古代史考 マザーグースの葬送歌と『古事記』の葬送歌と萩尾望都さん『小鳥の巣』
少し、自由に、日本の古代史について、書いていきます。
イギリスの童謡「マザーグース(直訳すると「母さんガチョウ」)の中に「誰がクックロビンを殺したか」という有名な歌があります。
「クックロビン」は「雄の駒鳥」のことです。
以下、訳して見ました。
誰が 殺した クックロビン、それは私、とスズメが言った、私の弓と矢で、私が殺した クックロビン
誰が 死ぬのを 見た?、それは私、とハエが言った、私の目で、私が見た、彼が死ぬのを
誰が 受けた 彼の血を?、それは私とサカナが言った、私の小さな皿で、私は受けた、彼の血を
誰が つくるの 白い死に装束?、それは私、とカブトムシが言った、私の鍼と糸で、私は作る、死に装束
まず、この歌をテーマに使った推理小説が、ヴァン・ダインさんが1929年に発表した『僧正殺人事件』です。そして、日本では、漫画家の萩尾望都さんが『小鳥の巣』のなかで使ったので、ボクは初めて、マザーグースの「誰が殺したクックロビン」を知りました。
ドイツのギムナジウムで、14才の少年たちが織りな思春期の切ない物語です。「小鳥の巣」は、連作「パンパネラ」一族のシリーズなのですが、吸血鬼として永遠の生を生きる、主人公のエドガーやアランと、つかのまの青春を生きる少年達との対比が印象的です。
「小鳥の巣」は、ロビン・カーが飛び降りてしまったあと、遅れて、学園にやってきたエドガー・アランと、在校生のキリアン、マチアス、テオとの興隆と確執が悲劇に終わります。なにが悲劇か、作品を読んでください。
「日本古代史考」なのに、何が関係アルの?
実は、『古事記』に、似たような物語があるのです。
高天原の神々が、ニニギさんを派遣する前に、実は何人も派遣して失敗していました。その一人が「天の若日子」さんでした。ところが派遣された天の若日子さんは、大國主の娘の下照る姫さんと結婚してしまい、住み着いてしまいました。
若日子さんが、高天原から「どうなってんの」と派遣された女性を射殺した矢が天井に届いて、そ れを最高責任者の高木神が投げ返したら、若日子の心臓を貫いて死んでしまいました。
そこで「若日子が死んだ場所に、もがり屋を建てて、鴈を食べ物を備える役に、サギをほうきで掃き清める役に、カワセミを料理を作る人に、スズメを碓をつく女に、雉を泣く女の役に定めて・・・
ユーラシア大陸の東の端と・・・西の端と・・・何か関係あるんでしょうね。
ところで、アランは途中で、不慮の事故で消滅しちゃったけど、エドガーは物語の中では・・・2012年の今も。生きているはずです。いまも、10代の若い姿のままで……。
初めて「ポーの一族」シリーズを読んだ時は、たぶん20代でしょうか。今は、ぼくも、もうじき60才です。
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萩尾さんが「クック・ロビン」と書いて「コック・ロビン」と書かなかったのは、たぶん「コック=男性器」というイメージがあって、ドイツのギムナジウムの14才の少年達のイメージと、かなり違うと云う判断でしょうか。