページ、定価700円+消費税

 野尻抱介さんの作品は「本と映像の森 172 「沈黙のフライバイ」」で紹介しました。今日は2つめです。

 2006年11月9日に実際に起きた水星の「太陽面経過」を望遠鏡で眼視観測していた高校天文部の部員から話は始まります。
 (「天文年鑑」で調べると、地球から見た水星の視直径は、4.8秒から12.0秒ですので、太陽の視直径の32分(=32×60=1920秒)ですから、水星は太陽の平均で200分の1くらいです。)

 主人公は白石亜紀、女子高校生は、水星の表面から立ち上がる巨大なアンテナか塔のような物体を発見し、この現象を探るために、理学部に進学します。

 この水星からの物質の流れは、何者かが水星の表面から大量の物質を空間に流していて、この物質は太陽の周りに巨大なリングをかたちづくります。

 リングは地球への太陽光線を一部遮ることで地上に甚大な気象変動をもたらし、このリングを破壊するための宇宙軍に亜紀は志願します。



 物語は、この亜紀が一貫した語り手・主人公となることで、亜紀の成長物語でもあるのが魅力です。

 地球人と異星人の出会いはできるのか?異星人が地球人の呼びかけに、なかなか反応しない、不思議な「接触物語」を著者は描き挙げました。

 コンタクトテーマの傑作でしょうね。一押しです。貸してくれた娘のIさんに感謝です。

雨宮日記 10月17日(月) 「玄関まで送らないけどいい?」「いいよお」

2011年10月18日 05時01分08秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 10月17日(月) 「玄関まで送らないけどいい?」「いいよお」

 最近は、自分の部屋のネットとつながっているパソコンで椅子に座って打つのではなくて、則子さんの部屋の則子さんのノートパソコンを借りて、低い机で畳に座って打つことが多くなりました。
 
 ぼくは、自分が仕事で出かける午後12時前まで,パソコンを使っているので、則子さんは一緒の部屋だと気が散るのか、下の部屋で学習しています(単に本を読むだけではなく、ノートに抜きがしているので「学習」していると思います)。

 則子さんが先に寝るときは、部屋の天井の電気は消して、低い机の上にスタンドをつけて、覆いで則子さんの方向は陰にしてパソコンを打ちます。

 今日は、浜松市内の2kmメッシュの放射線量測定データをわかりやすい表にして、地図を作る準備をしました。いま80数カ所です。

 ぼくの携帯で23時50分に毎日、アラームを懸けているので、それが鳴ったら、作業をやめて仕事に出かける準備をします。

 必要なモノを持って服を着て行こうとしたら、則子さんが「今日は、玄関までおくらないけど、いい?」と言うので、なんだか幸せな気分で「うん、いいよ、だいじょうぶ」と答えました。

 思い出してみると、結婚して松城町の旧「林泉書房」に住んで数年して夜中のこのアルバイトを始めたころは、毎晩、行く時間に起きて見送ってくれましたね。

 なんだか、新婚の頃の気分が、蘇ってきました。

 午後は、毎日のように、二人で放射線量測定と神社・古代遺跡の探訪にでかけているのですが、こういうのんびりした、ワクワクする新婚気分も、則子さんが就職するまで、でしょうか。