今日は時間があるので記事を書いておきます。
久しぶりですね。家で複数の記事を書く時間があるのも。
記事を書く前に「時間」があったので、このBlogのフォーマットというのでしょうか、それを少し変えてみて「アクセス数」が出るようにしてみました。
なんか2か月前のところからしか「総アクセス数」がカウントされておらず微妙だったので、総アクセス数は外してみました。
では、記事の紹介です。
読売新聞です
「総合診療部」統廃合する大学病院が相次ぐ http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090418-OYT8T00464.htm
医師不足、財政難…
臓器別に細かく専門分化され過ぎた医療への反省から、患者を総合的に診ようと設立された「総合診療部」を、統廃合する大学病院が相次いでいる。 医師不足や財政難が理由だが、診断のついていない患者の受け皿がなくなるうえ、若手医師を育てる場が減ることを懸念する声も出ている。
総合診療部は2000年前後までに、約50大学病院に設置。ところが、05年9月に北海道大が廃止。07年4月には杏林大が廃止した。新年度からは京大が廃止し、群馬大は救急部と統合した。それ以前には02年9月、設立の翌年に廃止した島根大の例もある。
廃止理由について、北大は「利用度が上がらなかった」と説明。杏林大は「専門の診療科の方が患者に人気がある。総合診療を担当する医師も少ない」とする。京大病院は「専門診療科への引き継ぎなどがスムーズにいかず、効率的でない面があった」としている。ほかにも廃止を検討しているところもある。
ある大学病院の総合診療医は「総合診療は時間がかかる割には、手術や高額な検査を行わず、経営側から見れば不採算部門。経営に余裕がなければ風当たりが強くなる」と漏らす。
臓器別の専門診療科よりも地位が低く見られがちなことも、医師側に不人気な理由としてあるという。
日本総合診療医学会副運営委員長の大滝純司・東京医大教授は「総合診療科は、診断のついていない患者の初期診療を担い、臓器別の専門診療科からこぼれてしまう患者の受け皿になるとともに、医師教育の役割もある。研修医に人気のある一般病院ではむしろ増えている」とこうした動きに懸念を示す。同学会では近く、全国の大学病院の総合診療部にアンケートを行い、活動状況を調べる。
患者の視点から開かれた医療の実現を目指すNPO法人「ささえあい医療人権センターコムル」の辻本好子理事長は「大学病院の総合診療部には、高齢化が進む中で必要性が高まっているプライマリーケアを担う人材育成の場として期待を持っているので、統廃合の動きは残念に思う」と話している。
(2009年4月18日 読売新聞)
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個人的には「大学病院」に必要なのかどうかという意味では「いらないのではないか?」と思ったりしています。
少なくともうちの大学の「総合診療部」は不要だと思います。
先日笑い話のような話でしたがこんな話も聞きました
「○○さん、~という状態で(腸管穿孔)手術が必要です。これから外科に移って手術します」
「先生がしてくださるのではないのでしょうか?」
「…私(某病院の外科部長だった先生)は(腸管穿孔の手術は)できるのですが、大学のシステムでやってはいけないことになっていまして…」
総合診療部・・・確かに様々な訴えの患者さんが来ますので、それを全人的に診る必要はあると思います。
しかし、通常の診療において「紹介状」を必ず持ってくるように…となってきた現在、「総合診療」的な役割は開業医の先生方がしていらっしゃいますし必ずしも大学に必要ではないかもしれません。
もっとも、地域の大病院・・というスタンスであれば「総合診療」的な役割は必要だと思いますけど・・・。
原因不明の「血球増加」「血球減少」などが紹介されてきて、話を聞いていると感染症だったり(証明しますけど)膠原病だったり(紹介していますけど)専門医だから他が診れないわけではないですからね。
ただ、大学病院の場合「専門家」がいるためにその専門分野に立ち入った診療を他の診療科がしにくいような気がします。
すなわち「勝手に血液内科の医師が高血圧の薬を出しているが、JSH2009(高血圧治療ガイドライン2009年版)に反する処方をしている」とか言われると面倒だし、住み分けの意味と専門家がいるのだから専門家に任せようという意味がある。
専門家がいるのに手を出して結果が悪いと「何を言われるかわからない」という面もあるため、非常にそういう意味ではやりにくいところではあります(僕は結構やる方ですが)。
総合診療が各分野の割り振りをするまでは良いのでしょうけど、根本的な治療ができない上に「いきなり受診」が少なくなってきた現在、外来診療部でしかないような気がします。
それは即ち大学病院の一分野である必要はなく、地域の基幹病院に存在して「専門医療」の必要性があれば「大学に送る」というスタンスでよいと思います。
ですから後半に書いてあることは当たり前で「大学で人気が出る必要」は全くなく本質的に「一般病院」に存在すべき診療分野です。
大学病院の役割はどちらかというと「専門診療」に傾いており、それに特化する形である方が良いと思います。
研修医の人気が云々ではなく、国民の健康に最大限寄与するべく「住み分け」する必要があると思います
http://blog.with2.net/link.php?602868
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簡単にまとめますと、大学病院に総合臨床部がある必要はない。それは間違いないと思っています。しかし、一般病院にはむしろ充実している必要があり、そこから大学病院に患者を「厳選」して送るようになるとよいと思います
先日ですが・・・近場の病院から「EBV」の初期感染である「伝染性単核球症」が大学病院に送られてきたり、ただのウイルス感染に伴う一過性の「血球減少」が送られてきたり、コラーゲンに関係するもの(血管炎2人とSLE1名)が血液内科に送られてきたりと一般病院の総合診療が強化される必要はあると感じています
研修医の教育のために「無理」に総合臨床部を作るのは「大学病院の医師を手薄にする」だけでなく「研修医の研修の機会を失わせる」ことになりかねません。
僕はうちの病院の総合診療部は早急に廃止して、研修医をきちんとした内科の研修ができるようにしないといけないと思いますし、病床の再配分にもなるのではないかと思います
あとは学生の教育くらいでしょうか?
学生の教育というと・・・こんな記事がありました。
臨床実習1500時間義務化、在学中に実施…文科省検討会合意 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090414-OYT8T00284.htm
医学教育のあり方を検討している文部科学省の専門家検討会(座長・荒川正昭新潟大名誉教授)は13日、医学部在学中の「臨床実習」について、1500時間以上行うことを義務づける方向で大筋合意した。
医師不足の一因になったとされる卒後の臨床研修は事実上、半分に短縮される形になったが、同研修で行われてきた基礎的な部分を卒前研修に組み込むことを狙ったという。同省は今後、大学設置基準の見直しなどを行い、新たな臨床研修制度と同様に2010年度スタートを目指す。
臨床実習は、医学部5年目から始まるが、全国医学部長病院長会議の07年度の調査では、2250時間以上行っている大学が7大学ある一方、1500時間に満たない大学が27大学あるなど、大学によってばらつきがあった。特に、6年目は医師国家試験の受験対策に追われ、実習そのものが形骸(けいがい)化していると指摘されてきた。
見直し案は、臨床実習の時間を増やすほか、内科や外科などの診療科目の実習を充実させ、実習終了時の到達目標を明確にする。
また、臨床研修制度で必修から選択必修になる小児科や産婦人科などの分野についても在学中から体系的に学ぶこととし、卒業までに医師としての総合診療力を身に着けさせることを目指すとしている。
一方、臨床実習に入る前に知識の習熟度を測る「共用試験」については、統一的な合格基準を設け、学生の質を担保する。
(2009年4月14日 読売新聞)
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うちの大学は秋口まで臨床実習していますし、それから卒業試験が冬場までずっと。それから国家試験対策です。
ただ、学校によっては6年生になると「国家試験対策」だけで終わる大学もあるようですね。
それがいいとは全く思いませんが・・・。
実習もいい実習にしないと全く意味もないのですけどね
これに関しては僕はCBT、ポートフォリオを利用したクリニカルクラークシップ、国家試験に使用…というような感じで改善できるのではないかと思っています
それでは、今日はこのあたりで・・・
明日もありますのであと1冊本を読んだら寝ます
では、また。