ヘーゲル『哲学入門』中級 第二段 自己意識 第二十七節[欲望の充足]
§27
Die Tätigkeit der Begierde hebt also das Anderssein des Gegenstandes, dessen Bestehen überhaupt auf und vereinigt ihn mit dem Subjekt, wodurch die Begierde befriedigt ist. Diese ist sonach bedingt: 1) durch einen äußeren, gegen sie gleichgültig bestehenden Gegenstand oder durch das Bewusstsein; 2) ihre Tätigkeit bringt die Befriedigung nur durch Aufheben des Gegenstandes hervor. Das Selbstbewusstsein kommt daher nur zu seinem Selbstgefühl. (※1)
第二十七節[欲望の充足]
欲望の活動は、したがって、対象の他者性を、対象の存在一般を廃止し、そうして対象と主体とを一体化する。こうして 欲望が満たされる。欲望の充足は、だから次の条件を必要としている。
1) 欲望とは無関係に存在する外部の対象によって、もしくは、意識を通して、
2) 欲望の活動は、ただ対象を手に入れることによってのみ充足感をもたらす。
自己意識は、したがって、ただその 自己感情 にのみ帰着する。
※1
前節の§26によって明らかにされた「衝動」は必ずしもそこに意識は介在しなかったが、本節§27で説明されているように、「欲望が充足」するための条件としては、まず外部に他者性をもった対象が存在すること、そして、それを意識していること、次に、その外部の対象を手に入れ、また食い尽くすこと、それによって意識の主体と一体化することである。こうして自己意識は欲望充足の自己感情に行き着く。
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