新・本と映像の森 235 ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』創元SF文庫、1980年初版
2018年12月7日発行の「第100版」で読みました。308ページ。定価本体700円。
以前に星野之信さんのリライトしたマンガ版とは少しストーリーが違う。出だしは同じだけど、2人の主人公ハントとダンチェッカーは月面へ向かわない。
国連宇宙軍コールドウェル局長は星野版では女性だが、小説版では男性だ。
ただ物語の基本構造と2人主人公ハントとダンチェッカーの役割は同じ。美人秘書リー・ガーランドも同じです。
ハントは言う。
「問題は・・・・・・そうやって集積された情報をどう解析するかだよ。上のほうの情報の扱いを見ていると、どうも教条的にすぎるというか・・・・・・いかにも融通がきかないんだね。
これまで自分たちが取って来た考えからはずれたところでは何一つ理解しようとしない。視野があまりにも狭量なんだ。自分の信じ込んでいる以外の可能性を頑として拒絶している。」(p76)
コールドウェル局長は言う。
「さっきも言ったように、断片を繫ぎ合わせて填め絵を完成するのがきみの役目だ。おいおい仕事が増えるにしたがって、きみは自分でスタッフを集めればいい。
きみは必要に応じて、各専門領域から詳しい情報を取り寄せることができる。そうやって、きみは調査に目標や方向を与えることになる。」(p117)
この第1巻は衛星ガニメデでの科学者たちで終わり、つぎの『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』へ続く。
なぜか「Google 検索」で「雨宮智彦のブログ 星を継ぐもの」で検索してもこれがヒットしません。
「雨宮智彦のブログ」のなかを検索すると、ちゃんと出てくるんですが。以下は2年前に星野之信さんのリライトしたマンガ版で書いた紹介記事です。
「新・本と映像の森 15 星野之信/ホーガン『星を継ぐ者 ① 異星の魚』小学館
2017年03月07日 10時36分00秒 | 本と映像の森
星野之信マンガ、J・P・ホーガン原作、『星を継ぐ者 ① 異星の魚』、小学館、2015年、313ページ、定価本体500円、
近未来の世界は、戦争廃絶ですべての武器を廃止した世界。軍は国連宇宙軍として非武装で再編されている。
月面で地質調査中の国連宇宙軍隊員が、宇宙服の人類の遺体を発見する。
その年代は、なんと5万年前。
宇宙軍・航空通信局長コールドウェルの依頼で、ニュートリノで物体内部を透視する“トライ・マグニスコープ”を発明した物理学者ヴィクター・ハントと生物学者クリスチャン・ダンチェッカーは、月面へ向かう。
それは、二人と局長秘書リン・ガーランドの驚愕の旅と探求のほんの始まりに過ぎなかった。」